日陰に集う男たちの黄昏 ひだ池で秋の底釣り

2020.10.13追記 本記事の関連動画が公開されました。

金曜日、そろそろ兄弟子から連絡が来る頃だと思っていたら、やっぱり来た。土曜日は一日休息して、日曜日のきょう、朝からひだ池に向かった。例会もチラホラ入っていてまずまずの入り。人災で釣れなくなると言うほどでもないギリギリのライン?この日は兄弟子と兄弟子の釣友こと伊那の鮎師さんが五本松で手招きしていた。あれ?旧桟橋でやるって言ってなかったっけ?と思ったが、例会の並びの真後ろになってしまうので場所を変えたとのこと。

ふたりとも底釣りで両グルテンの釣りの支度をしていた。あいさつして、釣座を組み上げる。

「ここは12尺で底が取れる感じです」と兄弟子。12尺は腰が抜けててあまり振りたくないので、素直に10尺でマイペースなメーターセット釣りでもしようかということで準備に入る。

開始直後は苦しい

まずは粒戦を入れないもののボソタイプのバラケで釣り始める。9月のセット釣りよりハリスは長く取り、バラケはボソダンゴタッチ。抜くほどでもないけどできるだけ早いアタリが期待できる感じのセッティングだ。9月は普段やっている新旧浮き桟橋では3分もしないうちに一枚目が釣れることが多かったが、ここは五本松。野釣りをやっているかのようにアタリ出しが遅い。打っても打っても、ウキが動かない。しかし慌てずに早いピッチの打ち返しを止めない。まあ、「寄るの遅すぎないか」とぼやきつつではあるがw

15分ほどでようやくウキが動き出す。あと3投くらいで釣れるだろうと思える動きが出てきた。バラケをほんの気持ちしっかりつけて、タナに届けてやるとチクッと小さく入るアタリを捉える。ようやく一枚。それから尻上がりに釣れるペースが上がっていく。6枚ほど釣った頃、鮎のおっさんが釣っている仕掛けを横目で見ると、底釣りの割にはウキが下の方についていることに気づいた。

「あれっ、底切ってるんですか?」

「いや、これで底ですよ。8尺でもとれるはず」

「あれれ?さっき12尺でちょうどって?あれ?」

抗議の視線を送ったら始まった見苦しい兄弟子の弁解を聞き流しながら10尺での底釣りに移行。今日は気分転換にのびのびやろう。

地獄のカケアガリと地獄の障害物

ちょうど10尺の足元が古い桟橋の残骸が沈んでいるらしく、更にそれに沿ってカケアガリになっているようだ。底取りでめちゃくちゃ苦戦する。まあ振り切ればいいか、と安易に考えてしまった。

で、立て続けに釣れたのがドブガイ3個。ドブガイなめ子に改名するしかない。辛い。

ちなみにエサは共エサで両だんごである。ちょくちょくモツゴやタナゴが釣れてくる。なかなかヘラらしいアタリが引き出せない。そうこうしているうちに兄弟子は本領発揮で釣果を伸ばしていく。気がついたら5枚ほど差をつけられていた。ここで昼食。今日は唐揚げ弁当をとった。

午後も苦しい状況は続く。俺だけ。

じわりじわりと二人に追いつかれ、追い越されていく。底の地形が厳しくて釣りにくすぎる。35%くらいの確率で根がかりしながらの釣りだ。8尺にすればよかったといえばそれまでだが、私にはまだ手がある。しばらくは根性で釣ってやる。そういう意気込みで14時頃をねばり、どうにか20枚。兄弟子は30枚になるかどうかというところ。そんなタイミングに、走らない割にやたら重い魚がかかった。ヘラブナだとは思うが走らない。かといって簡単に水面を割らない。ぬーっと水をなでるように緩慢と浮き上がってきた魚体。鱗のギラツキが只者ではない雰囲気を醸し出す。

「これでけえぞ!」と兄弟子。

一瞬そうかな?と思ったが、やっぱりでかい。あっさりとタモに収まったが、やはりでかいw

ひだ池で自身初の40オーバー計測

現在、ひだ池では大物賞は中断中。魚体保護のためである。そういうこともあり、計測は手早く済ませたい。といっても普段はヘラブナの全長を気にしていないのでハリススケールしか測れるものがない。兄弟子に協力してもらって手早く計測。ちょうど41センチ。

それにしても口がでかい。そして私は太い。

最近ひだ池では「魚が小さくなった」「大きいのが釣れない」という声が聞こえてくる。私は大型ヘラを売りにしていた頃のひだ池を知らないが、40オーバーのヘラブナが決していないわけでなく、釣りにくいだけだと思っていたが、実際に釣れてよかった。ひだ池ではこれを求めて固定桟橋で長尺底釣りを好んでやる人達も実は結構いる。野釣りのスタイルだ。競技志向や浅ダナの釣りだけでなく、野釣り感覚のじっくりとした釣りも楽しめるのがひだ池の良さ。

そして、こうやって釣れると1枚でもめちゃくちゃ充実感を得られる。野釣りをやったような後味だった。もちろん予定通り旧桟橋に入っても楽しめたはずだが、いつもと違う楽しみ方ができてとても満足できた。ここで釣れる魚は魚体が美しいものが多く、三人とも釣ってはその魚体を「小さいのに重い!」「肩がパリッとしているぞ!」「ヒレがきれい!」などと褒め称えるというボディビル大会の応援団みたいなことをやっていた一日だった。

しかし、釣果はまだ足りないwこいつが20枚めである。いつもと違う釣りとはいえちょっとこれは寂しい。このままで帰れるか!!

怒涛の逆転

パリッとした肩と白銀が美しいヘラブナ

そして例会が釣りを終えて解散する時間になり、ヘラブナがどんどん集まってくる。アディショナルタイムを入れてもあと2時間だろう。ここが切り替えのラストチャンス。伝家の宝刀?高速メーターセットの出番!10尺はそのまま、ウキは竹足のPCムクを選ぶ。特に決定的な理由はないがしいて言えば馴染み際がわかりやすいか?

仕掛け変更から2投目でヒット。からの連発、連発!エサ付けの調整の範囲で十分コントロールできるしヒット率も高い。理想的だ。

尻尾の付け根が太いタイプ。重量がある。

一時間であっという間に15枚ほど釣り上げ、アディショナルタイムでややスピードダウンしたが最終的に42枚でエサ切れ&日没で納竿とした。

おかげさまでまた新しい釣友が増えたが、冬場になると長野県からひだ池に集まってくるメンバーや例会もあると言う。これからの出会いがますます楽しみになった。次に行くのはトーナメント予選最終戦かな?

5 thoughts on “日陰に集う男たちの黄昏 ひだ池で秋の底釣り

  • 2020年12月12日 8:58 PM
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    へらの管理釣り場であるにも関わらずタナゴからドブ貝までw多種多様な生き物がいてひだ池は凄いですね~(ノ◕ヮ◕)ノ*.✧もしかして元は三日月湖とか自然の池なのですか?
    それにしてもドブ貝×3は珍プレー過ぎますね(爆)

    底釣りは私も大好きでして、ドブ貝はまだ経験ありませんがw鯉とかマブ、時には亀等の外道が底釣りだと多いのでなかなか困りますが、決まればコンスタントに釣れ続く所や、チクッと入るあの小さなアタリをキメた時の(。・ω´・。)ドヤッ感はたまりませんね…。

    私事ですが、本日も底釣りを楽しんで来まして、自己レコード更新の35を上げたのですが、(今の時期、渋いが出ればデカい)居食いだったのでこれはノーカウントだろうと😭最近居食いが多くてどうも…。太パイプトップの鈍感ウキ使ってるからですかね?余計なアタリをカットしてくれる所は逆に好きなのですが…!

    しかし40越えのへらというのは凄いですねえ(。・о・。)へらも40越えるともはや別の種じゃね?という感じがしますね(๑•∀•๑)

    確かに、サイズが良いのが釣れたのと同じくらい、良い魚体の魚が釣れたときの満足感といったらないですよね。品評会ではないですが😅魚拓取りたいわと(笑)

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    • 2020年12月12日 9:36 PM
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      こんばんは。

      新記録おめでとうございます♪
      そのくらいのサイズが一番釣り味、勢いともに楽しいと思います。居食いでも、正しくハリ掛かりして釣れればとりあえずOKじゃないでしょうか??厳しい人は向こう合わせとか居食いはあかんって言いますけどね。場所や環境にもよりますけど、アタリが識別できないとしたら、やはりトップの抵抗が大きすぎるんだと思います。好みの問題もありますが、PCムクトップでやや深馴染みさせるくらいがわかりやすくていいかと思います。
      ひだ池は魚影も濃くてアタリがうるさいと思われるような場所ですが、最近は流石にアタリも弱く、仲間内ではもっぱらムクトップでもぞっと動くような微妙なのを積極的にとりにいっています。
      ドブガイに関しては、結構普通に浅場で見かけますね。珍しい環境だと思います。川から水を引いて農薬の影響を受けないのが大きいと思います。
      あと、ひだ池はもともと沢だったところに近くの矢作川から水を引いて農業溜池として作られたと思います。国土地理院データベースを調べてみたら、1947年米軍撮影の航空写真にはすでにひだ池が今とほとんど同じ地形で存在しているのが確認できました。ちなみに管理釣り場としてのオープンは1984年からのようです。(ネタになります!改めてこのへんは記事にしたいと思います。ありがとうございます。)

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  • 2020年12月13日 12:58 AM
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    お祝いのお言葉をありがとうございます。゚(>_<)゚。良い魚体のへらでしたが、寒さのせいかサイズの割りには引かなかったのが少し拍子抜けでしたけど😅

    未だへら釣り一年生、もうすぐ二学期の期末テスト?という時期の身なので😅厳寒期の釣りというのを未だ体験したことがありません。なので厳寒期の釣りにおいてウキがどのような反応を示すのか、非常に興味があります。
    あんまり渋くなるようならやはりムクトップのウキも揃えないと、下手するとボウズをくらってしまうかも知れませんね…😔ムクトップのウキは餌の練り加減次第でナジミ方がかなり変わってしまうと聞いており上級者向けのイメージがあるのですが、今後チャレンジしてみようと思います。

    私のテキトーなコメントが今後のブログネタに繋がると言って頂けて恐縮です_(._.)_記事ができるのを楽しみにしております。

    昔のことを調べるのは楽しいですよね。また話が長くなりますが、最近へら竿師の竿春親方について書かれた『魂の火入れ~竿春、へら竿の革命児が伝統を更新する』という本を読みました。竿春氏が保守的な紀州橋本の竿師達の反対を押し退けて合成竿をデビューさせるまでの奮闘の話が本の骨子なのですが、並行してへら釣りの歴史について、関東と関西の違いも含め詳しく書かれており、そこが大変面白かったです。

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    • 2020年12月13日 10:47 PM
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      こんばんは。冬場はどうしても魚の引きも鈍りますね。

      先日の釣行でアタリがわかりにくいと感じたのなら、ぜひムクにトライしてみてください。私も冬場の釣りを連続して続けるのは初めてなので勉強中です。
      (←オモリを背負う・余計な動きを出さない)パイプ>PCムク>グラスムク(オモリ合わせがシビア・弱い力にも大きいストロークを返す⇢)
      という関係性になり、PCムクはグラスムクに比べて振れ幅がマイルドなので、比較的扱いやすいかと思います。ムクトップのウキはたしかにエサの付け方、もみ方でひと目盛りふた目盛りは余裕で変わりますし、例えばグルテンの種類を変えたときは改めてオモリも微調整する必要が出たりします。

      それでも微細な変化をキャッチする必要があるから使うのですね。
      私は夏場でも浅ダナ両ダンゴやセット釣りでPCムクを積極的に使っています。中京地区の傾向というのもあるんですが、湧き気味の魚に煽られつつも小エサをタナに入れなければならず、かといってオモリを背負いすぎるとなじみ際にあたりにくく、さらになじみ際の瞬間に素早く強いアタリを出したいからです。ハリスカッツケになると極端に短いグラスムクとかが破損も少なく便利です。
      リーズナブルで全国的に手に入りやすいところだとリコーの「さみだれ」シリーズは暖季の釣りにとても便利です。今のような冬場は今年発売されたクルージャンのウィンターバージョンで色々やってみようと思います。あの価格で行き届いた設計、極細のトップというのはありがたいです。

      竿春は憧れます。あの竿袋からしてめちゃくちゃかっこいいと思います。いい本を紹介してくださってありがとうございますm(_ _)m

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  • 2020年12月14日 11:04 PM
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    リコーのさみだれシリーズですか。リコーというのは埼玉の企業のようですが、近くの店ではまだ見た記憶がないですね~😅画像検索した限りだとリーズナブルで、デザインも(クラシカルで)良いと思います。
    クルージャンの方は知っています。比較的安く、トップの配色が良いので機能的にはかなり良いウキに思います。個人的にデザインがあまり好きになれないですが…。

    数多く魚を釣ろうとするとウキも多種多様な物が必要になってきますよね。特に宙釣りは難しい…😑タナ作りに失敗するとサーッと魚が消えちゃいますし。。。
    へらウキは本当に奥が深いですよね。ウキを制すものはへら釣りを制す、のではないかと素人ながら思います。

    返信

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