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筏に乗って全く魚っ気がない日をどうやって耐えるか

先日YBTNと年内最後の筏と、あるメジャーポイントに出かけたのだが、全くもって予測が外れてエサ取りすら乏しい厳しい釣りになってしまった。こんなはずでは…!

前後の日取りは悪くない釣果情報が出ているのに、この日に限って他の筏でもチヌが一枚でたか、あるいは完封か、というバラツキがあり、出ても一枚という日。誰に聞いても、「朝以外は全く反応がなかった」という。天気だけはめちゃくちゃ良かった。

こんな日に初心者が筏に乗ると、全く手がかりが得られないまま一日を過ごすことになり、なぜ釣れなかったのかを悩むことになる。以前の私もそうだったが、こういうときに「変な方向に悩まない」ための釣り方、検討すべき事項とそうでない事項の切り分けをしておくと迷走せずに済む。こういう日に当たってしまってもなぜなぜと悩むことはない。やることはやったんだから仕方ないね、また今度頑張ろうと朗らかに帰り道につくことが大事だ。折角の休日なんだから。

ダンゴのせいにするな。集魚力の濃薄は素材ではなく混ぜものでコントロール

初心者が、あるいは解像度の低い釣りを続けているベテランが、よく陥っているのは「ダンゴのレシピ」に問題を見出そうとする姿勢である。〇〇をもっと配合したほうがいいんじゃないか、みたいなあれである。

いやいや、NSDでOKです。糠、砂をベースに、お好みで粗挽きサナギとか麦、集魚属性としてオキアミ、コーン、サナギ、シラサエビ、アミエビをその状況に合わせて足したり引いたりで魚は十分寄る実感がある。

そもそもアミエビまで繰り出してもエサ取りが全くとりつかないような日なら、もうこれは仕方ない。ちーん。シラサエビ、アミエビ、カキ、ボケのような生餌素材より強烈な集魚力のある加工素材があるとしたらそれは一体なんだろうか。

そもそもダンゴはサシエを底まで届けて、エサ取りから保護する目的である。さらに言えばおもりを使っての落とし込みより繊細にアタリが読め、おもりが邪魔しないぶん積極策でヒットさせやすい利点がある。ダンゴで釣ったほうが簡単な状況があるからダンゴを使うのだ。

さて、そのダンゴの配合レシピで悩むとしたら、集魚力よりも扱いやすさ、抜けるまでの時間コントロールの最適化だろう。

神のお告げがもらえるラッキーな立場だから随分得している・・・

実は、釣行時、NSRの生みの親、かかり釣りの最先端を突っ走ったニシダテツヤさんから直接アドバイスを頂くことがある。これはその意味をわかっている人からしたら、ものすごく贅沢なことである。この記事に書いていることもそうした指導から学んだことのまとめである。

さて、そのアドバイスとは、釣れるときより釣れないときのほうが初心者としては示唆に富んでいる。

春先の、出るかどうかはその日次第、みたいなシチュエーションでも、先日のようなシチュエーションでも、得られたアドバイスは持久戦としての組み立てだった。詳細をそのまま書くのは仁義に反する気がするので割愛。

釣れないときこそピンポイントを崩さず、時合でスパートを掛ける準備を続ける

釣れない日の釣りは往々にして淡々と、ダンゴは定点射撃を続け、時々落とし込みや広角を織り交ぜる。どうやっても筏は動くし、潮もあるから多少拡散はするが、それを可能な限り抑えに行く。その傍ら、落とし込みや広角で周囲も含めて探っていき、観測する。ちょうどレーダーのようなイメージでいる。潮下は特に少し送り込んだり遠目を狙って(ど下手なのでうまく飛ばせていないが)探っていく。

慌てず、常に静かに仕掛けながら、その時が来るのを信じて耐える、というイメージを持つ。

それでも全く駄目な状況というのはある。潮が止まっている時間が長かったり、緩慢すぎたりしてエサ取りの気配もない。そんなときは午後に備えて休憩できるときに思いっきり休憩する。大体夜討ち朝駆けなので、しっかり寝てしまう。

予想される時合が2~3時なら、1時頃には集中モードに戻りたい。

待ってたぜ、この”瞬間”をヨォ…!

明らかにチヌが足元に取りついたときはここぞを釣り逃さないためのアプローチに切り替える。シラサエビを使っている日ならしっかりエビを抱き込んだダンゴを一発入れて、そうでない日ならオキアミを濃くしたダンゴ。その日のエサ取りの状況で食いの良い餌をサシエにするが、次の一投で釣るぞという状況にはだいたいオキアミかシラサエビ。ボケもいい。つまりチヌがダンゴに執着する状況を作ることに成功しているので、餌持ちとかよりも勝負の速さを重視する。エサ取り云々についてはダンゴをしっかり作ることは変えず、サシエをどれくらいの深さに埋めるかで調節する。

まあ、この日はそんな瞬間は来なかったんだけど。

気配ってどうやってわかるの?という話

一番確実なのはダンゴアタリ。ダンゴに対して鋭くゴツゴツとドツキ回すような反応が出たら身構えて、あわよくばそのまま食わせる。そして次の一投での勝負、ダンゴの大きさ、硬さ、サシエの選択を考え出す。

問題は、こうしたシグナルが全く無いまま時間が過ぎていくこと。。。w

まあ、この日は(ry

帰着時に周囲の釣果と感想をチェックしよう

残念ながら空振ってしまいました。はい、帰りましょう。

というときも、周囲の筏に乗った他のお客さんへの聞き込みや釣果確認はお疲れ様ですの声掛けがてら、それとなく行っておきたい。可能なら、スカリに入っている魚の量と種類も見させてもらえるといい。自分だけ釣れなかったからと言ってむくれてそそくさと帰るのはもったいない。

ここでスカリにチヌが入っている人が少なかったり、入っていても1枚2枚で全体的に差が少ないなら、ある意味で仕方がない日だったとも言える。問題は、自分たち以外が軒並み3枚以上釣っているような日だ。これは流石に自省要素が多いと思われる。基礎的なことが身についていないか、やっちゃいけないことをやってしまっている。

また、チヌ以外の魚も持ち帰る人がどんな魚を入れているかを見たり、どんなエサ取りがいたかを聞いておくのも重要だと思う。「エサ取りもおらんかった」という話なら、シビアな日だったと考えて、やることはやったと言える。餌取りだらけだったという感想を得たなら、自分たちだけエサ取りがいないならもっと積極的なダンゴ使いが必要だったかもしれないし、自分たちも餌取りだらけだったら、エサ取りに翻弄されるだけで一日が終わっていないかを振り返りたい。

一回の釣行で顧みることと、年間を通した釣行で顧みることを切り分ける

マクロとミクロである。

年間を通しての安定感を出す意識があれば、たまたまの一度が駄目な日でもがっかりすることはない。年間何回かあるいいチャンスを逃さずしっかり釣りきれるか、をしっかり磨いていきたい。

そのためにも、雑なダンゴ撃ちまくりなどは控えて、丁寧に、かつメリハリのある組み立てを忘れないようにしたい。

何より大事なのは、ダンゴを空中分解させないこと、エサ取りトルネードを誘発しないこと、時合を読み間違えて変なタイミングで力値来ないこと、という基本的なこと。

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