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HERA X 7尺を使いこなしたい

7尺という長さは、釣り場によっては既定で使えないところも少なくないというが、中京で釣行機会が多いつつじ池が8尺以上となっている他、案外7尺が使える釣り場が多い。

6月に五町八幡大池での例会があり、それに合わせてチョーチン釣りをするために急遽7尺を購入することとなった。そこで選んだのはダイワ HERA Xである。実際にその時の例会では10尺の浅ダナ両ダンゴで通したので出番はなかったが、その後夏場の両ダンゴ、チョーチン釣りに活躍している。そこで今回はHERA X(以下、X)7尺の魅力についてお伝えする。

競技向けとしてはやや軟調本調子寄りというが月光よりはしゃっきりポン

ダイワの「掛け調子一覧」によると、Xは月光、Fより硬調寄りであるが、調子はほぼ同じような味付けとなっている。グラフ上ではちょうど、硬さ、調子ともに月光とSの中間に位置する。やや意外にも、月光剛よりも掛け調子グラフ上では硬調に位置する。逆に言えば、月光剛は剛と名乗る割にはある程度マイルドなものであると考えられるが、剛の説明書きによると「そのパワーランク(硬さ)はダイワ並継へら竿の最高ランクに位置する」。おそらく、剛は振り調子や竿自体はかなり硬いセッティングなのだが、魚を掛けてからはXのほうが硬い性質であるということだろうか。この二種の比較はどこかでちゃんとやってみたい。なぜなら私は月光剛を持っていない。兄弟子に頼むか?なんかやだなあ…。やっぱやめた。かといって、月光剛をあえて買う予定はない。うーむ。

参考:グローブライド株式会社 ダイワ並継へら竿掛け調子一覧

Sとの明確な違いはSVFカーボンの有無である。おそらく、XはSVFを使用していないためか、比較するとやや重量があるが、そもそも短尺では何ら問題はない。重量によるデメリットはないと言い切っていい。しかし月光クラス以上のモデルに採用されており快適な釣り心地とパワーを生み出す大正義株理論(大正義は私が勝手にそうつけているくらい気に入っている。これを搭載している月光シリーズとそうでない陽舟とでは決定的に釣り味や曲げに対する減衰フィールが違う)、そしてエラストマー製グリップが目立つ違いである。このグリップは好き嫌いあるようだが私は大歓迎で、従来のような繊維による手のひらへの摩擦がなく、それでいてグリップ力が高いので右手が楽だし、メンテナンスも簡単である。

チョーチンに最適な設計というがはてさて

よく粘るパワーロッド、というのがXのコンセプトであるが、その特性を生かす最適なシチュエーションは深場からへらぶなをどっしり受け止め、浮かせるチョーチン釣りだという。振り調子はSほどではないがややしゃっきりしたフィーリングなので、細かい縦誘いにも(少なくとも短尺であれば)ストレスがない。しかし掛けてからは竿全体が粘り腰で、やや硬調気味と言え、よく曲がりショック吸収に優れた竿だと思う。そういう意味で、フロロカーボンなど伸びにくい糸を使ってのチョーチン釣りに適しているといえる。

シャキッとしつつもよく曲がるということは、浅ダナにも使いやすいということでもある。今回は7尺ということでシチュエーションは限られるが、短尺こそ乗った瞬間に一番強くハリスに負荷がかかるということでこの竿を浅ダナに用いてみたところ、存外扱いやすいと感じた。

Sは最もピーキーな硬調先調子であるが、軽量を生かして素早くおいしい角度に竿を立てることができる。Xの場合は竿が曲がることによって瞬間のショックを抑えることができ、その時に竿のパワーが最も生きる。だから合わせた瞬間にかかる負荷が高い浅ダナの釣りにも使い勝手がいいなあ、と、そういう感じ。もちろん、底釣りでも振り込みやすさと粘り腰の浮かせるパワーは大型が出る釣り場で特に楽しいだろう。ただし、やや硬調であることに変わりはないので、ハリスの太さには少々気を遣うかもしれない。0.3号が基準になるようなときはむしろ月光柔とかをもっていると使いたくなる。

いずれにしてもつつじ池のように両隣の間隔がタイトで、魚の大きい釣り場で活躍しそう。

なんやかんやでオールラウンダーな感じがするよ

ここまで読んでて、結局何でもありかい、と思うだろうが、実際掛け調子グラフでも全体のほぼ中央に位置するし、釣法やフィーリングもデザインや資料から抱くイメージよりはオールラウンダーの性格が強い。月光よりも反発力がありつつも調子は同じくらいの竿が欲しいなあと思った時に選択肢に上がってくると考えてもらうといいかもしれない。浅ダナセットやチョーチン釣りには月光よりも向いていると思う。たまたま自分の周りではあまり持っている人を見かけないが、それゆえに情報も少なかったX。Xだけに紅色?いや、考えすぎか。

結論として、どんな時に買うべきか

本格的に始めてから数年以内くらいのキャリアで、月光よりも踏ん張る竿が欲しいが予算が限定的な時、大型がでる釣り場に出かける頻度が高い時、チョーチン釣りの機会が多い時、こういうときに購入を検討するといいと思う。俺じゃん。

Sと比較すると価格も控えめである。中京地区だと12~18尺をこれでそろえるのも面白そうだ。実際にあえて浅ダナ両ダンゴを中心に使ってみた動画があるので、よかったらどうぞ。

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