あえて「アメゴ」と書いたのには意味がある。アマゴは地域によってはアメゴと呼ぶが、これは雨が降るとよく釣れることから来ていると言われている。まさに、これまでアマゴ釣りでいい思いをしているのは雨の日である。
結果から言うと午後4時間半の釣りでも良型アマゴが踊り、イワナは顔を見せない珍しい日になった。
「もどりシラメ」を釣りたくて
長良川、馬瀬川、益田川流域あたりでは銀毛アマゴをシラメと呼び、とくに海に降らず銀毛化したまま川を遡上してきたアマゴをもどりシラメと呼ぶ。

これが本流で豊富な餌と水量の中で太ましく育つと、実に釣りごたえもよく見栄えも立派な魚体となる。これに出会いたい。尺アマゴなんて贅沢言わないから。
そんなわけでソロでの釣りではちょこちょこと本流に行くのだが、今年はなんといっても雨が少ない!一番いい時期の5月は渇水で本流はアオミドロが増えまくる始末。こうなるとアマゴどころではない。少しでも水量のあるポイントを回る異なり、谷や渓流での釣りが多かった。
そんな中、恵みの雨予報である。仕事はどうにかするとして、行くしかない、乗るしかない、このビッグウェーブに。
というわけで雑務を片付けてサクッと出発。このフットワークが軽く動けるのは渓流釣りの良いところ。
狙いの本流ポイントでは思ったほどではなく。。。
渇水ではあるが、連続した瀬からのプールへの落ち込みを拾っていけばアマゴが出るだろうと釣り下っていく。最初の一匹は12センチ位のマイクロアマゴだった。その次に対岸の流芯をリュウキ50Sで直撃すると、いいサイズが出た!

さらに瀬を釣りながら下って次のプールを目指す。瀬ではたまにショートバイトがある程度だが重量感に乏しい。やはり渇水が長すぎて微妙な感じだ。

大きなプールをダウンで攻めると一発で出た。これを釣ったら満足してこのポイントから離脱することに。なんたって思ったほど水量が増えておらず、難しい。出ただけマシ、という感じだ。
大きくポイント移動。圧の強い流れが続く好ポイントを流芯KNOCKERでテンポよく
リトル門脇氏とエリート氏(ひだ池社長命名)それぞれをガイドした本流ポイントの下流にあたる、エントリーがまあまあめんどくさい場所をこの日の本命に選んだ。
先行者に釣りきられている確信がなくともここで出なければ諦めよう、と思えるくらいの場所だ。
大きな開き、対岸の流芯と竿抜けが続く。こういう場所をガンガン遠投して攻めていくのが本流ルアーの醍醐味だ。

最初に小さめのアマゴをバラしてしまうがその次の一投でより大きいアマゴがヒット。こういうアタリ方する場所は相当コンディションがいいと思える。この大場所で更に一匹を追加。頬に掛かるとバラシやすいが、最近意識的にやっている「食わせの間での意図的なテンションオフ」からの「乗せ」によっていい感じに刺さってくれている。

祭りは続く!!
大場所を釣り下り、目ぼしいポイントを細かくチェックしつつ進む。さらに巨大なプールに差し掛かる。しっかり増水したら魚がここから登っていくのは容易だが、普段はそこまででもない。というわけでここには間違いなく大量の魚が溜まっていて、その中から浅場の開きに出ているものを狙っていく。

大イワナが出てくれると嬉しいような曲面だが、不思議とこの日はことごとくアマゴである。イワナはその後の増水を予期して居場所を変えたのかもしれない。
ともかくこの大場所で2匹ほど釣ったあと、また入渓点より上流のポイントを攻めるため数百メートルを歩いて戻り、さらに釣り上がっていく。

日も傾きつつあり、ラストチャンスというところで更に2匹ほど追加。

というわけで、雨の恵みをたっぷり満喫して短時間ながら大満足の釣りとなった。本当はガイドしている日にこれくらい活性があれば最高だったのだが。。。渓流釣りを始めた頃からずっと憧れていたアマゴがこれだけ釣れるようになった。本当にチャレンジしてよかったと思った。
基本をきちんと押さえればしっかり釣れる魚の一つであるイワナ、アマゴ。しかしやっぱり運の要素もあって、そのバランスが絶妙だ。天気や先行者などによる影響を読み、一日のシナリオを組み立ててその戦略を試していく。狙いがハマったときはこんな釣果も出る。上達してくると変数を読めるようになっていく。それでもまだ運の要素は残る。これが面白い!