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浅ダナ両ダンゴでのアジャスティング

https://twitter.com/gyottosai/status/1264768700877402115

先日のひだ池での浅ダナ両ダンゴでは落ち込みのアタリはスルーして、エサがぶら下がる直前のアタリに絞る釣り方でパターンが決まったが、自分なりに浅ダナ両ダンゴで釣り込むときにどのような組み立てをするかをまとめてみようと思う。

最初に仕入れられた情報と観察からの初手

まず釣り場の特性、状況から「寄りすぎる」か「寄せる必要がある」かを判断。ここを先日は間違えた。食い渋りを予想してダンゴエサにバラケマッハを入れたところ、逆にそれほど食い渋っておらず、食ってるけどエサが開きすぎ、散りすぎてアタリが決まらないという状況を招いてしまった。予想が外れたということに早めに気づけたので修正ができたが。。。。

ともかく、最初のエサはその後の組み立ての判断材料になるのであまり凝ったエサを作らないほうが良いと思っている。このときの例ではもう少し状況判断がちゃんとしていれば、凄麩+ガッテンの開き方やタッチだけで様子を見るには十分だった。通い詰めていて状況を把握しているならともかく、確信して飛び込める状況でない限りはシンプルかつ中庸なエサからスタートする。

仕掛けのセッティングも基本的な設定でいいが、釣り始めからバッチリきめるというよりは狙うタナ、魚の密度、その後予想される展開、特に自分が目指す状態をふまえて決める。影響として大きいのはハリスの長さとハリのサイズだが、両ダンゴの場合短ハリスと長ハリスで釣り方は似て非なるものなので、そこはある程度魚が寄った状態を予想して決める。具体的には、寄ってきてかなり揉まれつつも食いが良さそうならハリスは短く、寄ってもそこまで口を使わなさそう、密度が低そうならハリスは長く落ち込みの釣り、といった具合にまずは方針を決める。状況が変わればこれも変更する余地があることは言うまでもない。

そうは言っても理想は馴染んでドン!

魚のコンディションが良ければ無理に「追わせて」あたりを取るより馴染み切る前後の強いアタリに絞ったほうが時合が長く続くし、スレが少ない。メリットしかない。食い渋りでなければ、基本的にはこれをゴールとしてエサ合わせやセッティングを詰めていくことになる。

検討事項は「魚に合わせて釣れる状態をつくるための検討」と「環境による釣りにくさを排除するための検討」の2つがある。

魚に合わせて釣れる状態をつくるための検討

釣り方やセッティングが環境要因でずれていないのなら、まず最初にエサの手直し。ゴールに近いと思われるエサにハリのサイズが適さないと思ったらハリも変更を検討する。それに連鎖してハリス、ウキ、と検討事項をつないでいく。もっとゆっくりエサを沈めていったほうがいいならハリスも長くなるだろうし、あるいはウキも小さくなるだろう。エサを手直しする程度ではタナに入らないということなら、ハリスを詰めるか、ウキのサイズを大きくするといった対処の必要に迫られるだろう。

しかし問題点の切り分けが確信的にできていないのならば、小さく変更が早くできるものから順にやる。餌の付け方とか押し練りとかそういう小さなことからだ。それで間に合わないようならエサのブレンドとかハリスを変えることを考えるが、もちろんそれらの変更は環境による制約の中で最適解を求めることになる。

環境による釣りにくさを排除するための検討

例えば風が強い、流れがある、使っている竿との相性などが環境的要因である。熟練した人なら最初からこの竿、この道糸ならこのセッティング、という基準を無意識にあるいは意識的にやっているだろうが、状況は刻々と変わるので、「より釣りやすくする」ために見直していくといいことがある。

浅ダナ両ダンゴで通せる状況にしても、たとえば風が強い日は少しタナを下げるだけでも案外違うものだ。それでも対処不能なら思い切って短い竿に変えウキを大きいものにするとか、チョーチン釣りに切り替えるとか、多少待つ釣りができるセットに変えてしまうといったそもそもの釣り方自体を変えてしまう方針転換もある。

ドロ濁りで風が強いという状況なら追い風の釣座で浅いタナ!

もちろん、釣りやすい道具立てに切り替えた上で、その釣り方やセッティングに合ったエサ合わせをするのでそれまでの考え方を一回切り替える必要がある。それまで使っていたエサとこれからの釣り方の相性を考え、仮に少々残っていても余っているから、という理由で使い切ろうとするより切り替えてしまったほうがいい。またシンプルな状態から探っていくからだ。

あとはウキの動きを見ながらOODAサイクルを回す

この2つの要素を踏まえてOODAループを回す。観察、仮説、決定、実行のサイクルである。ウキの動きやアタリ方、釣れ方、より方などを見て判断を重ねていく。ちなみにPDCAとOODAの両方が釣りにとっても良い考え方として扱えるのでこれについてもいずれ書く。

てか、最近OODAはPDCAよりも優れているとか、取って代わるとか勘違いして書いている記事が多いけどそれぞれ生きるシーンがちがうというか、レイヤーが違う話なんでそれもちゃんと書きます。PDCAはどっちかというと戦略、バックヤードに近い場所で役立つ。OODAは最前線、スタートアップに近い場所で役立つ。ビジネスでも同じなのでくれぐれもどっちが優れているとか言い出さないように!

と、ここまでが浅ダナ両ダンゴという釣り方の範囲の話だ。これが決まらないと感じたときは次の項目の話になってくる。

まず小さいところから見直していくと書いたが、時間を見て思い切り変える決断も必要

まず、暖季の管理釣り場の場合は手段を変えた結果を待つには1時間もかからないかと思う。例えば、その日の予想に反してエサの手直しやハリのサイズといった細かな調整ではどうにもならないくらいずれたことをやっていると判断できるときがある。こういうときはその判断に自信があればさっさと損切りして釣り方をその時有利と思われる方法に変えてしまっていい。タナを変えるのか、釣法を変えるのか。そういうレベルの話だ。

私の場合、魚がしっかり寄っているにも関わらず20~30分以上やって小さな対応で手応えがないなら明らかにやり方が間違っていると判断。その判断のレベルに応じて「竿から変えるか」「ウキや釣法を変える程度か」「餌の配合を修正するか」を選択し、次の釣り方を一から試すことを考え始める。

魚が寄っていないなら結果をあまり急ぐのは良くないかと思うので、まずは寄せに専念する。丸一日釣りをするとして、これで1時間ほど何もなければやはり違う釣法に切り替えるだろう。暖季にトータル7時間釣りをするとして、1時間以上動きがないなら引き際である。見切りをつけるならこれ以上引きずらないほうがいいと思う。

ずっと釣れていないのに損切りできずに、延々と小さな手直しでなんとかしようとしてもあまりいいことはない。最初は間違えてもいいから、しばらくやってみて状況が好転しなければ違う方法を試してみることだ。それでさらに失敗が重なったとしても、その状況を理解し、記憶すれば次に生かせる。試して失敗するというプロセスもまた長い目で見た経験上必ず意味がある。

大きく変更する決断をするかどうかは、今までやってきた釣り方を修正する方向性に限界を感じたときと残り時間を踏まえた期待値で決める。

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