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3週連続でNSRの猛者に随伴した感想 あと年無し釣った

まず1週目ね、これは三重県の鵜方浜釣センター西尾渡船でミニ交流会兼釣行会を取材ということで、鹿まみれの山道を越えて行ってきた。天気はずっと悪くて、雨の中撮影を敢行。初日はほとんど歓談なのと、小さな筏に5人乗ったためほとんど釣果らしい釣果はなし。それでもニシダさん黒河さんはじめエキスパートな方々は「洗練されたかかり釣り」の片鱗を見せてくださって撮影は大いにはかどった。

2日目はニシダさん黒河さんと同乗し、トシミツさんとイノさんは前日と同じ筏でガチ釣り。そちらの撮影ができなかったのはちょっと残念ではあったが、水潮、風、筏のズレという釣りづらい状況下でもヌカ砂ダンゴをうまくコントロールして徐々にチヌを引き寄せていく二人の様子を撮影。その合間に自分でも釣りをしてみたが、初日はキビレ一枚、多分チヌを一枚バラし。二日目はASRAをお借りしてアイゴらしき魚をバラすだけで終了。手付きもぎこちなく、まあ借り物なので余計にビビってそうなってしまうのだが、どんくさい釣りをしてしまった。

そしてその2週後に例の化け物ポイントへの遠征が予定されたのだが、その前に急遽はやし渡船に行く機会があり、鵜方浜の翌週は同じく天候の悪い若狭本郷へ。はやし渡船といえば7月にチヌボーズを食らって悔しい思いをしたが、前々回の記事にも書いたとおりあっさりと46センチのチヌを釣り上げ、中小型中心の時合の中で雪辱を果たした。なお自己最大寸を1センチ更新。

ということで連日釣ったチヌを友人宅に持ち込んでふるまい、いい加減うざがられそうだなというタイミングで例の遠征である。そこで年無しを釣ってしまう。あまりにトントン拍子過ぎて話ができすぎている。

このタイミングで自分の釣りスタイルと想定される釣り場にあわせてニシダさんからASRA 160D1を拝領。前日夜に黒河さんに合流し、「世界ふしぎ発見のレポーターがよく砂漠でとんでもねえ時間車移動してるよね」くらいの時間の移動をし、現地着。黒河先生体力どうなってんの、タフすぎる。。。。

そんな晩夏の朝から物語は始まる。

ニシダさんのマンツーマンレッスンを受けつつ

ダンゴは相変わらずヌカと砂に少々の粗びきさなぎを混ぜたもの。大物が出るということで2.5号のラインで挑む。ここはきれいで大きいイトヨリが釣れるポイントなので、実はそっちも楽しみにしているのだ。

まずよくわからんハゼが釣れたりした後、オキアミを抑え込んだのはタイ。色めちゃきれい!そしてよく引いた。ぐいぐい曲がるD1を満足そうに眺めながらニシダさんから「巻かないときはハンドルから手を離して、ロッド角度を保持して」とアドバイスが飛ぶ。

ちょっとずつ矯正ができてきたかな?

「あれやね、やっぱり見てるとフカセ釣り師の竿さばきですね」

「なるほど、たしかにそうかも知れないですね」

フカセのときはレバーブレーキリールなので、瞬間的にブレーキを緩めてやることで道糸を送り出しつつロッドを立て直すが、そのときは体幹に余裕さえあればハンドルに指をかけたままでよい。(2021.9.8訂正 記憶違いでした。レバーブレーキリリース時は普通に手はハンドルから離してます。)しかしかかり釣りのリールはハンドルとスプールが一体状態なので、魚が突進してしまった際に瞬間的に糸を送ることができずばらしの原因になるのだという。ちゃんと切り替えないとね。

その後、重量感あるファイトだがやけに横走する魚がヒット。大きめのタイ?

尺超えのグレでした。顔つきが普段地元方面で釣ってるやつよりマジ感あるな。めちゃんこ強そうだし、色もきれい。刺し身で食べたいけど初日なのでやむなくお引取り願う。

それから正午にかけて潮止まりからの下げ潮、午後の干潮に至ると魚影も薄くなりあたりが遠のく。小さなイトヨリがポツポツ釣れるくらいで終了。

2日目はドラマティックでトロピカルな日

2日めも同じカセに乗り、オキアミの落とし込みからスタート。しばらくやっていると、何かをスレっぽい感じでかけてしまう。こいつが例のモンスターコブダイ!!!

「うおおおおおおおおお!!!でたああああ!!!」

ロッドを立てても全然浮かない。必死で指ドラグを極めるがジリジリと糸が無情にも引きずり出されていく。てか指痛え。あんまりむりしたら怪我するんじゃないか。スピードは大したことないけど、圧倒的にパワーが有る。加速させたら一巻の終わり、と必死にスプールを押さえるが、カセの下に入り込んでいったところで針が外れ素バリになった。ラインブレイクではないので、やはりスレがかりでどうやっても取れないパターンだったのだと思う。

でもD1ということでDモデル中最もスリムなタイプのロッドであるにも関わらず、ロッドがのされて終了、みたいな感じでも、ましてや折れるような感じもなかった。NSRすげえ。

だからばらしてしまったが私は実に落ち着いていた。「あれはスレだししゃーないね」くらいの。

その後、仕切り直すがやはり潮止まりは釣れない。しばらく仮眠してから、40センチ超のイラが釣れたり、チャリコが釣れたりした。

そしてダンゴ別うちのオキアミ落とし込みで良型イトヨリゲット!買うと高いぞ、ということで丁重に活け締めしクーラーへ。しばらくするとまた釣れなくなってきたので、ニシダさんの提案でアジ釣りツアーへ。カセからボートに乗り換え、アジの釣れるポイントを回るが、ちびイトヨリしか釣れない。各所回って、最後にここ見ておこうか、というポイントでまた大型イトヨリを釣り上げる。

そして、またイトヨリかな、という感じで押さえ込んできた穂先に合わせを入れると、鯛っぽい手応え。真鯛の40センチ弱くらいかな?などと言いつつファイトしているとやがてニシダさんが「いや、これチヌでしょ?でっかいチヌやと思うけどなあ」。自分の感覚としてはそうかな?という感じで巻き上げにかかる。なんやかんやで結局ASRAが優秀すぎて手応えに危機感がないのである。

ところが魚影が見えた瞬間赤黒くギラリと光る大チヌの姿が!途端に反転して海中に突っ込んでいく。

「えっ!?でかっ!!」

「ほらね、言うたでしょ~」

流石に糸を送り、ロッド角度を立て直し、慎重に浮かせる。浮いてしまってからのランディングでもたつかないのもASRAの強みか。魚が暴れない。

そうして仕留めたのが表題の画像のチヌである。51.5cm。メジャー計測もしてもらったがそれはデータが先方に有るので、いつか公開されるんじゃないかと思ってるwこの海域のチヌは育ちが早いらしく、見た目も40センチ台のような若さを感じるが、間違いなく50センチは超えていた。なお、オキアミの落とし込みでヒットという実にあっけないパターンだった。

と言っても、このチヌはニシダさん、黒河さんにあらゆるサポートを受けて釣らせていただいたものなので、そこは間違っても「俺の腕だぜ~」などと勘違いしないようにしたいと思う。ありがとうございました。

そして痛恨の極みだったのは、「アジ釣りに行く」というからカメラのバッテリーを持っていかなかったことだ。年無ヒットシーンの動画がないwwwwwどんな状況であれカメラ周りは万全にしなければ。

そして太陽を背にしたポジションにポイントを変え、夕方の時合にかけて周辺の魚っけが増していき、エサ取りも活発に。イトヨリ、真鯛、カワハギが釣れるが、その後モンスターは姿を表すことはなかった。自分のこれまでの釣り人生の中で最良の釣りをさせてもらえて本当に満たされた一日だった。ニシダさん、黒河さん、本当にありがとうございました。

真鯛、カワハギ、イトヨリは自宅の食卓を飾り、例の年無しチヌは「ひだ池」の関係者に振る舞った。

「こんなでかいチヌそんな旨くないやろ~…え?めっちゃうま!!」

というノリツッコミで場が湧いたので差し上げたこちらとしても嬉しい限り。

3週連続で随伴した感想

巷で言うところのかかり釣りメソッドには迷信や明らかな間違いも結構あるんだな、というのを再確認。というのも、メディアやちまたで言われている要素は複雑過ぎ、かかり釣り初心者を迷宮に誘い込んでしまう現象がある一方で、糠と砂で作ったダンゴにオキアミを混ぜたり混ぜなかったりする程度でチヌは普通に釣れるし、盛期に一日やっていれば全くチヌがいないなんてことは考えにくい。

勝手に書くわけにはいかないからここでは書かないけど、釣れる理由と釣れない理由が整然としているのがNSR流の凄さである。

書いても良さそうな部分(動画で公開されている部分)だけちらっと書くと、まず、釣れる釣れないはダンゴの集魚力とは関係ない。ダンゴの握り回数でコントロールは難しいという初心者の感想は正しいからできるだけ一定の力で握りつつダンゴの「締まり具合」を手で感じながら調整する、ダンゴとチヌの距離感を掴む、このへんだ。となると、ダンゴに混ぜる集魚材で悩む必要はもはやないということになる。

これだけでもチヌを筏で釣ったことがない初心者は救われるのではないだろうか。

そして、必要さえあればおもりを付けたり変えたりを頻繁に行うのも印象的だった。ダンゴも、人が言うように20キロも使い切るなんてことは(今回に限っては)なかった。「打たなさすぎても釣れないけど、打ちすぎたらどうしようもない」。とにかくダンゴを何個もばらまけばいいというものではないというのは間違いなさそうだ。

そしてこれも動画でよく言われているが、ラインテンションを一定に保つこと。それも、普通に馴染んで張ったときに穂先が入る具合を「イニシャルテンション」とし、それを把握してそのイニシャルテンションを基準に張るのか、緩めるのかを足し引きしてやる。一般的な釣り方は緩めすぎているからアタリが小さかったりわかりにくいのだ、という。

面白かったのは、イニシャルテンションは水深で大きく変化するということだった。これは水深15メートルと水深45メートルで同じ仕掛けで試してよくわかった。得難い経験をさせてもらえた。

かかり釣りは難しいという人は多い。私もその一人だ。しかしニシダさんを筆頭にNSR愛用者は「奥は深いけど、みんなが思っているよりはずっと簡単だ」という。一体誰がこんなに難しくしてしまったんだろうね?

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