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奥深い餌づくり、gyottosaiはこうやってる【セット編】

セット釣りは難しいからよおやらんわ、という声が後ろから聞こえてくることが結構あるのだが、それって実は結構「ウドンという食わせエサ単体が捕食対象でないというメンタル的な不安」だったりはしないだろうか。

食い渋り対策だがやり方を間違えるとアタリが出なくなり時合いが崩壊してしまう?

ある程度魚が多い釣り場で、食い渋ってきたらセット釣りが安定しやすいというのはよく言われることだが、そうは言ってもバランスを崩してしまうと何がダメで釣れないのかわからなくなって、的外れな対策をするたびにどんどん水中の状況が崩れていくという悪循環にはまってしまう。

「何がダメで釣れなくなったかを判断できない」から、何をやったらいいかわからないし、検討すべき要素が多くてウキの動きをコントロールしきれない、ということになる。バラケか、食わせか、ハリスか、深さか、しかもそれぞれいくつかの方向で調整する余地がある要素なので混乱してしまいやすい。以前は筆者も苦手な釣り方だったが、ある人に教わってからは、その辺はもっとシンプルに考えるようになった。ハリスも結構いじるし、ハリの種類も結構切り替えていくが、それはバラケが安心して使える、ということが前提になるのではなかろうか。

筆者的には、バラケは大まかに、ボソっとしたもの、ダンゴのように練りこんだものの二パターンのいずれかからスタートして、状況をみていじっていけばいいのではないかと思う。

なにはともあれ凄麩がベース これにブレンドでキャラ付けをしていく

なお、筆者のバラケエサの基本は凄麩とセットガンもしくはバラケマッハがベースの組み合わせで、これは餌付けのしやすさ、いじりやすさを優先した結果であり、凄麩の扱いやすさが初心者にとっても失敗の少ない餌に仕上げやすいメリットだということが大きい。GTSとか特Sとかは手を入れれば入れるほど目詰まりした密度の濃い餌になるが、凄麩はそこまではいかない。しかし密度を上げようということになれば、ダンゴの底釣り夏を入れてやれば一気に重量も密度も増す。

凄麩という練りこんでも扱いやすいという素材にどういう特性を追加したいか、で組み合わせを考えている、とみると分かりやすい。

ボソエサの基本構成(野釣り)

魚の活性が低く、ハリスを長めにとるような状況ではボソタッチの餌を作るところからスタートする。

まずは

とろスイミー、粒戦それぞれ半カップを水1杯

で溶かしておき、その合間に

セットガン2:凄麩2

を混ぜ合わせておく。

これを吸水させたのちに合わせ、サラサラと攪拌して空気をたくさん含み粒が荒いバラケにする。とろスイミーが重さを持たせているが、空気を多めに含んだ粒っぽい餌なので浅いタナでもいい。深いところでやるなら、少し手水を入れて練る。魚の寄り具合によって、押し練り具合を増やす。

結構早く開いてしまうので、これは野釣りなど、寄せを重視したいときに使うとても攻撃的なパターンだ。どんどんばらけるので魚影が濃いなら次のエサはもっとまとまりのいいものにする。それと、重たい粒がどんどん沈んでいくので、ジャミをいつまでも高いところに寄せないようにしたい、というのがある。

ボソエサの基本構成(管理)

魚影が濃いが活性が低いことが予想される場合は

とろスイミー、粒戦それぞれ半カップを水1杯

で溶かしておき、その合間に

セットガン2:凄麩1:バラケマッハ1

を混ぜ合わせておく。魚の活性が高めならバラケにもあたってくるので、セットガンを減らしてその分マッハでもいい。メーター、カッツケの場合はセットガンの半分がガッテンにとってかわる。いずれの配合でも餌が持たないようならBBフラッシュを適宜差し込む。ガッテンを入れるときは粘りが出るので先によく攪拌したエサの上から一番最後に追加してさらっと混ぜておくにとどめる。

野釣り向けのものよりも粒子が細かいバラケ性の高い餌になる。段差バラケよりもう少し麩が細かいので滞空時間も長めになる。凄麩が利いているので下方向に拡散させたい場所では多少練りこんでエアーを抜いていくといい。セットガンや粒戦が水中で下に向けて抜けていくのでつられて開く、というイメージで割とちゃんとタナが作れる。

バラケ性をもう一度強くしたいときはエサの一部をまとめて、粒戦を乾いたまま追い足してやる。

ある程度魚が寄っているなら、バラケが抜けてから1分くらい待つことが多い。あおられる分、意外とマッハの粒子が高めに漂っているのでそういう細かい粒子を食う魚が当たってくる。

このエサの時はどんどん下に抜けていくバラケだし魚の活性も低めなので、下ハリスは40センチ以上のような、長めにとる。

ダンゴタッチの基本構成(春、秋)

水温、気圧が不安定なことが多く日ムラが大きい時期は判断が難しいが、やや粘るタイプのバラケを使うと時合いを大きく崩すことなく、釣りやすい、ということがある。少しもたせ気味にするもよし、棚に入ったら落としてやるもよし。

粒戦0.5を水1

で吸水させて、

凄麩1:バラケマッハ2

を混ぜておき、粒戦を加えたのちに

ガッテン1

を追い足して全体が均一になるように全体をしっかり攪拌しながら空気をかませて仕上げる。

これはそのまま両ダンゴのエサとしても使えなくもないというか、非常にオーソドックスな組み合わせとなった凄麩+ガッテン+マッハの浅ダナ向けダンゴとの違いは粒戦があってやや崩れるのが早い、ということだけだ。持たせるなら普通の両だんごのように小さめに丁寧に餌付けし、抜くならやや大きめにつけてなじんだタイミングで少ししゃくることもある。

魚が寄ってきていたら、バラケにガンガン当たってきて上下で半々くらいの確率になるが、そのくらいなら十分だ。なじみ切る直前直後のアタリをとると比較的バラケを食っていることが多いが、待ちすぎてアタリが読めなくなりアッパーを連発するよりはいいと思うのだ。このエサを使うようなときは結構もまれているような状況なので、あまり長時間待つことはない。なじんで2秒くらいで少し返してツン!がベストだ。

とにかく、基本構成を決めておくことが重要

どのパターンも、凄麩にマッハかセットガンのどちらを組み合わせるか、がベースになっている。これがまず最初。

次に、粘らせるか、開かせるかを決める。

その次に軽くするか、重くするかを決める。

最後に広範囲から寄せるのか、ピンポイントに寄せるのか、魚影の濃さと活性から判断する。

この4ステップの順番を守って餌の組み合わせを作ることで、筆者の場合はバラケで迷わないようになった。釣れない時、バラケの組み合わせ自体を疑うより先にハリスの張り具合や長さ、指先で調整できる範囲のバラケのタッチあたりを先に考えるようになった。とにかく、この組み合わせの4段階の考え方は明確にする。

ベースの組み合わせで程よい重さだと判断したら、3ステップ目に追加する餌は省略できるというわけだ。その分ベースエサの投入量が増える。

そもそも、エサの組み合わせは方向性を根っこから間違えたりしない限り、大きく外すことはないのではないだろうか。このステップごとのそれぞれのエサの役割をちゃんと把握しておけば、2杯目のバラケを作るときにどのエサを変更するかを判断しやすい。エサが持ちすぎてアタリだしが遅いなら、次は粒の大きいものを増やすとか、ゆっくり沈ませたいならとろスイミーを入れずにBBでまとめてやるとか、明確な意図でもって2時間おきくらいの餌づくりに取り組める。ただ同じエサを疑心暗鬼で作り続けることを避ける意味もある。

毎回毎回違うエサを作るとか、誰かがすすめていたのをそのまま使うとかじゃなくて、自分でこれという基準を持っておきたい。すると、よく釣れている人のバラケを教えてもらったときに自分のエサとの違いとやるべきことがわかりやすい。

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