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どの釣りでもシンプルにスタートすることの大切さ

今回はヘラブナ釣りをテーマにした話になるが、私はできるだけ自分なりに納得して釣りを組み立てることを心がけている。決して、誰かから教わった餌の配合をそのまま何も考えずに使うことはしない。なぜこうなのか、を理解する作業が必ずセットになる。

釣りの見直しはウェブ屋の検証作業と同じ

へらぶな釣りは同じポイントに一日いて、常に魚を集め続ける釣りだが、刻一刻と状況が変わっていく。これは紀州釣りとかチヌのダンゴ釣りも同じことが言える。あるときは連発して釣れるが、それが続くことはない。続かなくなったときに、何が原因でだめになったのか、を見直す必要がある。特にヘラブナ釣りではその見直すべきポイントはたくさんあるし、見落としがちなので気をつけるようにしている。

で、自分の仕掛けや釣り方がどういう意図のセッティングなのか、がわかっていないと修正ができないのである。

例えばPCの調子が悪いとき、症状を調べて問題の原因を推定していくが、普通はいきなりOSを再インストールしたりはしないだろう。まず状況を観察し、関連する部分を絞り込んで、対処を検討する。それこそ、キーボードにちゃんと通電しているのか、みたいなレベルからである。

切り分けと推定と引き出し

この問題の切り分けと推定の際に引き出しが開けられるかどうか、は重要だ。その引き出しはある程度体系化されているので、餌なのか、ウキなのか、ハリスなのか、チェックすべき点はそれに沿っていけばよいのだが、餌一つとっても考慮すべき項目はいくつもあるため、何をどうすればよいかを導き出すには理解と経験が必要になる。

私はその理解と経験が少ないので、まだ一日を通して安定した釣果を出すのが苦手である。このように小難しい理屈をこねずとも、上手い人は本能的なレベルでこれらの調整を進めていけるのだろう。

最初から複雑なブレンドをする必要はない

餌に関して言えば、最初から周囲に言われるままに色々ブレンドする必要はないと言いたい。まずは単品で、という意見も根強いのでもちろんそれも正しいと思うし、パッケージ裏面に書いてある基本的な組み合わせ、それも2種くらいのものでやってみるのが良いと思う。2種類であるのは、その2種類の特性の違いなら使っていてわかりやすいからだ。感覚がつかめてきたら、必要に応じてカスタマイズしていけばよい。

例えばマルキユーの餌を例にとって、「ダンゴの底釣り夏」を単品で使ったとする。というか単品で十分釣れるのだが、これに「バラケマッハ」を同量ずつさっとかき混ぜて配合した底餌を作るとする。夏は目が細かく、重いしまとまりが強く粘る。一方バラケマッハはバラケとしては重いほうだが、よく膨らみ、当然バラケ性が高い。

これなら、単品と比べてどのような変化があるかわかりやすい。おそらくほとんどの場合、ダンゴの開きが早く、やや軽くなる。寄せる力と食いアタリが出るタイミングが早くなる。そのデメリットとして寄せすぎてウキが落ち着かないとか、上ずってしまうという可能性がある。

それでデメリットのほうが出てしまって釣れなくなった場合、今ある餌の手直しの方向性と次に作る餌の配合を検討することになる。今どんな特性の餌を組み合わせているのか、その結果どんな事が起こっているのかをわかっていれば、じゃあ開きすぎないように少し練ってみるか、次はマッハを減らしてみようか、とかそういう判断ができる。検証作業がシンプルで楽なのだ。「秘伝のレシピ」はその検証作業ができないと、あるいっときしか通用しない餌になりかねない。というか、そんな修正の利かない餌どうなのよ。

考えて使えてない人からのアドバイス

以前、あまりに魚影が濃すぎてセットでバラケがしっかりタナに入らなかったので「セットガン」「とろスイミー」「バラケマッハ」「粒戦」という定番的なバラケに「夏」を振りかける程度に追い足して使っているところ、うしろから爺様に「バラケにそんなもん入れたら釣れるかよ」と野次られたことがある。

まだセット釣りを覚え始めた頃の話だが、その時の自分の意図としては「開きすぎずタナまでもたせて、なおかつ重さがほしい」から夏をふりかけてみたわけだが、結果としてはうまく馴染んで釣れだした。はしゃぐヘラを下に向かせる作用が出た。確かにあまりそういう例をメディアでは見かけなかったし使わない手かもしれない。そう思って、その釣り場の熟練者の方に質問したら、「いや、妥当な判断だと思うよ」。まあ実際釣れるようになったしな、ガハハ。

とろスイミーじゃなくて夏だったのは、粘らせてタナまで守る必要を感じたからである。そもそも初心者にとってセットガンと粒戦はまとまりにくく、とろスイミーも粘ると言っても所詮は粒状である。これらのつなぎで重さがあるものとなると。。。。段差バラケやマッハを入れたらもっと散らばって収拾がつかなくなっただろう。ちなみに今なら、まずは餌付けとか練り方で対処すると思うが、困ったらまたこの手を使うかもしれない。

残念ながらくだんの爺様はなにかの受け売りはできても、自分で考えていないのだろう。ドンマイやで。

最初というのは、初心者という意味と、その日のスタートの両方の意味がある

今も私は釣り始めで作る餌は極力シンプルを心がけている。2年ブランクがあるのでなおさらである。例えば浅ダナ両ダンゴで通すなら、ガッテン+凄麩からスタートする。よりゆっくり沈ませたいと思ったら、次はガッテンをやめて浅ダナ一本に切り替える。もたなかったらBBフラッシュを気持ち入れる。最近だとカルネバを使うのかな?私はまだ使ったことがない。

この辺をまとめてチャートにしたものを昔エクセルで作ったんだが、どっか行った。

で、今年のパターンでは、魚が寄ってきて粘りが欲しくなったらグルテンダンゴを追加した餌に切り替えるし、途中でも追い足しで使っている。野釣りだったらガッテン+凄麩+マッハでスタートするが、これはだいたい大きく変更しなくても通せたりする。

自分が自分の釣りを組み立てられるようにしておくことはデータ収集的にも重要

一日を通した釣りで、徐々に状況にあった釣り方に近づけていくには、課題の切り分けと推定が大事だとさっき書いた。今使っている餌がどんな特性のパーツで構成されていて、今足りていない要素は何か、不要な要素は何か、を推定していく作業を邪魔する要素は少ないほうがいい。

で、うまくできたこと、間違えたことをまた次に生かしていけば徐々に経験値が増えていく。しかしそのうちなんとなく、になってしまって迷路に入る時が来る。そういう時に軌道修正するには、自分のやってきたことを振り返り検証する目と、自分で信じられる引き出しを持つことだと思う。振り返ったときによくわからない、ということではそこで止まってしまうだろう。

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