’24シーズンも終わりだと思っていた渓流釣りも、ここにきて出かけることにした。8月下旬といえば、オロロである。オロロが湧く川に入ろうとすれば、たちどころに文字通り雲霞のごとく大量のオロロにたかられ、全身を噛もうと体当りしてくる。あの羽音と高速でローリングしながら数百匹で押し寄せる光景はゾッとする。とても釣りどころではない。
そんな中でも、場所によってはオロロが出ない川もないわけではない。そうした場所を選び、あるいは新たに探しながらの釣りである。
オロロ、渇水、先行客で絞られまくるエントリーポイント
オロロは経験上出やすい谷が決まっている。そうしたところは一度車で林道を軽く流し、チェックしていく。車の排ガスと熱に反応してオロロが車に体当りしてくるから、すぐに分かる。
そうやって、「ああ、やっぱりダメか」と候補の谷を外していくw
そしてここなら、という場所は明らかに釣り客の車が停まっている。やはりオロロと渇水で絞られたポイントで有望な場所に人が押し出されてくる形になるので、密度は上がってしまう。
やむなく候補から次々外していき、入ったことはないがとりあえず誰も見向きもしなさそうな小場所が連続する小さな支流に入ることにした。
やっぱり難しいがなんとかイワナを引きずり出す
減水した渓流の更に支流である。やっぱり水が足りていない。しかし、時折小さなイワナのチェイスが発生するので粘りながら小場所を丹念に探ることに。こういうときは沈下が遅いリュウキ38Sがいい。
100メートルほど進んだ先の、カーブのぶっつけに絡む沈みゴロ石の直下、半径80センチくらいの小さなくぼみでこの日最初のイワナがヒット。

ルアーは着水直後にトゥイッチすると激しく横移動しすぎるくらい、水が少ない。ごく小さくトゥイッチを一発入れて、ここで食うぞというタイミングまでドリフトさせていく。そこで出なかったらようやく小さくトゥイッチを追加する、という具合だ。
またしばらく釣り上がると、大岩のエグレの下から少しいいサイズが出た。

ある程度サイズが有ればこそ、イワナらしいゴツゴツとした野性味あふれる手応えが楽しい。
その先はどうやら水遊びポイントだったらしく、魚っけがまるでない。やむなく退散し、次の策を練ることにした。
変わり果てた懐かしのイワナ癒やし谷に挑戦
その昔、やたらとイワナの魚影が濃い谷があった。数年前の集中豪雨で川自体が形を変えるレベルで崩壊しており、流れも以前と比べてとても平坦になってしまった。ブナの木のオーバーハングに包まれ、落差も大きめなのでイワナの残存量が期待できる川だったが、今では見る影もない。天日にさらされた開けた川になっている。
こういう状況であれば、魚さえいればGW前あたりにいい釣りができそうだが、果たして。
今回は調査を兼ねつつ、逆張りで居残ったイワナを探る為釣り上がることを決意。しかしやっぱり渇水で魚影が薄い。ほとんどチェイスもなく、平瀬はことごとく直射日光にさらされているのでどんどんパスしていく。自分自身が直射日光で暑くてバテ気味だからというのもあるし、2キロほど釣り上がる計画なので時間を掛けていたら熱中症になってしまう。
登り始めて数十メートル、肩からの落ち込みがやや深くなっているところをピンポイントで一匹追加。

居残りがほとんど感じられないが出ればそこそこサイズがある。ここぞという場所でミスキャストしないことを最優先に考えて釣り進む。しかしここからが長かった!できるだけ日陰に入りながら、と思うが、いい場所は日向からのキャストを強いられるケースが多く、ここという場所で2匹ほどバラしてしまう。
それからだんだん体力気力ともに厳しくなってきて、時々水に浸かって休憩しながらゆっくり進むが、油断したら熱中症というか、入口に立っている感すら出てきた。
そろそろ離脱できるポイントが近づいたかという場所で一つ大きな岩がせり出して、その下にしっかりした流れがその岩の足元をすくっていた。ここなら出そうだ、とリュウキ45Sをキャスト。
すると岩下からイワナが飛び出してきたが、ルアーに追いつけず。多分まだ出ると判断し、少し休んで同じコースを通してここという場所でワンピッチ、ツーピッチとワインドさせ、流し込むとゴツンとした手応え!
やった!

よく太ったイワナがヒット。重量感たっぷりの手応えを味わいながら開けた場所に誘導し、ランディング。これで4尾のイワナを釣った。この暑さと渇水なら、まあ納得できるかな、という結果。
その後はもう少し釣り上がってみたが、とにかく暑くてしんどい。携行している炭酸水も、凍らせたお茶も飲み干してしまい、最寄りの離脱ポイントから足早に脱出。汗だくで山を降り、車に戻った。本当に真夏の釣りは無理をしてはいけない。。。