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攻める釣りとはなにか へらぶな釣りについて考える

ちょっと面白いブログを見つけたので引用。

待つ釣りで代表的なのは、「ヘラブナ釣り」です。これは、鏡のごとく鎮まり返った池に超繊細なウキが付いた仕掛けを投げ入れて、ひたすらウキを見つめながら待ちます。

時に数時間もエサを変えながら待ちつつ、アタリを待ちます。ただこのアタリも非常にシビアで、ウキが5mm沈んだだけで合わせなくては行けない時もあります。

10m先の5mmなんて、目測ではほとんどわかりません。でもその僅かな揺れ動きを捉えるために、ひたすら目をこじ開けて何時間も待つんです。

http://cycle-japan.com/turikata/

待つ釣りだって?やったことないだろあんたw

ウキの下に餌がついている釣りは理論がわかってないと釣れないもの

ウキ釣りっていうのは手軽な釣りのイメージをもたれやすいが、やってみたらわかるけど単純な延べ竿でミミズでもつけてコブナを狙うような淡水のウキ釣りはともかく、海では潮の流れや水深の深さ、エサ取りのやかましさなどもあってウキ釣りというのは結構難しいはずだ。ちゃんと底取りする方法なんてのはガチの初心者は知らないけど、底を狙わないと釣れない魚も多い。しかし大抵の海釣りでの底狙いは根掛かりも多い。ボーッとしていたらコマセとエサの同調なんて起こらない。ウキのサイズやガン玉の調整もあるし、結構忙しい釣りだ。

そしてヘラブナ釣りだが、これを魚が釣れるのを待っている暇な釣りと思っている人はやったことがないか、ヘラブナ釣り経験者だった場合下手くそであるかのどっちかなのは間違いない。断言するからもう一度いう。へらぶな釣りを待つ釣りと思っている人はやったことがない別ジャンルの人かやったことがある場合は下手くそです。やったこともないのに待つ釣りだなんていい加減なことを書かないでいただきたい。

先に一言ハードルを下げることを書いておかないといけないのでそうするけど、へらぶな釣りは道具も多くて入るのが大変なジャンルだけど、釣法自体はシンプルだし、ある意味誰にでも釣れる魚だからもっとみんなもヘラブナ釣ろうぜ。

(ただ、よく釣ろうと思うと、一気にやることが増えるのが面白い)

手が動いていなくても脳内はフル回転

巻く系の釣りにしたって正直、なんとなく投げて、巻いてという釣り方では頭打ちになるはず。いろいろ考えてアプローチするはずだ。はずなんだが、どうも海やら池で見かける人の半分以上は何も考えてないとしか思えない釣り方をしているが。。。。それでも釣れるときは釣れるけど、打率がどっかで頭打ちになる。その壁を越えようと思ったら、やっぱりよく考えてやらないといけない。そのレベルになったら、ヘラブナ釣りをやったことがない人でもこのブログでヘラブナ釣りがいかにテクニカルで忙しい攻めの釣りであるかを書いていても理解できるはずだ。

一例として、自分がいつもの池でやっている釣りの間考えていることを列挙してみよう。

温暖な時期の野池、魚影はそこそこ。雑魚も多いがしっかり魚を寄せれば十分連発を狙えるシチュエーション。

竿の長さ、ウキのタイプ、エサ、ハリ、ハリスの長さを状況に合わせて選択。

釣り始めたらウキの動きから次にやるべきことを推測する。

エサの硬さ、大きさ、ハリの重さ、数センチ単位のハリスの長さ、ウキの材質、エサの落とし方などのどれが魚が食べやすい状況に持っていくのを邪魔しているかを観察して、一つ一つ修正しながらエサを打ち込んでいく。どれかを間違えたらまたやり直し。毎回毎回これは観察しながら仮説を立てて検証していく。

やがて、ウキにあたりが出始めるが、早々簡単にはヒットできないカラツンが起こる。下手すると10回以上連発で合わせ損なう状態はざらにある。

またエサの具合や付け方、ハリスの長さを微調整する。それでもだめなら餌の配合を変えたりする。それでもだめなら釣り方自体を変更することを検討し始める。

釣れたら、その釣れる状態を長く持たせるためのエサ使いに注意する。やがてまた釣れなくなってくるので、また微調整から入り、徐々に仮説、検証のやり直しにもどる。

魚がいることは間違いないから、釣れないのはその状況にアジャストする技術がないからで、一切言い訳ができません。でも、アジャストできれば、真冬でもない限りほぼ釣れます。

・・・

いかがでしたでしょうか?(←クソブログにありがちなやつ)

これが例会などになると、一日を通した組み立て、周りの状況を見て判断するといった戦略も必要になってきてもっともっとシビアになるし、こういうPDCAを上手に回していけて、調整をめんどくさがらない人がよく釣る。実際時期にもよるけどハマったときはビシバシ連発して竿を半月に豪快に曲げるファイトをするのでめちゃくちゃゲーム性が高くて奥が深いんです。そしてくどいけど、忙しいwマジになって隣と競争すると、一日終わったら頭が疲れ切って真っ白になるw

決して受け身ではない。ひたすら攻めの釣りである。うまくなるほど、魚に食わせるために、アタリをわかりやすく判別するために、いろんな工夫をしている。

道具が魚を連れてきてくれる釣りじゃないのもポイントだ。メーカーにこれで釣るといいよと言われて、そのとおりにやって、釣れた、釣れない、というような感覚ではなかなか釣れない。なぜなら、餌作りがアナログ的で人によってバラバラ。だから、よく釣っている人のエサを触らせてくれと言ってくる人も多い。レシピを聞き出そうとしたりも。でも、聞いたことを単純に真似してみても、全く同じ結果にはなかなかならない。竿や仕掛けのバランスや釣り方もそれぞれ好みや違いがあるし、全く同じ料理を誰もが作れないように餌作りも奥が深いからだ。

状況改善能力を磨け!!!

PDCAって仕事みたいな意識高い系みたいなこと言ってんなよおっさんって言ったの誰だおいこら

もちろん、釣果を競うでもなくのんびり、という好々爺も多い世界ではあるしどのように向き合うかはそれぞれの体力や方向性に応じて自由にやればいいと思う。正直自分も例会の雰囲気というのはあまり好きではない。

で、少し最後に脱線するけどこのような釣りのPDCAを磨くと、仕事にも応用できると思ってます。PDCAは状況改善のために積極的に動くわけなので、攻めなんです。

私の職業は講師業とかウェブをメインにしたコンサル業なんですが、物事を伝えたり教えたり、そして状況判断能力を育てるのにこうした釣りはものすごく相性がいい。ウェブの授業を受けている学生には、ウェブマーケティングの基礎中の基礎を説明するときにはこのような釣りに例えて説明すると、どうやらわかりやすいようだ。一番シンプルにいうと、的当てゲームをやってて投げ方を都度軌道修正するたとえ話だが…w

その授業でも表現しているように、私はハリ、エサ、その他仕掛け、場所、魚の習性、これらはすべてウェブマーケティングにおいても単語を入れ替えれば同じPDCAが成立すると思っている。

そして、へらぶな釣りというものは、これがすごくよくまとまっている釣りで、同様に海のかかり釣りやウキフカセ釣りなんかも、ターゲットが明確で釣り方もあらゆる方法を試せるので考え方の根本は同じ。私がこのような釣りを特に好むのは、そういう理由があってのことなんだろう。

一生できる釣りのひとつ

あと、体力が衰えてきて遠征が辛い、というご年配でも長く楽しめる釣りなんだけど、ご年配を見ていると

「新しい釣り方にも取り組んで引き出しが広がる」

「近代釣法を難しいと敬遠して引き出しが広がらない」

というタイプにきっぱり分かれており、おしごとの世界と同じだなあとしみじみ思うのである。それでも体力勝負というよりは経験の差で戦えるので年配のほうが基本的にはうまいはずだ。後ろから近づいてきて、「あんちゃんの釣りセット釣りか!わしゃそんな釣り方ようわからん!」とずっとぼやくだけぼやいて行くだけのあんまり釣れないおっさんとかもいる。経験とは、試行錯誤の回数と密度の問題でもあるw

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