一昨年の春、ひだ池でたまたまバッタリと出会った台湾人のお客様。
聞けば、日本旅行のついでにへらぶな釣りをやりたくてウェブサイトを見て見つけてくれたのだそうだ。たまたまその時現れた木村通信氏も巻き込んで三人で楽しく釣りをした。
あれから時間も経ち、たまに思い出すけど元気かな、という感じで連絡もとっていなかったが、先々月あたりにLINEが入った。
「また日本に行くから一緒に釣りをしよう(意訳)」
覚えていてくれたことに正直驚いた。
つたない英語でなんとかやり取りして、当分の間情報交換が盛り上がった。木村通信氏も乗り気だったので、プランを考える。せっかく春先に来日するなら、パワフルなヘラブナを体験してほしい。台湾ではヘラブナの釣り場は3箇所ほどあるが、いずれも水深2メートル前後で、魚も尺に満たないものが多いのだそうだ。となると、やっぱり第一候補はつつじ池だろう。
問題は混雑や水質水温の変化による食い渋りの可能性だったが、いい方に転ぶことに期待した。その三人で話を進めても良かったのだが、こうしたイベント的な釣行にはまたユニークなゲストがいてくれると嬉しいものである。つつじ池に詳しくてホスピタリティある人といえば、へら専科みんなの釣行記でおなじみのSAYO姉さんである。スケジュールを調整するのは簡単ではないが、どうやら当日は来れそうだ、ということに。ということで3人のおじさんプラス女性アングラーという爽やかなパーティー構成で当日集合することになった。
久しぶりに早朝からつつじ池、妙に爽やかな気分で憑き物が落ちたよう
天気も良く、不安定だった気温も上昇傾向。ギリギリ桜に間に合った感じだ。
6時頃到着すると、Bさんはすでに到着していた。お土産交換(どう考えてもいただいたほうが多くなってしまった・・・(汗))をし、今日のプランについて説明する。

特に、台湾の有名な作家さんに特注したというウキを2本もいただいた。
「見てみて、ここに「台日友好」って書いてもらったんだ。字の意味は伝わるかな」
「もちろんわかるよ。台湾、日本のフレンドリーシップだね。素敵なアレンジをしてくれてありがとう」
だいたいこんな感じのやり取り。事前に私の得意な釣り方を聞き出して、浅ダナセットからカッツケ両ダンゴに適したセッティングのウキを設計してもらったのだという。もったいなくて使えないくらいだが、この日はありがたく使わせていただいた。
へらぶな釣りは最近だれかと一緒に出かける機会があるときくらいしかやらなくなってしまったが、いろんなしがらみから開放されたのもあって、たまに出かけてみれば実に気分がいい。ましてや、対岸には桜の花。海外からわざわざ来てくれた仲間に地元の釣り仲間。最高。
程々に手強いコンディションながらも先陣を切ったのはBさん
せっかく来たのなら、豪快なチョーチンセットを楽しんでもらおうということで8尺チョーチンセットのセッティングをお貸しした。

丁寧に組み立てていき、それからもテンポよく釣っていく様子はとてもつつじ池が初めてとは思えない、そしてチョーチン釣りが物理的に難しい台湾から来てしっかり順応しているあたりは、相当な腕前の持ち主だと思った。すばらしい。
SAYOさんは浅ダナ?カッツケ?で8尺のセット釣り。キム通くんは当初9尺チョーチンセットをやっていたが結局15尺、24尺とだんだん竿が長くなっていく…w24尺で対岸の桟橋(無人)の際を直撃する離れ業を見せていたが、これも結局15尺の底釣りに戻して尻上がりに釣果を伸ばしていった。
SAYO姉さんはビシバシと竿を曲げる時間帯もあり、見応えがあった。やっぱりタナは浅いほうがいいのか…?

手強い状況ながら、徐々にアタリが増えていく
ということで全体的に渋いながらもコツコツと伸ばしていく4人。こちらはお昼休憩のタイミングで9尺チョーチンうどんセットに切り替えてじっくりと狙う作戦に切り替えた。

つつじ池といえばアオリが強烈なので記憶を頼りにバラケを硬めにつけて様子を見るが、どうももちすぎるようだ。しばらくそれに気づかずにやっていたらSAYOさんからちょっともちすぎじゃないか、とコメントが入る。どうやらまだ冬っぽい釣り方で早く開くバラケを打たないとだめなようだ。しばらくぶりだとそのへんの感覚を忘れてしまう。

修正していくと、アタリが明らかに増えていった。
3時過ぎまで貴重な時間を満喫。この日は夕方に名古屋に戻らなければならない用事があり、夕方の爆発タイムを味わうことは叶わずお先に失礼することになった。
「これからお客さんが帰っていってどんどん魚が集まってくるよ。めちゃくちゃ楽しい時間になるから、ゆっくり楽しんでいってくださいね」
というニュアンスの英語みたいな言葉で伝えて、握手でお別れ。

Bさん遠路はるばる日本まで、そして我々のことを思い出してくれてありがとう。桜が咲くつつじ池のいい雰囲気の中で一日一緒に釣りができて本当に良かった。
忙しい中日程を合わせてくれていろいろと段取りを世話してくれた木村通信くん、SAYOさんもありがとう。へらぶな釣りには並んで釣りができるという点でコミュニケーションが広がる良さがある。本当に爽やかな一日だった!