サイトアイコン P-squad Magazine(旧ドブログ

気圧は意外にも水位に大きく影響する

先日の仕事終わり、条件がどうも良さそうだったので名古屋港に夜前打ちをしに行った。

条件は最高のはずなのになぜか釣れなかった

天気は小雨、数日前は一気に気温が上がったがその後急に下がってきたかたち。ただ、温排水が近いポイントであることを考えるとそれほど水温に強烈な影響はないと考えた。潮回りは大潮、日没と同時に満潮、23時頃干潮という夕マヅメにビッグチャンスのタイミングである。なお、やや乗り遅れて下げ潮開始から15分ほど遅れてのスタートだった。

鉄板エサであるカメジャコを使い、ゴロタ場を攻めていくが、ほとんどあたりがない。たまについばむような反応があるが、エサの頭すらかじられない。周りの人に聞くと、一人がシーバスを掛けたようだが、前打ち勢は全滅のもよう。おそらくまだ水位が高い時間帯に遠投が効くルアーはチャンスがあったのだろう。その後釣友が合流し、真夜中まで粘ったものの竿を曲げることはまったくなかった。

大潮の干潮にできる干潟に入り込み、流芯をルアーで狙ってもらえばいい釣りができるだろうと案内したが、いつまでたっても流芯ができない。通常は大潮、中潮の日などは上げ潮に入れば、川の流れと満潮がぶつかってその境界が波になって遡上してくるのがわかる。これがきた頃合いからがいつもアタリが出やすい「上げっぱな」の時間帯に入るので一つの目安としている。しかし、この日は全く観測できなかった。それに、大潮の割に干潮時の水位が高かったし、下げ潮でも流れがあまりできなかったのである。

台風があさってくるぞ、というタイミングだった

ちなみに、この日は台風21号の来る2日前だった。低気圧が頭上をもたげる日が続いていて、日中から同僚とどうも頭がボーッとして調子が悪いねと話していた。

以前、どこかのブログで気圧が水面に影響するというのを読んだことがある。しかし、とめどなく流れてくる川、そして海がそんなに大きく影響を受けるものだろうか?不思議に思い少し調べてみた。

【天気/災害・環境】なんで台風や強い低気圧で海水面が異常に上昇するんですか?

http://kou.benesse.co.jp/nigate/science/a13g08bb01.html

これによると、

ストローと比較するほどではないだろうと思うかもしれませんが,気圧低下による海面上昇は,1hPaの気圧低下で1cmといわれています。
平均的な気圧は1013hPaですから,例えば950hPaの台風の場合は海面が63cm上昇することになります。

このような効果を「吸い上げ」といいます。
「吸い上げ」と,次に説明する「吹き寄せ」の2つが主な要因となって発生するのが,「高潮」です。

とのこと。

気圧の他に、風による吹き寄せもあるのか、なるほど!
あと、いつまで見れるかわからないけど、当日の天気図も貼っておく。

http://www.tenki.jp/past/2017/10/20/chart/

気圧はその時間を調べると名古屋で海面気圧が1015ヘクトパスカル前後。特別に低いというわけではないが、1hpaで1センチ違ってくるというのなら、晴れていた日と比べて概ね5~10センチほどの差になることがわかる。

気象庁のサイトでも吹き寄せ効果などについての解説がある。

http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/takashio.html

台風や低気圧に伴う強い風が沖から海岸に向かって吹くと、海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇します。 この効果による潮位の上昇は風速の2乗に比例し、風速が2倍になれば海面上昇は4倍になります。 また遠浅の海や、風が吹いてくる方向に開いた湾の場合、地形が海面上昇を助長させるように働き、特に潮位が高くなります。(下図のBの部分)

つまり湾奥の湾奥たる名古屋港9号地付近はそれだけ南風が吹くと水面が持ち上がりやすくなるということになる。いつも干潮前後に美味しい釣りができるポイントは、駆け上がりに流れが当たって魚が集まりやすい、上げ潮に乗って入ってきた魚が駆け上がりを通っていく、というのが釣れる理由と考えられるため、流れができないと困るのである。この日はなかなか水が湾の外に吐き出されない状況であったのではないだろうか。しつこいが、大潮の割に、潮が効かなかったのである。

おそらく、人工的な要素でもなんでもいいから、少しでも流れのできるポイントを回るべきだったのだ。排水口とかボトルネックになっているところとか。

今度は同じ失敗をしない、違う条件で試す、というステップに向かう

釣れなかった理由、釣れた理由は証明しようがない部分があっても、自分なりに客観的なデータから分析していくしかない。釣技の優れた人や毎日のように釣りができる人はいいが、やはり漠然とやっていては上達しないし、効率が悪い。釣れなかった理由も釣れた理由もよく考察することで、「釣れると確信して釣った」経験が増えていくはずである。中京の名手の面々には遠く及ばないが、だからこそこうした地道な考察を続けていこうと思う。

モバイルバージョンを終了