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多少釣りこんだので銀狼2019モデルのレビュー

ダイワがチヌ用品のラインナップに「銀狼」の名を冠したものがある。竿、リール、エサなどトータルラインナップを展開し、竿には価格帯によっていくつかのモデルが有る。

竿には安い方から順に「銀狼」「銀狼 冴」「銀狼 唯牙」「銀狼 王牙」…なんかテレビのヒーロー物が思いの外好評なのでシーズン2,3,4とそれっぽい副題を付けて引き伸ばしているようなネーミングである気はしなくもないが、漢字ネーミング、いいじゃないですか。日本で発展した釣り竿なので漢字ネーミングは個人的に好きだ。ダイワって時々思い出したようにそういう古風な所あるよね。

で、私の財力で考えるとこの中でも最もリーズナブルな「銀狼」を購入。この夏で何度かチヌやグレを釣ったのでその印象を述べようと思う。

エントリーモデルこと無印銀狼1-53(2019モデル)

お値段

多忙で釣りに行けない頃に自分を鼓舞するつもりで買ったw

入門者でも本格的なチヌ竿調子を体感できるハイコストパフォーマンスロッド。柔軟なブランクスは細ハリスをしっかりいたわり、ハリス切れを防ぎながらチヌを暴れさせずに獲る。

https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/iso_rod/19ginro/index.html

それほどたくさん売られていないが、実売価格で2万円をわずかに切るくらいで買える。メーカーも言うように、フカセ釣り入門者に最適な価格帯である。最もメジャーな「銀狼 冴」は3万円前後であるため、その6割位の予算で購入できる。ただし、この価格で購入できるのは2019モデルの銀狼である。先代の銀狼無印は3万円クラスなのでそこは注意されたい。

結論から言うと、これからちゃんと波止のフカセ釣りをやってみたいという人なら十分手が届くので是非買ってほしい。リバティクラブあたりのモデルと比較すると圧倒的にフィーリングがいい。7千円くらいで売っているPB磯竿と比較すると全く別世界だ。「ちゃんと丁寧に設計された竿」でこの価格帯のものがあるというのはコスパ的にはかなりお得だ。ガチ勢の皆様におかれましては、予備の一本に最適。

ディテール

穂先キャップはハリス通しつきなのでセッティングが素早い。PBの磯竿しか持っていない人はぜひこの点のアドバンテージを知ってほしい。もちろんハリス通し付きのキャップは単品で売られているのでまずはそれを買って便利さを味わってからでもいい。

リールシートはFUJIのプレートシート。価格帯を考えるとこんなもんだろう。当然実用に不具合はないが、爪でストッパーを起こす作業は地味にめんどくさい。しかしスクリュー式だと釣ってる間に緩んだりするのでこれでよい。

グリップはうっすらとラバー処理がされておりつや消しになっている。冬にならないと冷たさとかはわからないが、変にごちゃついていると汚れを落とすのに難儀するのでこれでよいと思う。

ガイドは1番(穂先)から2番固定までチタンフレームIMガイドだ。僅かな差かもしれないが、穂先の軽量化は竿の扱いに大きく影響するだろう。ただ、ガイド径が小さく、そして楕円なのでウキ止め糸が引っかかりやすい。ゴムのウキ止めにするか、ウーリーウキ止めなら小さく結ぶなどしたい。

総合して特別目立つものがあるわけではないが、安価な竿とメカニズム的な違いはない実用本位でありながら端々のデザインなどは価格帯以上と感じるような質感がある。私のようなこれからの人にちょうどよい使い勝手だと思う。

銀狼無印2019の調子

禁断のシマノ「ラリッサ」と組み合わせてみる。

めちゃくちゃ軽いと言うほどでもないが持ち重りは少ない。細身なのでキャスティング時も振り抜きやすい。私の場合はやや太いハリスを使うことが多いので0.6号ではなく1号にした。

仕掛けを流しているときの道糸は、海面直下に漂っています。海水が絡んだ重い道糸を持ち上げるとき、ベロンベロンの胴調子では竿先がもたついてしまい、うまく道糸を風上へ打ち返すことができません。こんなとき、適度に張りのある穂持ちのほうが、スムーズに道糸を持ち上げることができます。
投入時も、「NEW銀狼」の張り感を残した調子は、振り下ろした際に竿の軌道が乱れません。黒鯛(チヌ)釣りで多用される重量級のウキも、楽に遠投することが可能です。

https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/iso_rod/19ginro/index.html

実際、流し込んでいく際のラインメンディングはやりやすい。穂持ちから手元が細身のチヌ竿の割にしゃきっとしているから振り込み直後のメンディングや置き直しもストレスが少ない。一日通しで釣るなら100、200回以上やる作業なので、この差は結構大きい。キャスティング時も振り切ったあとガイドがぶれないため糸の出が良い。

穂先は従来品より細く繊細に、そして穂持ちから手元は力強く。そこでメガトップのメリットが存分に生きるということになる。 実際メガトップ採用された本品の穂先は触ってみた感じ、釣ってみた感じだと細身の割に耐久性が良さそうだ。そしてウキが引き込まれるようなアタリのときは穂先に敏感にアタリが伝わってくる。穂先であたりを取るような沈め釣りはまだ試していないが、ソリッド穂先の専用モデルでなくても通用するのかどうかはちょっと気になるところである。先日の氷見コッパグレ釣りでは穂先を引っ張るアタリが多発したがチヌの場合、食い込みが良いかどうか。

ちなみに、ネット上ではメガトップが折れやすいという意見もちらほらあるので、用心するに越したことはない。(メガトップは強度が真下分だけ穂先を細く削れるじゃんという発想で穂先を削ったりするモデルも有るらしいので最終的な強度が高いわけではないと思うぞ)

このくらいのグレなら竿がしっかり曲がって楽しい。ただし魚を浮かせる力はあえて抑え気味なので、本格的なグレ釣りなら別モデルのほうが向いていると思う。

穂先は耐久性が高いということで、片付け時にうっかり穂先を折ってしまうようなこともある程度防げるかもしれない。
メガトップ
https://www.daiwa.com/jp/fishing/column/technology/contents/1188514_4201.html

アワセは軽量でしゃきっとした特性が生き、割とスムーズに決まるし魚の重量を感じるまでのラグが少ない。したがって力を入れてはいけない。おもむろに「あらよっと」という感じで、ただししっかり竿の胴に重さが乗るように立ててやること。中途半端だと胴が曲がってくれずのされがちだ。

胴をしっかり曲げてゆっくりファイトする意識を持つこと

しっかり胴でタメられれば、40センチくらいのチヌならそれほど苦労しない。強烈なフッキングの仕方をしなければ不思議と魚が暴れないため、落ち着いて、ゆっくり寄せてこられる。これが実に心地よい。ただし反発力が強いタイプの竿ではないので、強引に寄せるのは苦手だ。私はこれで何度も障害物から剥がせずに負けている。できるだけ余裕を持ってやり取りできる釣座で釣りたい。

総合して、フカセ釣りが楽しくなる扱いやすい相棒

フカセ釣りを始めてみたいという人のエントリーモデルとして釣具店ではダイワだとリバティクラブ、シマノだとホリデー磯とかアリビオあたりを勧めがちであるが、それらと比べて明らかに持ち重りが少なく疲れにくいし、何より魚の引き味が楽しい。25センチのサバでも掛ければよく曲がる特性ゆえむしろ引き味が楽しめる。チヌになるとゆとりのあるファイトが楽しめる。一個一個の動作が楽になる。ガチ勢からするとある意味一番中途半端な竿かもしれないが、価格を考えると非常に優秀な竿であることは間違いないと思うのでおすすめしたい。

すぐに折ってしまうのではないかと不安な初心者の人はまず竿を地べたに置くのをやめる。竿を置くときは竿掛けを使う。チヌの取り込みは股に竿を挟んでネットインできるようになる。針を外す作業をするときはスプールフリー。穂先をしまうときはあせらずゆっくりと。これが守れていればそうそう折ることはない。さあ、あと1万円追加してみよう。

入魂フィッシュとなったチヌ45センチ位。美形だ。最初は小さい魚かなと思うくらい暴れなかった。

この竿が2万円前後で買えるという凄さ

サンデーアングラーの私にとってこの価格帯の竿のスペックの高さは実にありがたいのである。高くてよいのは当たり前といえば当たり前だが、ヘラ竿の「陽舟」のように、エントリーモデルと銘打っていてもこと「扱いやすさ」で同価格帯の他製品より一歩抜きん出ている。

ぶっちゃけマーケティング的に言えば、本格チヌ竿の入門用としてだけでなく、ラインナップのフロントエンド商品で、私のようなニューカマーがトライして、やがてどっぷりハマっていき数年以内に上位モデルに手を出すというバックエンド方式。。。という仕掛けがあるような気がする。2万円でこれなら、5万円出したらどんなフィーリングが待っているんだろう?と思わせられるだけの実力がある。そういう意味では攻守ともにかなりレベルの高い一品と言えるだろう。

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