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名古屋港チヌのウキフカセ釣りサナギ釣法のまとめ【4.コマセワークと釣り方】(2019年版)

前回はエサ選び、ポイント選びを解説した(→前回)。今回はいよいよ実際の釣り方を説明していく。

おさらい コマセは安価に作れる米ぬかベース+チヌパワー激重

コマセはすべて配合エサとオキアミの組み合わせであればよく粘り、よく飛ばすことができるが、水深が浅くそれほど遠投しないこの釣り方ではそれほどの遠投性能を必要としない。そこで前回の記事にもあるように、米ぬかで濁りを出しつつ量を稼ぎ、オキアミの粘りとチヌパワー激重のまとまり感と重量感でオキアミやサナギのような混ぜものをポイントの底に送り込んでいく・・・というのが現在の私のコマセの考え方だ。

潮が速い場合は粘りを増やすために配合エサの比率を上げていくが、ある程度ゆっくり探れるような潮であればヌカが多くても問題ない。20メートル前あたりのポイントで十分釣れる。

やっていることは「ポイント釣法」と同じ

駆け上がりの下に沿って移動するチヌを寄せるイメージで狙うのだが、コマセはちょうどそのラインに合うように入れていくのが基本だ。また、狙うタナも底をある程度這わせるところからスタートする。障害物に引っかかりがちだったり、ウキがよく動くがすぐに餌が取られて明確なあたりが出ないようならチヌが浮き気味だったり落ちてくるエサを食うほど活性が良いことを期待して底を切って流しても釣れるかどうかを試す。だめならまた底を若干這わせる形に戻す。

投入点はどうするべきか

流れが横の場合

この潮が最も釣りやすいと言うか、釣れやすいと思う。ただし、仕掛けとコマセの投入点はちょっと考えながらやるべきだろう。流れがあるといっても一気にハリスが潜るような潮ではないことがほとんどなので、仕掛けの投入点はここで食わせようと思っている場所よりも潮上でなければならない。投入してから20秒ほどで仕掛けが馴染むとして、それからようやく自分の正面を通過していくようなイメージで投入すると食わせられるチャンスを長くとれるのではないだろうか。で、仕掛けも基本的に横方向に流れていくので、コマセは横方向に帯状に打っていく。狙いが明確なら仕掛け投入直後にウキのやや潮上側に一杯、ウキの未来位置にすかさず一杯。ちょうど馴染んだあたりにコマセが沈殿するイメージ。

もう少し範囲を広げるなら投入位置や投入タイミングをずらしてやればいい。また、エサ取りが多いなら投入点を潮上の狙うレーンから更に5~10メートルほど沖に投げてから、本当に狙うレーンにコマセを打ち、時間差で仕掛けを巻いて狙うレーンに戻してやるなどしてサシエがエサ取りに揉まれる確率を少しでも下げる。ちなみにサナギであればよっぽど餌取りのことは気にしなくて良いのでテンポよくウキの投入点、そしてそのレーンにコマセを打っていけばよい。

あて潮の場合

あて潮も割とよくある。たいていまっすぐあたってくると言うよりやや斜めになるだろう。その向きを観察し、把握してから釣り始めよう。あて潮の真正面に立つのではなくて、自分の立ち位置をあて潮に対してある程度斜に構える事が重要だ。狙うポイント、自分、潮の向きが真っ直ぐになる正面に立つとどんどん真正面にウキが押されてきて仕掛けがたわんだり絡んだりしやすいし、合わせも効きにくい。斜めにポジショニングするとしても、極端に離れると混雑する日は迷惑だし、道糸が長く出すぎると海面に浮かべた道糸に上潮のドラグがかかって仕掛けが浮き上がるためよろしくない。ちょうど良い加減を見つけたい。大抵は投入時に流れに対して30~45度位角度をつけられれば釣りやすいだろうと思う。

コマセワークについては、ウキの投入点から実際に食わせるポイントに沿って帯状に撒きたいので、潮の向きに沿って段階的に打つことになる。この場合は横方向ではなく、前後方向になるというわけだ。といっても、あて潮でずっと安定しているならそれはそれで沈殿したコマセはカケアガリに溜まってくることになるので、ポイントが形成しやすく効率が良いということが言える。ただし、そのぶん仕掛けを流すレーンが毎回毎回無節操に外れるようでは釣れるチャンスが減るということだ。チヌもコマセにダイレクトにあつまるというよりやや離れて食うことが少なくないので、コマセ周辺のエサ取りの濃さをみて、敢えて外して探ってみるなどはしてみたほうがいいだろう。

とにかくハリスがきれいに伸びてて、サシエがタナを取れていること

どのような潮であれポイントであれ、サシエがきちんと潜ってハリスが伸びていることが大事だ。底を這っている場合はしばしばウキが先行してしまうが、それでもサシエがきちんと底を引きずっていて仕掛け全体が真っ直ぐに伸びているならあたりは出る。浮かせるなら、サシエ先行をきちんと守る。投入直後に道糸を潮上に置き直すラインメンディングもするし、仕掛けが馴染む前に一度ウキを止めて仕掛けを先行させてから流し始めたりもする。ただしこれはやりすぎると仕掛けが浮き上がってしまって狙い通り入っていかなくなるから程々に。

仕掛けのセッティングは

第1回でも書いたが、できるだけ早く仕掛けをなじませ、魚が餌を口に入れたらウキに反応が伝わるようにしたい。また、できるだけ長い時間魚に餌を見せられるようにしたい。とはいえ、最初からあまり重い仕掛けだとゆらゆらとサシエが落ちてくるという演出ができないので、潮が緩くて風がないようならBあたりからスタートする。それですぐに餌が取られてもアタリがわからなかったり、風があったり、潮が早くてなじまないようならどんどん仕掛けを重くしていく。

大抵は春先はBからスタート、2B~3Bで釣ることが多いが、 サバが多すぎる秋は最初から3Bで始めることも多い。風が強ければ1号まである。あと、立ちウキなら5Bが一つの基準になるだろう。

そして円錐ウキはエサが馴染んだら少し水面下に入るようにジンタンで浮力を調整しておく。風がうっとおしいなら余計に意識的に沈ませる。例えば3B仕掛けならジンタンのG3とG5をガン玉より下に打って様子を見る。もしその日が水潮気味だったら余計に沈みやすくなるので、逆に微妙に軽くする方に調整しなければならないこともあるといえばある。いわゆる沈め釣りを敢えてやってみるのもいいが、底が浅く、牡蠣殻だらけな上にパイプ椅子、バイク、自転車などありえないようなゴミなどがあったりするポイントなので敢えておすすめはしない。

アタリの出方と合わせるタイミング

物の本やサイトでよく見るように、ウキに出る本命のアタリはもぞもぞと潮と違う動きをした後にゆっくりウキを水中に引き込んでいく、「もぞもぞ、スーッ」と表現されるようなアタリ方をする。これはウキが見えなくなるくらい待ってから合わせるほうが良い。この時点でチヌはハリをしっかり飲み込んでいる。あまり早いと口の硬いところでハリが滑って「手応えを感じたけどフッキングしなかった」ということになりやすい。
それに、ウキがしっかり沈む前だと竿、浮き、魚のラインがへの字になっていることが多く、アワセのチカラが針先に伝わるまでラグが生じ、しかも魚は謎の引き抵抗にびっくりしてハリを離してしまうかもしれない。ウキがしっかり沈みきるということは、仕掛け全体が真っ直ぐになるということなので、アワセがきっちり決まるしよりしっかりハリが刺さるというわけだ。

このあたり方が出やすいのは底を這わせている釣りのときだ。あっと思っても、落ち着いてウキがそのまま入っていくのを見てから「あらよっと」という感じでおもむろに、かつシャープに竿を立てればよい。アタリ速合わせのへらぶな釣り出身の私としてはこの感覚を体が理解するまで結構苦労した。

気をつけなければならない突然ギューンの「出会って2秒で本アタリ」

名古屋港のチヌは意外と大物が突然前触れ無く食ってくることがある。ウキに全く反応がなく、油断しているときに限って突然フルスピードでウキを視界から消してしまう。これはウキが入ったのを見たら「あらよっと」ではなく「よいしょ」くらいの感じで軽く合わせるとよい。すでに魚のテンションがしっかり掛かっている状態なので、あまり強く竿を立てようとすると合わせ切れするが、遅れてしまうといきなり伸されて即終了である。対処がちょっと難しい。

どうせ魚はしっかりハリを飲んでいるので、出遅れた!と思ったら一旦ベールフリーにして(レバーブレーキならブレーキフリーにして)魚にフリーで走らせてる間にすかさず竿の角度を伸されないように修正し、角度がついたらそのままファイトに入ればいい。この場合はベールを戻して魚の重みが乗ったら向こう合わせ状態になる。レバーブレーキリールならこれを指先一つでコントロールできるのでこの場合は圧倒的にアドバンテージが有る。不安なら追いあわせしてもいいが、そんな暇なく一気に走るのでどっちみちフッキングするだろう。

良いファイト法について語れるほどうまくないけど

チヌはグレほどスピードがない、と言いつつも、やはり障害物が近いとファーストコンタクトで勝てないことが少なくない。奴らは奴らでちゃんと障害物の中に入ろうとすることがある。また、障害物に沿って走ろうとする習性があるので、たとえば浅くなった岩礁に沿って走られると道糸がこすれるリスクが高く非常にまずい!できるだけ最初は沖に向かって走ってもらうようにして、その先が開けているならむしろ走らせていいくらいだ。横に走るようなら、竿の向きをその向きに対して手前側に倒すことでチヌはその反対側に行こうとする(=より深い沖側に向く)のを利用する。

独特の叩きとも言われるゴンゴンとした手応えがするが、慌てずそのまま竿の角度をキープ。突然走り出すときがあるが、膝、肘を柔らかく使って対処する。それでも追いつかないようならブレーキを緩めて、送り込んでいる間に竿をまた立て直してやる。30センチ台ならそこまでしなくても竿の弾力と肘のクッションで十分対処できる。

開けている場所なら落ち着いてやりとりしていればやがてスタミナを消耗して浮いてくる。その瞬間、銀鱗がギラリと海中に見えるのだが、これが嬉しい!基本通り、しっかり空気を吸わせて動きが鈍ったのを確認してから、頭からタモ入れしよう。

サナギフカセ釣法のまとめ

今回はサナギ釣法と言うより一般的なウキフカセの話になってしまったが、コマセもタナも基本は底狙い。じっくりとポイントを作って、魚を寄せてやること、何度も反復してエサを送り込みチャンスに備えること、落ち着いてやり取りすること、実にシンプルである。いわゆるポイント釣法とほぼ同じ考えというか、ほぼポイント釣法だ。サナギじゃ食わないんじゃないかと思わずに一度試してもらいたい。

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