P-squad Magazine(旧ドブログ

渓流ルアーロッドにグラスを超おすすめしている

そういえばまだ書いていなかった。渓流ルアーでの釣りをもっと深めるために、もう一度自分の考える釣りに合ったロッドをよくよく考えてみることにしたのだった。

そこで、かねてから「PEラインで魚に負けないパワーと伝達性をもたせた上で、フッキング率を高めるためにはどうすればよいか?」と考えていたところに、グラスロッドという選択肢が浮上した。

そこで比較的手軽に入手できるロッドとしてメジャークラフトの「ファインテール グラスモデル」から、422ULを選択した。今回はグラスロッドを選択した理由とおすすめしたい点について紹介していく。

https://www.majorcraft.co.jp/roditem/13957

ちょっとの長さの違いを熟考して選んだファインテール422UL

実は、38とかなり迷ったのである。使用目的が谷や沢での近距離戦がメインになるからだ。38ULのキャスタビリティや取り回しの良さは動画で非常に魅力的に見えて、たった30センチ程度の長さの差がどれほど大きいものか、実に悩んだ。38は膝くらいの水深に立ち込んだまま水面を叩かず簡単にアンダースローで投げられるのである。これは枝沢やポケットを攻める時に一つの引き出しになる。

結局、ホームグラウンドの益田川や庄川では岩をまたいでアクションさせたり、落差のあるポイントを攻める機会が多いことと、障害物をはさんだファイトによる取り回し重視のバランスを考慮して422ULにしたのだが、これが今のところ正解だったと納得している。大体二万円前後で手に入るというお手軽さも素敵である。

こんな感じの小場所を狙うが、ときには大きな落差のある滝壺から魚を岩越しに抜き上げることもある

なぜ、今グラスロッドなのか?

ファインテールグラスモデルにはUDグラスという素材が使われているのだという。

最新のUDグラスマテリアルはカーボンロッドと見間違うようにシャキッとして超軽量。にもかかわらず、いざルアーをキャストすると、そこはグラスロッド……。しっかりとルアーウェイトを感じながらのスムーズなキャスタビリティ。

更に魚がヒットすると、よどみなく曲がるブランクス。しかも大型魚の引きもしっかり吸収し、無駄に暴れさせることなくランディングすることができます。

https://www.majorcraft.co.jp/roditem/13957

ということで、これは私が渓流ルアーロッドに求める要素そのものではないか!と思ったのである。最近はベイトフィネスロッドのほうが注目される機会が多いが、スピニングモデルにおいてもグラスロッドはもっと広く注目されていいと思う。

まず第一に、グラスロッドはカーボンロッドよりも堅牢で粘り強いというのが、渓流を遡行する時にありがたいということ。うっかりティップを何処かにぶつけてしまったり、不意になにかにルアーを引っ掛けてロッドに急激な負荷がかかるような、ロッド破損のリスクが低い。

実釣においても、ブランクスの特性上ロッド全体がしっかり動いてパワーを受け止めて減衰していくので掛かった魚へショックを返しにくい。つまりバレにくい。バイトした瞬間においても、一瞬の間でロッドが反発しようとする力が小さいため、こちらがフッキングさせようとするモーメントが伝わる前にフックポイントが滑って弾いてしまうということを減らせているように感じる。これはきわめて伸びの少ないPEラインを使った釣りにおいてその弱点を大きく補う。

一番いい角度でフックがより深く貫通するようなタイミングがちょうどロッド特性と合っているように思う。

PE+グラスロッドだと感度を犠牲にするのか??

現代的なタックルであればそもそもショートバイト(と人間側が勝手に思っているやつ)なんぞ十分に手元に伝わってくるし、こちらから積極的に掛けに行く動作が必要な釣り方でもないからショートバイトなるものについて悩む必要も考える必要もない。エリアトラウトのようにペレットをつまみ食いするような弱い反応と違って、ルアーに反応した渓魚は大抵の場合ルアーを吸い込んだり、体当たりして反転するようなインパクトのある動作をするため、仮にロッドに伝わらなくともラインが走る。むしろそれくらいのラインスラックを出しておいてやったほうが弾きにくい。

砂に擦ったりする手応えも十分手元に届く。伝達の鮮明さで言えばたしかにカーボンロッドほどではないが、実用上十分だと思う。

特にイワナは小さくても強く重量感のあるアタリの出し方をするので、それをどっしり受け止められる方が望ましい

わざわざPEラインを使う理由

じゃあナイロン+カーボンロッドと比較してどうよ?という疑問も湧いてくるところだが、それこそつまりカーボンロッドと相性がいいのはナイロンライン、という考え方も成立、というか、そっちのほうがそもそも王道だったよね、という話である。今更論じるほどのことでもない。正直言ってナイロンで十分成立するはずである。

それをわざわざリーダーシステムを組んでまでメインラインにナイロンではなくPEを使いたい、という目的がある。ひとつは、キビキビしたトゥイッチをさせたい。ワンシーズン、あるいはそれ以上長くスプールに巻きっぱなしでも使える耐久性がほしい(ものぐさだ・・・)。短いロッドで不意な大物と狭い距離を戦うために直線強度に絶対の自信がほしい。ルアーをよく沈めるためにフロロカーボンリーダーを長めに取りたい。可能な限りラインを細くすることで短いストロークしか出せないキャスティングでも飛距離を出したい。これだけの理由がある。

これまでカーボンロッドを使ってきて、インターボロンロッドも試してみたが、これがよかった。やはり適度な柔軟性があるほうがキャッチ率が高いのである。同様の理由でグラスロッドも行けるはずと考えるのはごく自然な帰結である。

PE+グラスロッドの実際のフィーリングについて

実際、カーボンロッドと比較してアクションやキャスティングはそれぞれストロークを大きめに必要とする。しかしそんなものはすぐに慣れる。問題は、その特性の違いを理解せずにカーボンロッドと同じように扱い、ルアーが泳がない、と道具のせいにすることである。実際そのへんのまとめ系記事にそのような無責任な記載がちらほらある。

ほんの数センチ、ほんの数%、キビキビと動かす意識でやれば大丈夫だ。心配いらない。

フッキングも同様に、向こう合わせ気味に掛かったところでカーボンロッドよりも気持ちロッドを大きめに曲げに行く感じでバットに荷重を乗せるようにしてやればいい。それで掛かりが悪いならフックが死んでるので交換すべし、である。

デメリットとしては、そうした一連のアクションがやや大きくなるため、疲労度は上がるかもしれない。しかし私はそのデメリットは些細なものだと思っている。単純に遡行で消耗する体力に比べて小さな問題である。当ブログでいつも書いているように、キャスト回数は少なくてもヒット率が高ければそのほうがいいのである。渓流ルアーに関しては、移動距離が釣果と比例するのである。キャスト回数との相関性はまったくないとは言わないが、そこまで高くない。

グラスロッドを曲げるのは楽しい

ずっとロジックを述べてきたので最後に官能的な話題をすると、単純にグラスロッドをぐいーんと曲げて釣るという行為自体が気持ちよくて楽しいのである。

より魚の手応えをふくよかに感じられ、ぐいぐいと締め上げるかのようなロッドの復元力が人間の感覚にハモるかのような気持ちよさを伝えていく。出来事はごく一瞬なのに、長い時間に感じられる良さがある。

若い人はむしろ先入観なく取り入れるかもしれないが、ある意味でバス釣りブーム世代以上の年令になるとグラスロッド=重い、野暮ったい、感度が低いという刷り込みがあるかもしれない。実際、昔のグラスのべ竿や磯竿なんて、ぐにゃんぐにゃんしてしんどかった。

しかしルアーロッドは短いため重さもほとんど気にすることはないし、短いがゆえにキャスト性能のための張りと魚のパワーを受け止めるタメの両立が難しい中、これを両立できるようになった現代のグラスマテリアルは「違いの分かる人は、知っている」じゃないが、使いこなすとまた釣りが一段と奥深く、さらにハイレベルになるだろうと思うのである。

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