念のために書いておきますがPR記事です。ただ、PRを超越してめちゃくちゃ推したいネタです。
先日、われらがSTARCRAFT主催のTIPSフィッシングセミナー(Technics Improvement Program by Starcraft)が2日間にわたって開催され、大いに盛り上がった。
動画ですべてをお見せすることはできないほど貴重な機会で、ダイジェスト公開を予定している。今回はその前にV1&V2の実釣レポートを先に紹介したい。

参加した人しか見れない特別な時間
今年のTIPSはニシダテツヤ先生、黒河アドバイザーによる片手ダンゴによる数釣り実釣教室で、しかも新作のNSR ASRA MAX V1~3を体験できるというTeam ASRAメンバー限定のスペシャルイベント。しかし今回はそれだけではない。
なんと、ニシダ*黒河実戦形式対決という、NSRの歴史を追ってきたファンならぜひとも見たいスペシャルデモンストレーションが敢行された。
まず、近年ではまず見る機会がないといってもいいニシダテツヤ先生の片手ダンゴを用いた競技スタイルの釣りを目の当たりにできるだけでもレアオブレアなのであるが、それが師弟対決ともなればまた貴重さに拍車がかかるのである。
率直に言って、今回参加した人はかなりお得だったのではないかと。
トーナメントに参加したことがない人にも、その独特でストイックなスタイルを目の当たりにして新鮮に映ったようである。その様子は次回の記事で紹介したい。

Vシリーズを試しながら実釣
2024年秋から発売されたASRA MAXシリーズの新作Vモデル(https://nsr-issen.comから購入できます)。とりわけV1、V2に注目が集まった。1日目はどちらかというと撮影に力を入れていて、合間でいつものASRAMAX F2を繰り出したのだが、2日目には用意されたロッドに余裕があったためニシダ先生から「実際に使ってレポートしてみて」と許しを得てそれぞれ試す機会に恵まれた。
動画でも後日紹介しようと思うが、まだまだストックが山積している(汗)ので、まずはブログで。
まず、前提としてこれらのモデルは市販のかかり釣りロッドよりもかなりしなやかに設計されていて、カイズサイズの数釣りをメインに想定し、組み合わせるラインも1号~1.2号と、かかり釣りとしては細いもの。つまり市販のロッドとは別物、といっていい。
それでいて、40センチ級のチヌ、さらにはヒラメも実際に釣り上げられるという基本性能の高さ。妙なギミックやごまかしなんて一切ない、伝説のかかり釣り師が生業として作っているまじりっけなしの純粋で真面目なロッドなのだ。
それを紹介するにあたって、あらかじめ撮影しておいた動画もチェックしてみたわけだが、当日は風が強かった関係で主観カメラがほとんどで、いまいち伝達しないように思う。まずは本記事でお楽しみいただければと思う。
数少ないサードパーソン視点では「隣来られるとやりづらいやろ~」とニヤニヤしながら御大がゼロ距離に釣り座を置く中、ビビりながら実釣する様子が映っていた。。。w

ASRA MAX V2は競技者の基軸になる一本にして、攻め手の引き出しをぐっと増やす存在
まず前提として持ってもらいたい知識として、VシリーズはFシリーズより基準となる径が細いため、全体に華奢で軽快さが増している。そのため、ざっくりとした変換ではあるが、Vシリーズの番手はFシリーズを1ずつ下げた形でおおむね同様のラインパワーに対応する。V2とはすなわち若干F1寄りのF2級、つまりライン適合は1.2号となり、V1はさらに細いラインに焦点を絞っているので1号を基準に0.8号なんてパターンも想定できよう。
全体的にスリムになった分だけ、アワセの際にはさらに胴寄りの部分でインパクトさせるような設計になった。そして胴でためてじわじわとトルクを吸収していく性質がより顕著になり、そういった特性を理解したうえでのロッドワークがもとめられる。
競技だとそうも言っていられないかもしれないが、慌ててゴリゴリとリーリングするより、延べ竿の釣りのようにしっかり曲げて溜め、たっぷりロッドで浮かせてからおもむろにリーリングに移るようなゆとり幅のあるファイトが最も楽しく感じられる。アタリを出す前からファイトに至るまでFシリーズを超える解像度により、チヌの手ごたえをよりふくよかに、かつダイレクトに感じさせるものになった。特に20センチ前後のチヌの手ごたえが格段に楽しい。まるでチヌの反射的な思考が読めるかのようだ。
ということはつまり、清水港や鳥羽、さらには若狭での夏~冬の走りまでの釣りがより長く、深く楽しめるということでもある。
前方や左右への広角釣法も軽快ながらも適度な張りがあるのでやりやすい。おもりを用いた落とし込みからの誘いなど動かす釣りにもよい。そして誘い上げからのフリーフォール時や、2号おもりがぶら下がっても活性さえあれば乗せられるように追従性がいい。いろんな工夫に答えてくれる仕上がりはF2以上に懐が深いように感じられる。

30センチ級のチヌともなれば、そのやりとりにも適度な緊張感があり、それを楽しみながらその懐の深さをコントロールししながらもやがてチヌの方から参ったと泣きが入るような釣り味が楽しめるはずだ。言うまでもなくF2以来の「小さな魚をより大きく感じさせ、大きい魚を小さく感じさせる」NSRでしか得られない妙味をとことん楽しめる。
今回新しく採用されたグリップもより適度なフィット感で、ストレスなく、かつ手ごたえをよく感じられるなじみの良いものになった。これは実際に使ってみないとわからない点だが、V2の軽快さから得られるフィーリングをあますことなく触感に伝達していると現場でも驚きの声が上がっていた。
V1よりも通常の範囲でセンシティブな釣りを求める状況に広く対応できるセッティングなので、例えばF5、F3あたりをお使いの方、ほかの市販ロッドから初めてNSRを検討される方で上記のような釣り場に出かける機会が多い方への「テクニカル釣法の引き出しを大きく増やす一本」としておすすめしたい。
V2を使うにあたっては、ぜひともそのロッドワークを磨く楽しさとともにありたい。
V1は小型の数釣りでのパフォーマンスに特化。V2以上に高解像度を体感できる
V2がF1寄りのF2のようなフィーリングの新解釈型とするならば、V1はどうだろうか。さらなる繊細さを追求したモデルのため、適合ラインは1号となる。一般販売モデルとしては小型の数釣りが中心となる競技シーンで求められる性能を最も追求したモデルと言える。
当日は時折強烈な横風が吹き、底潮はサシエをなじませるにはやや不安定でテンションを出しづらいという状況で、ダンゴから抜けた後の良いあんばいを保つのが難しい日だった。こういう時にこそ、V2もそうだがV1はよりその真価を発揮するかもしれない。
ラインが1号ということもあるが、使ってみてすぐにV2タックル以上の解像度の高さに驚いた。いや、正確に言えばちょっと違う。V2でもF2で感じた衝撃のように精密な状況把握とコントロールを容易にする点は同じだ。しかし、V1のほうが「よりノイズが少ない」のである。穂先や手元に伝わる風や潮のようなノイズが軽減されており、はっきり言って「えっ」と声が出るほどの違いを感じた。ふたたびV2に持ちかえるとき、そのノイズレスな魅力を手放すことに正直不安を感じたレベルなのである。(だからといってV1がV2の上位互換ということではないので誤解しないように。V2でないと釣りにくいシチュエーション、サイズに応じた釣りやすさの限界というのはあるので、状況に応じた最適なタックルを選べるのが理想という意味。)

NSR界隈では「ゆっくり大きなあたりを表現するようなラインテンションコントロールが肝心」と日ごろから語られている。そうした微調整には鋭い感受性を持った対応で望みたいが、V1は軽量かつ安定感ある改良グリップのバランスが良く、そうした微妙な反応をより逃さぬような繊細なコントロールがやりやすい。穂先を含めてロッドへの表現というパフォーマンスを最大限に発揮するには、それを持つ釣り手側の技量が必要になってくるもので、目下それに取り組んでいるところだが、それがやりやすいのだ。
ダンゴから抜けた後のラインの張り具合が風などによって意図していないドラグをはらんでしまうと修正が利かなくなる(サシエが馴染んでいない=あたりが伝わりにくい=initialテンションに張りなおそうとすればするほど狙いのポイント・馴染み具合から離れていく)が、V1ではラインも細くでき、外圧が減る分だけ適度な冗長性を出しやすい。「あれ?ちょっとテンションが狂いそうだな??」と感じはじめてからでもそーっとなおしてやれば多少修正が利く。もちろんこれは穂先のもたれ具合やラインにかかるテンションがはた目にはほとんど変わらないようなミクロな世界の話で、やはり番手の高いモデルではその限界点がシビアになっていくし※、一般的なロッドではそもそもこういう操作自体が難しい(バットの硬いロッドを用いているアングラーにラインテンションの話をしてもかみ合わないことがあるのはたぶんこの辺に理由がある)。
ゆえに、特にダンゴ釣りで威力を発揮するロッドと感じた。理想的な使い方としては、V1をダンゴに、V2をおもりを使った釣りに、と使い分けたい。
※誤解がないように補足すると、番手によって最適なタックルバランスと狙うサイズとの関係性が合わせられているので、たとえば40センチ級を確実に穫ることをメインに組むならそれ用のパワーとフィーリングがバランスしたセッティングのロッドになる、ということになる。
まさにカイズなど、居食いしたり食いあげたりもしばしば起こるような微妙な反応をみせるような状況において、そのシグナルを察知するにはがぜん正しいイニシャルテンションからのコントロールの重要性が増す。そこでV1のようなきわめてクリアな操作フィールはテンションコントロールの重要性を知っているNSRユーザーや熟練者ならばますますV1は気になる存在になるはずである。
現場で使って驚きと新たな楽しさを見出す
TIPSに参加されたみなさんはベテラン揃いでありつつも普段は大物志向が強く、あまり小型の数釣りをやったことがないという方も多く、これまでのイメージから一変してその奥深さ、魅力を再発見できたという感想が多く見られた。
「技術的な上達をするには数釣りをこなすことも必要」ということで、手段としての数釣りから入るようなきっかけでありつつも、片手ダンゴとエビを駆使して極めて短いスパンでの状況変化への対応を進めていくというゲーム性に純粋な釣りとしての楽しさが感じられた。
また、2日間の状況としては決して簡単に釣れ続くようなコンディションにはなく、そうした一筋縄ではいかない時合いにこそ、NSR ASRA MAX V1 V2を用いていくことでずっと晩秋のかかり釣りが楽しく、またうまくなる可能性を秘めていることも再確認されるような釣行だった。
当日使用されたロッドの多くは早速購入されていった。うらやましいぞ~!

急な冷え込み、強烈な風のなか、遠くからお集まりいただきありがとうございました。
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