野釣りでどんぎつね乞いの儀式@西濃

野釣りでどんぎつね乞いの儀式@西濃

レッドマンことチョー先生と初めての野釣りである。「こじんまりした、いい池があるんですよ。そこでラーメンやうどんでも作って食べよう」。これはもう行くしかない。

濃尾平野は冬空になってきた。初冬の雨上がり、鉛色の雲、そして東の空だけ明るく真っ赤な朝日が昇ってくる。その朝日を背に受け名神高速を西へ。わけわからん細い道を微妙に迷いつつ、おおよその予定通りに到着。チョー先生はすでに釣り座を構え、タナ取り作業中だった。

ウェルカム朝食&コーヒーをいただき、両グルテンの準備

「朝食を食わずに来てくれ」というので、空腹を我慢しつつやってきたら、お湯を沸かしてコーヒーをいれてくだすった。そしてサンドウィッチ。ごちそうさまです。なんかめちゃくちゃ精神的に豊かになれる。。。コーヒーを飲みながら、今日の釣りの打ち合わせなどする。こういうスローな雰囲気が野釣りの醍醐味だよね、などと話す。

竿は10~12くらいがよさそうだというので、自分は久々に月光柔10を取り出した。予想外によくウキが動くというので、わたグルとグルテン四季を1:1で作る。

投入後すぐにウキが動く。ジャミが元気いっぱいだ。この時期の早朝からこれだけ動く野池。それだけでもうれしくなる。「ヘラしかおらんでええ、ジャミなんか邪魔や」などと無粋なことを言う向きがある。自然を愛する釣り人たるもの、モツゴだろうがマブナだろうがそこに豊かな生態系があることを喜びたいものである。それは管理釣り場でも同じで、箱池ならともかく網で仕切った釣り場ではジャミだらけになるのは当たり前。その中でも本命目指して攻略していくというのはどんな釣りでも同じだ。

チョー先生が早速一枚釣った。銀ピカの小さなヘラブナ。美しい!

自分も続く。

まず釣れたのはオオキンブナ。要するにマブである。完全に冬仕様の明るい体色になっている。釣ったときはへらぶなかなと思ったが、しっぽの付け根の肉付きとその長さ、頭部の前後方向への長さがその決め手。

続いて釣れたのはへらぶな。これも小ぶりであるが、よく走る。浅いのもあるが、魚のパワーが強い。乗った瞬間、尺ありそうだな?と錯覚する。

あとは、延々とモツゴが釣れ続ける。佃煮にしようかと思うレベルで釣れる。不思議とタモロコには遭遇しない。ヘラブナを放っている平地の池にはモツゴも混ざって放されるのか、それとも地域的なものなのか、あるいは競合しているがモツゴのほうが優位にエサにアクセスできる力関係なのか。

なんにしてもグルテン四季の開き方ではモツゴアタックに耐えられずエサもちが悪いので、わたグル単品を試す。餌がある程度抜けてからの粘りに期待すると、これまたカラツンが連発。多分モツゴのアタリなのだが、どっちにしてもアタリ自体が小さいので積極的に試すほかない。

天気は晴れ時々曇り、養老山脈から流れてくる雲が時々太陽を遮るとアタリが遠のくし、寒い。また日が照るとポカポカと暖かく、アタリも復活する。浅場の魚は天気に敏感だね、と。

どんぎつね乞いの儀式

最近ずっと吉岡里穂さん扮する「どんぎつね」のすばらしさについて熱弁しているのだが、あまりにその様子が狂っているので、見かねてか、あるいは洒落た計らいか、「なべ焼きタイプのどん兵衛」をごちそうになった。湯気がだんだんどんぎつねの形に変化して実体化しねえかなあと祈ったが、ダメだった。人生がくすぶっている心が汚い小太りの独身中年にはかくも冷たいが、これが現実である。書いていてキモ過ぎる。それもこれもいろんな物事から逃げてきた結果である。せめて現世で徳を積んで来世に期待したい。

それにしても釣り座のわきで食べる熱々のうどんは最高においしくて心がリッチな体験でした。ありがとうございました。

午後も続けてグルテングルテン

日中は引き続きモツゴラッシュに耐えながら本命のアタリを信じてあわせる作業を繰り返してぽつぽつ釣る、という感じだった。しかし日没が近づくとモツゴの気配が遠のき、明らかにフナ類のさわり中心に変わる。

着底と同時に受け、そして少しなじみこむ。そこでラインテンションを少し抜き、しばし待つ。もぞっと反応したのち、またテンションを張り気味にする。すると元のなじみ込みに達した後少し返し、ウキが上に持ち上がる。ここで半節チクリと入る。すかさず決める。

銀箔色の鮒。頭と口はへらぶなっぽいと思うが全体の体形とおしりから後ろがどうもギンブナ臭い。まあなんでもいい。狙いに狙って、それで釣れれば、何でもうれしい。例会でもトーナメントでもないのだから、おおらかにいこう。

日が暮れていくのが早い。ボウルの水もどんどん冷たくなっていく。あわててこびりついたグルテンをこそぎ落とし片付ける。今年も冬が始まったんだなあと思った。夏のそれよりも青みの強い紫色の夕焼け空が実にエモい。

正直この辺に住みたい。

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