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7年ぶりにスッカスカの渓流に行ってイワナを引き出す

友達の嫁さんに「お前はいい加減真面目に婚活しろ」としつこく言われていたのも今は昔。おすすめに出てきたYou Tube動画で「モテたかったら人の多いところに行け、女子の多い場所に出向け、女子の多い趣味に参加しろ」などとやっていたので熟考して出た結論が、人里離れた深緑の渓谷である。

もはや人もおらん逆行ぶり。

尾張のマイルドヤンキー、謎のデザインのサンダルに緑色に染めたロングヘアーで話題の中心はイオンモールとスパ銭、ガハハと豪快に笑う友達のやばい嫁さんに「やる気あんのかてめー」などとなじられるだろうが、そんなことはどうでもいい。

ご存じの方も居ると思うが今年1月からダイエットを始め、ここ2ヶ月は横ばいとはいえ13キロ超の減量に成功し、筋力も20代の頃と同等かそれ以上になっている。太って体力も落ち、遡行がしんどくなったり岩を越えるのがどんくさくなって転倒し、リールを破損してやる気を失いやめてしまっていた渓流ルアー釣りをこの度再開することにした。

かかり釣りもいいと思ったが、台風による影響で海はちょっと出かけにくい、でもストレス溜まっててなんかやらなきゃ、という感じのときに思い立った。続けるかわからないから、とりあえず安価なウェーダーを買い、リールも新調した。

リールはどうせぶつけて壊したりもしそうだし、そこまで高級なものはいらない。それに、また渓流にハマったらサブ機にすればよいと考え、個人的に十分以上の性能だと考えている台湾メーカーokumaのリール「ITX 2500」を選んだ。7000円くらい。確かに細かなところのツメが甘いと言うか、そこはダイワやシマノよりストレスがある部分がないわけではないが、当面はこれでよいだろう。

いずれにしても、渓流に行く頻度が上がった場合なにかしら物欲も湧くだろうし。

夜中の飛騨路を疾走、せせらぎの音が聞こえる場所で仮眠

以前渓流に通い詰めていた頃はMT5足のスバルサンバーディアスを操っていた。渓流にやけに似合う車だったが、やはり行き帰りは流れの早い山道を走るのはなかなかしんどかったんだなあ、というのを今回実感した。

インプレッサスポーツは殊更にカーブでの安定性が高く、信号もほとんどない道なので淡々とクルコンを併用して北上、楽で仕方ない。やっぱり買ってよかった。

川の近くのパーキングで2時間ほど仮眠した。夏場なので当然熟睡はできないが、明るくなってきたころに目が覚め、おもむろにスマホを取り出す。しばらく渓流に行かない間に、結構な数の漁協がオンラインで鑑札を購入するサービスを取り入れていた。便利な世の中だなあなどと思いつつ、当日の鑑札を購入。

ここ数年は仕事の絡みもあって渡船や管理釣り場での釣りが多かった。釣りをするにも一定の社会性が求められるというか、まあ渡船だったら時間までに現地について、荷物運んだり挨拶したり、というプロセスがある。渓流の場合、なんとなく出かけて、なんとなく寝て、なんとなく起きて、なんとなく場所を決めて、と、全てが「なんとなく」自分の意志で決まっていく。この感覚はしばらく感じていなかったので新鮮だった。自由だ!

「釣れるかなあ、もうだいぶ魚いないだろうけど。まあ釣れても釣れなくてもいいやな。1時間位でやめちゃってもいいし」

と独り言。

まあ無理だろうなと思いつつ、初めて渓流釣りにチャレンジした日に来た里川の成魚放流ポイントにミノーを流す。

やっぱりだめ。

8月となると、あの谷とか、その谷に行かないと話にならないよな、と過去の記憶を頼りに林道を登っていくことにした。

オロロの襲撃!!

なんとなく予想はしていたが、やっぱりだめだった。

ここは期待できるかな、という谷沿いの林道に車を止め、朝食。味噌汁を飲もうとお湯を沸かし、現代の科学技術に感謝しながら西友のカップ豚汁を味わっていたところ、出るわ出るわ、オロロが。

黒い高速飛翔体が続々と増えていく。さらに匂いを嗅ぎつけたか、スズメバチまでやってきた。危険がデンジャー極まりない。死ぬw

とりあえず片付けはあとにして、最低限のものを車に放り入れ、我が身も運転席に避難。CO2に反応するというオロロはその数をどんどん増やし、200匹以上はいるだろう。車を取り囲み、時々体当たりまでしてくる音がコンコンと響く。これでは暑くてもエアコンは使えない。いなくなるまでじっと耐えるしかない。恐怖映画みたいだ。

クーラーボックスや食べ物は外に置いたままである。これを回収しないことには離脱もできない。

それで10分ほど静かにしていたのに、数は増え続ける。

困り果てて、そういえばと、帽子につけてあるオニヤンマ型のデコイをダッシュボードに置いてみた。ダメ元である。オロロも馬鹿な虫だから、ガラスの向こうであっても恐怖を感じるに違いない、などと考えた。それでもダメ元ではある。

驚くほど静かになる、オニヤンマくんすごくね??

3分くらい放置していると、オロロが徐々にいなくなっていく。あれ?マジで?

更に数分待つと、もはや静けさを取り戻し、オロロに恐怖することなく荷物を回収することができた。オニヤンマくんめっちゃすごい!これはてきめん!動画も撮ったから、後日公開する。

数少ない候補から次のポイントを探す

それでもその川は無理だろうということで諦め、別の谷にアタックすることにした。が、そこは先行者あり。この漁協管内は谷、支流が少なく、また落差が大きく険しいため、ガチ勢でもなければ夏場はポイント探しに苦労する。

ここでだめなら大移動だな、という谷に入り、釣り上がり開始。黒光りするスプーンでアップクロス中心に細かくやっていく。

予想していたが、全然魚の気配がない。めげずに遡上しながらキャストを繰り返していく。減衰しているからポイントも少ないし、流せる距離が短い。自ずと狙い所は限定され、チャンスは少ないのである。

そんな中、200メートルほど進んだポイントでようやくヒット!向こう合わせで懐かしい、グネグネとした手応えが乗ってくる。やったー!ボウズのがれ!

ひっさしぶり!

この日の最長寸だが、まあこの程度のサイズ。枯れちゃってるね。でも、嬉しい一匹。8月になるとかなりしんどい釣りになる釣り場なので、出てくれただけで嬉しい。

さらに谷深く、釣り上がっていくと、またひとつ小さいイワナがスプーンにアタックしてくれた。

数少ないチェイスのなかで釣りきった感あり

この2匹目でこの日の釣果は終わりである。

それから1キロほど登ったが、ことごとく魚っ気がなく、またルアーを通して成立しそうなポイントにも乏しく、更に登っていくと帰り道の水分補給にも不安があったので引き上げることにした。釣りとしてはすでに満足してしまった。若い頃は更に3箇所位回っておかないと気がすまなかったのだがw

実釣3時間に満たないようなコンパクトな釣行だったが、次の川に行くかどうか考えてボーッとしていたら不注意で穂先を折ってしまったので強制終了。直せる範囲なので良しとするけど。

気を取り直して、昼めっしゃー

河原でなんか作って食うぞ、一人で。

けいちゃんピリ辛味噌にカット野菜

久々に登場のSOTOアミカス先生。ボンベの車内放置は危険なので移動、釣行時はクーラーボックスに入れてあるのでヒエヒエだが、問題なく使えた。

もっと評価されるべき岐阜県民のソウルフードであるけいちゃんを野菜で炒める。ちょうどスーパーで売っているカット野菜一袋分がいい塩梅の分量である。けいちゃんも冷凍して売られているが、食べる頃にはクーラーボックスの中で自然解凍されているのでちょうどいい。

楽ちんすぎるw

これを加熱するだけでランチの完成である。らく。お湯も沸かしてあるので、例によってカップ味噌汁を作る。

残った調味料と野菜で焼きそば

少し肉、野菜を残しておき、残ったタレで焼きそばを作る。創味シャンタンと塩コショウを適量加えて、麺に少し焼き目をつけて食べるとうまい。

食後しばらく椅子に腰掛けたままボーッとする。ぼーっと川を眺める。

しばらくそのままいたかったが、また蜂がたかってきたので撤収。良く見たら近くにあるわ、まん丸い、邪悪な塊がw

まあ、いいや。明るいうちに帰ろう。

ほぼ無職で鬱屈していた頃に通い詰めた思い出の川と道

20代の頃、夢に見るくらいアマゴやイワナに没頭していて、解禁が待ち遠しかった。いろいろと駄目になってしまった人生の一時期を救われた記憶が蘇る。ちゃんと社会復帰できるのかな、結婚とかできるのかな、鬱は治るのかな、などと思いながら、減り続ける貯金で買ったルアーを投げていた。

一応ほそぼそ働いてはいたのだが、染み付いた負け犬根性のまま、明らかに不利な条件で請負として働かされたり、未来のない仕事にコミットしてしまう悪循環で未来がみえなかった。35歳位からようやくそれらを振り切って次のチャレンジをするんだ、と思えるようになったが。。。

それから5年、40歳になって、色々考えた結果結婚はしなかったし色々問題は残ったままだけど、鬱状態になる頻度はかなり減ったし、人間関係も大きく広がったし、身体にガタは来たけどそれをきっかけに肉体改造しているし、仕事は当時諦めざるを得なかったものを取り戻したどころか、むしろ当時よりもダイレクトにやりたいことやらせてもらえるし、ちょっと釣り業界の発展に寄与できているし、良く立ち直ったな、うん。

メンタルも、思考も、大きく改善したと思う。出会ってきたいろんな人達のおかげだよなあ。

ところで、先日会員向けに先行発売したSTARCRAFTの”X”treme IKADAだけど

1.2号が6ポンド前後の強度を持つので、ちょうど渓流ルアーのリーダーに最適な気がする。使ってみようかな。

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