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実家のような安心感 落合公園

あの仕事の用事で、この週末はひだ池と温泉前に立ち寄ったが、釣りはしなかった。

日曜日の早朝、今季の最終予選になる温泉前トーナメントに集うクリエイトクラブの仲間と談笑したが、兄弟子を程よくおちょくって飽きたところで離脱した。一応、前日寝るまでは出場しようと思っていたのだが、当日起きた時間が割とギリギリ、朝食をとる時間がなく、なんとなくめんどくさいなあと思って出場を取りやめてしまった。どのみち、そんなメンタルでは釣りきれないだろう。

結果として、身内や知り合いから続々と決勝進出を決めてたので、まあ邪魔しなくてよかった。みなさんおめでとうございます。

で、吉野家で朝っぱらから牛カルビカレーを平らげ、あとは帰って寝るだけ、だったのだが、散歩がてら落合公園に立ち寄った。きっと誰かしらいるだろう、、、やっぱりw

自称ホームグラウンド、ヘラブナアングラードブちゃん生誕の地、落合池

多分6月以来、4ヶ月ぶり。いつもの常連の皆さまが常連ワンドに並んでいる。しばらくベンチから様子見し、頃合いを見て絡んでいくw

「お久しぶりです、ドブです」

「せっかく来たんだからやってったらいいのに」

「うーん、どうしようかな、今日はカメラ持ってきてないしなあ…じゃあちょっとだけ」

これが喜劇の始まりだった。

「この頃どうです?ここ釣れてますか?」

「いやー、昨日は良かったんだけどね」

と常連さんは苦笑いする。またか。ヘラブナ釣り再開後、落合池に来ると必ず言われるのが「昨日は良かった」。なんと間の悪いことだろうか。釣り台をセットし、竿ケースを開け、パラソルのシャフトを、、、あれ?池に落ちやがった!しかも、このポイント、落合池のくせに急深の駆け上がりになってて、タモで底をあさってもどうにもならなかった。あまり場を荒らしても申し訳ないので諦めることに。直射日光を背に受けるコースだ。やむを得ない。いい加減ちょろっと釣って帰ろう。

7尺両ダンゴ底釣りでいきなりウキが動くが、明らかに鯉が寄る。スレかいたり、カラツンが来たり、なかなか一筋縄ではいかない。

「あれ?ドブちゃんこんちわ!いっつも釣れない日に来るよねwwww」

「ドブ兄さんじゃん!今日は釣れる?だめ?wwww」

カラツンが続くたびに、ますます落合池が釣れないイメージが増幅されていく。対岸の初心者っぽいお兄さんが2枚ほどぱぱっと釣った。徐々に周囲が当たりだす。気がついたら1時である。あれ?

常連さんたちにニヤニヤされながら、「ちょっとやるつもりが一日コースwwwww」といじられる。寝不足ですぐ帰るつもりだったのに、どうしてこうなった。ちょっとゆるく底釣りでもと思ってたのに、気がつけばウドンセットでバリバリに粒戦ふやかしてガチのセッティングを色々試している自分がいる。

しかし、無情にも全く強い動きが出ない。

「この前猫ヶ洞の動画見たよ。釣れてますねえ」

「あんなの、ええとこだけ圧縮してますから、まあそれでもよく釣れますよ、ここよりは間違いなく。。。」

「コラボとかしないの?マルコスとコラボしてほしいんだけどwwww」

「全財産積んでもやってくれないと思うよwwwwwあっちにメリットなさすぎwwwwwww」

「皆さんいつも見てくださってありがとうございます。正直なところ、小太りのおっさんがぼちぼち釣ってるだけの動画見て何がおもろいねんって思うけど、どうしたらいいんですかね?豊胸手術?」

「作ってる本人がつまらないって言うかね、普通…」

「ギャグ展開とお色気がほしいねえ」

「ギャグはともかくお色気はつてがないんで無理っす」

「だから、マルコスとコラボしてだね」

「まだ言うか」

こういった会話が飛び交う中、常連さんは時折ヒットさせていくが、自分だけ全然駄目wwwwwww

特殊すぎる釣り場、それが落合池

「どうして自分だけ釣れないんだ。。。。先日の例会ではそこそこ釣ったのに、、、、ここは特殊だなあ」

「特殊ですかね?毎週ここでやってるからわかんないけどなあ」

「特殊ですよ!この浅さと微妙な魚影、このクセを攻略するのはかんたんじゃないですよ!」

渋い渋い言いながら、時折誰かしら釣っている。自分だけ釣れない。これ、実にメンタルに効く。自分の技術や経験が全く通用しない現実に心が折れそうになる。

「ここでセットは厳しいよ。おすすめできないよ。やるなら、両ダンゴの馴染み際」

16時を回った頃、セットのバラケがなくなって、もういい加減帰ろうかと思ったが、気がついたら凄麩とガッテンをこねていた。。。。結局やるんかいという愛のあるヤジを背に受けてw

水深が70センチあるかないか。そこでハリスを少しでも長く取ろうとしてもせいぜい35センチ位。ただでさえ薄くなった釣り場で、水深が浅いと「タナに魚を集めて競わせる」ことが物理的に不可能である。いくらバラケを小さくつけてゆっくり開かせても、そもそも魚が薄いのでなかなか食わせに近づいてくれない。しかし浅いからハリスを伸ばすにしても限界がある。こうした理由で、両グルテンなどが安定するのだが、フォール中の餌にしか反応しないとなると、激むずである。

両ダンゴ、タッチを変えたり、ハリの重さを変えたり、色々やりながら打っていくけど怒涛のカラツンである。ヘラブナは間違いなく近くによっているのだが、全然乗ってくれない。そうしているうちに常連さんが三々五々片付け始める。マジか。

「結局全然釣れずに終わっちゃうのかあ」

話題はYou Tubeから転じて、釣り業界の話。

「それでね、案外アレがこうなんですよねえ」

と横を向いて雑談していたら、

「ウキ消しこんでるよ!」とFさん。

ファンタジスタ、釣ってしまう

えっ!?

出遅れた感があるが竿を立てる。

「のったーーーーー!!!!」

池は爆笑の渦である。

「見てないんか!!!」

「釣れたうちに入らんわ!!!!」

「対岸から言われて合わせるなwwww」

「やったーーーーー食ってる~~~~!!」

タモ入れ。

「神回かよwwww」

「なんで撮影してなかったのwww」

日没直前のドラマ、本当に撮影してなかったことが悔やまれる。

「例会とか忙しいと思うけど、また来てね」

どうにかヘラブナを釣ってしまって、苦痛に満ちた笑いの釣りは終わった。結局いちばん最後に片付けたのが自分だった。どうかしている。

反省会

「マルコスとコラボしてよ」

「まだ言ってる…」

色々聞き出してわかったのは、やっぱりヘラ釣りしかやらない人はわざわざかかり釣りの動画を見てはくれないんだなあということ(その逆もしかりだろう)、イメトレになるような動画が良さそうだが…ウキのアップを見せてほしいというリクエストは常にある。真面目な話し、ある程度やったらたしかに評判は良かったみたいなんだけど、ネットである有名人が「ウキばかり見せる動画などナンセンスだ」と発言していた。それを見て、うわーわざわざそういう感じで行くかね、と思うと同時に、たしかにそうだよなあと思う自分もいる。

たぶん、セッティングが正しくて、ゴールに向かっていけている状態をしっかり見せられるならウキの動きを見せることに意味がある。この動きをした、だからこう修正した、そしたらこう動いた、それで、、、というプロセスが伝わるようにしないと見せてもあまり意味はない気はする。これを自分である程度説明できるのは、ウドンセット釣りとチョーチン釣りかな。でも、そのへんはインストラクター諸氏の動画のほうが圧倒的に正しいんだなあ。

そもそも自分は今のところ、人より釣れる人ではない。駄目な見本は出せるかもしれんが、それをいくつも再生産するのもなんだかわからない。まずは自分でこうですよ、と言えるまでは釣りを丁寧にやろうと思う。語れるのは、多分そういう技術というよりは、他の領域、例えば、例会の話とか、釣りにまつわる雑感とか、そういう路線なら今の自分にあっている気がする。

まあ、しばらくは「楽しさを伝える」こと、「ローカルな情報を発信する」こと、「業界を盛り上げることに寄与する」ことを意識してやります。NSRのほうは、ロッドの良さ、ニシダ式かかり釣りの初心者としての発信。

色々言われることもあるし嫌になることもあるけど、こうして動画を見ている方から好意的に意見や感想をもらえるのはとてもありがたいし、たまにしか現れない自分と絡んでくれる皆さんの存在がありがたい。動画に限らず、釣りの活動をはじめてから一年半、色んな人に協力してもらって、応援してもらって自分があることを実感。

とりわけ、へらぶな釣りを初めて体験した場所である落合池が自分にとってふるさとのような場所で、そこの常連さんたちに喜んでもらえるというのは、釣りを始めた頃の自分を思い出すにつれ、やってて良かったなあとしみじみ思うのである。猫ヶ洞に浮気しまくってる自分ではあるが、”里帰り”するたびに出会う人は温かい。

一方、へらはもう冷たい通り越して絶対零度だけどな。ストロングゼロ。めちゃくちゃシビアすぎる。また来ます。

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