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ウキに釣り方を合わせるのではなく、釣り方にウキを合わせたい

まことに、へらぶな釣りというのはシンプルな道具の割に奥が深い。知れば知るほど、奥が深い。最近、周囲の上級者の釣りを観察していて気づいたことがある。

ウキの本数が半端ないのと、市販品を使っている人が少ないということ

それは単なる見栄とか、好みとか、そういうものだけではなく、ちゃんとした理由がある。自分が目指している釣り方にフィットするウキをそれぞれの場面ごとに最適化すると、結果的にこうなるのだ、ということだ。周りを見ていても、決して全員が高価格のウキを使っているというわけではないが、普通には売っていないサイズだったり、トップのデザインだったりする。ここでいうデザインとは設計という意味で単なる見た目じゃないからね。

市販品は市販品の良さがあるし必要十分ではあるが

市販品を求めるにしても、近隣のお店では案外選べるほどの品ぞろえがなかったりする。それでなんとなく、ぼんやりとこれがいいかなあと買い足していく、ということになる。市販品はどんなタイプであれ、その設計が想定する釣り方のど真ん中というか、汎用性を意識せざるを得ないのではないだろうか。そしてそれらは基本的に関東の管理釣り場や野釣り場を想定しているのではなかろうか。

クルージャンのウキをいくつか揃えてみて、大変に心強いと思いつつも、使っているうちに「ここがもうすこしこういうふうだったら」などといっぱしのことを考えるようになってきた。大変素晴らしいウキだし、今後も使っていくけど、ありそうでない、在庫。通販も割と売り切れがちである。

こういう時に人脈があってよかったと思うのは、クラブ内のメンバーにウキの作者を紹介してもらえることだ。また、ひだ池では土日に手伝いに来るハタさんが受注してくれて、大変に頼もしい。ハタさんも最近ウキがよく売れると喜んでいた。動画で紹介したりもしたけど、もしお役に立てたのなら光栄の至りであります。

ともかく、へらぶな釣りを始めて、よりディープに楽しみたいと思った時に開きたい扉のひとつが、自分にぴったりのウキを揃えていく、ということかもしれない。

トップがあと2センチ長ければ、という悔しみから生まれたオーダーウキ

冬場のチョーチンウドンセット専用設計のウキをハタさんに作ってもらった。トップはグラス無垢で径もスリムなのでおもりあわせに慎重を期する。市販品にもグラス無垢のロングトップタイプはあって実際に使っていたが、真冬にごくごくゆっくり食わせを沈下させて極端に動きの鈍いヘラブナを食わせる、というシーンではそのロングトップも長さが足りなかった。トップがゆっくりなじんでいく間を長くとりたい。よりゆっくりと、そして長く。市販品では長さが少し足りなかった。なじみ切るまでに食ってくれなかったのだ。隣では自分とほとんど同じような釣り方で、自分のよりもトップが2センチ長かった。そして食ってくるのは最後の一節がのこるところ。

その苦い経験から作ってもらった。ピンクに塗られた脚とまだら模様のボディがなかなかかっこいい。実際、この秋冬もこのウキをメインに使っている。しかし本領を発揮するのは正月以降だろう。もしかしたら、もっと細いトップが欲しいとか、逆にPCムクトップが欲しいとか、そういうこともありうる。

底釣りがやりたいのに底釣りウキが全然足りてない…そうだ!ひだ池に行こう!

最近の私のテーマは底釣りである。しかし、自分がイメージする底釣りに合うウキというのが、全然自分のケースにない。なんのこっちゃ!!これは速やかにどうにかしなければということで、ハタさんに会いに行った。なんとなく、展示販売しているウキにそれっぽいのがあったような気がしたからだ。

…あった!w

しかも展示品だから安い!ええのかな、こんなにお値打ちに買っちゃって。

オーダーも考えているが、まずは10尺、16尺それぞれに合うものをパイプ、PCとあわせて3本購入した。使ってみて、よりこういうのが欲しいと思ったら改めて依頼したいと思う。

背景にちらっと見えているのがその底釣りウキ

ウキ補完計画進行中

ハタさんの他にも心強いパートナーがいる。このごろ一回り半くらい年上の私に対しても容赦ない辛口コメントをあらゆるSNSルートから執拗に浴びせてくることでおなじみ、京都からはるばるやってきたひだ池2021チャンプSETくん。彼が先日、武器商人よろしく観音開きのウキケースを開き、クラブ員から盛大に受注をとっていた。アキンドか!(ツッコミはさておき仕事でもないのに熱心にやってくれてありがとう!)

どうやら知人にウキ作家がいて、オーダーを受け付けているということで複数名から早速がっつり受注していた。自分もそこに乗っかってオーダーしたい気持ちはやまやまだったが、その時は自分がどういうウキが欲しいのかを言えなかったから、また今度にすると言ったのだ。浅ダナセット釣りや両ダンゴ釣りに適したウキを依頼しようと思うが、今使っているウキで届かない部分が何なのかまだ自分でよくわかっていないのだ。

ところでこういう部分も情報やアイテムがシェアされていくのがクラブの強みだよね。全体のレベルが上がっていく。わしのレベルも上がるといいなあ??

でもお高いんでしょう?いやいや・・・

有名な作家が「仕事」としてとりくんでいるとウキの価格はどうしても高くなる。ブランドになれば、なおさらである。それ自体は正しい。仕事の作品なら、高く売れたほうがいい。それは信頼と期待の表れで、その結果作家はもっといいモノ作りに励むことができるからだ。代理販売のコストや時給などを勘案したらやっぱり単価5000円を割るとしんどい。

自分などはウェブ屋やってるくせに、デザイン学科、それも工業デザインを専攻していたくせに手先が不器用である。なぜ目指したwwwwというツッコミは甘んじて受けます。実際致命的だw

だから自分でウキづくりをやろうと思うより、身近な誰かが作ったウキを積極的に購入しようと思った。正直、市販品と同等か、ちょっと高い程度か、逆に安かったりする。驚きである。

であれば、わざわざ店頭のウキを見てじっくり悩んでどういう使い方しようか、と悩むのより、作者から直接カウンセリングを受けて自分が必要な要件を満たすものを作ってもらったり、あるいは提案してもらったりするほうが実は手っ取り早く、満足度も釣果の期待度も高いことになる。

うーん、面白いなあ!もっとウキについてちゃんと考えていこう。

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