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かかり釣り・エサ取りだらけの海を攻略する方法という超優良コンテンツ(編集後記)

自画自賛だけど、本当にそう思っているのでお付き合いください。

先月ISSEN by NSR公式から公開した動画も非常に良いスコアで、たくさんの方の釣りの参考になったのではないかと思っている。インタビューしながら、横で(スマホを海中落下させてもめげずに)ずっと撮影していたのだが、ちょうどこの日の数日前に同じ場所で惨敗した私にとってインパクト抜群の釣行だった。この日一度も釣りをしなかったが、それでも十分、いやそれ以上に価値のある時間を過ごさせてもらえたと思う。

それから丸ひと月が経過し、ようやくこの動画の釣行日の後半部分、エサ取りだらけの海でのチヌ釣りの核心部分に迫る動画をリリースできた。一本目は「最初のチヌの顔を見るまでの組み立て方」で、二本目である今回公開の動画は「一日を通してエサ取りをコントロールしながらチヌの間を作り続ける」ことがテーマとなる。

「エサ取りだらけで釣りにならなかった」と言わない釣りを実践する!

実際、この日の海も油断するとエサ取りだらけになり手がつけられなくなる、まるで引火性気体が充満した密室のような危険な状態は終日続いていた。中層にはコノシロ、サンバソウが、低層には小アジ、フグ、小カワハギが、そしてイレギュラーにウグイが混ざるという状況で、その数と密度も尋常ではない。

このような状況になるのは珍しくないようで、夏のはやし渡船では丸貝やサナギでの釣り、そしてダンゴはカチカチに締め込んで使うことが基本となるという。ところが、丸貝ですぐにアタリがもらえるかというと、そういう状況ではなかった。動画内でも何度か試す様子が収録されているが、結局それらしいアタリは出なかった。

結果から言うとチヌの釣果はサナギ、コーンの落とし込み釣法だった。そして、驚くほどダンゴの量はトータルで少なかった。その理由は動画内でも色々触れているが、もしチヌがガンガン寄ってきてアタリを出すなら、ダンゴはむしろ増えていくし、オキアミを濃くするという。しかし今回の状況はエサ取りが猛烈でもチヌの魚影が薄い、あるいはエサ取りに勢力負けしている状態。日本海あるあると言ってもいい状況。ここで普通にダンゴを入れていくと当然エサ取りの柱がそびえ立つことになり、アタリを読むどころではなくなる。

そこで、ダンゴの量は極めて限定的で、エサ取りの気配がごくごく薄くなったらダンゴを入れる釣り方となった。なので、動画ではまるで魚っけがないような状況に見えるのだが、これはあくまでも意図的にエサ取りを集めすぎないように慎重に気を配っているからであって、このペースを間違えるとフグ30連という地獄を見るのはこの日の数日前に私が証明している(泣

ともかくエサ取りを湧かせないよう、かつ全く気配がなくなるまで落とすことなく、丁寧に落とし込みを中心に釣っていく様子は「チヌを寄せるためにダンゴを何個か入れておきましょう」みたいな飼い付け通説とは全く逆のアプローチである。なぜこれが有効なのかは、動画を見て学び取っていただければと思う。実際、私が今、一番、知りたいことをとにかく掘り下げまくって聞き出したという、役得も絡んだ名作と自信を持って皆様にもおすすめw

ISSEN by NSRチャンネルは、今最も高度に言語化、可視化されたかかり釣りコンテンツ

今やメーカーや組織などに忖度したり、大人の事情で本質をぼかしての情報伝達の時代は終わり、SNSや動画などのプラットフォームによりリアルで、本質に迫り、ダイレクトな情報伝達ができる時代となった。

以前にも書いたことがあるが、自分もチヌという魚をいつまで経っても釣れなくて、いろんなダンゴを試していく中で情報を探し、たどり着いたのがNSRであり、NSダンゴであり、”ニシダテツヤ”だった。入門者の割に必死に調べたというわけだwそれから程なくしてスタッフとして深く関わることになるのだけど、やっぱり世間のかかり釣りはどこかおかしい、もったいない!と思った自分は間違っていなかった。少なくとも素人がバンバンボケを湯水のように使ったり二箱もダンゴを投げるのが当然、みたいな釣りを見せられても、引くだけである。

手前味噌だが、ISSEN by NSRでリリースしている動画はかかり釣りで釣果が出せずに悩める初心者から、より深く考察しトップクラスの技術を身につけたいベテランまで、あらゆる層にとって気づきの点を得られるようになっていて、それが評価されている。エサをローテーションしたから釣れました、ハワセたから釣れました、といった「実際どうやったらええねん」ではたどり着けない領域、「いかによく釣るか」をできるだけシンプルに、できるだけ誰にでも再現できるように、上級者はさらにその上の繊細さを、可視化して、それらをできる限りロジカルに言語化しているのが本チャンネルだ。

もちろん、競技のために最適化された「高度なかかり釣り」もあって、それこそその短い時間で瞬間最大火力を発揮するために妥協なく、惜しみなく、万全の釣りシステムが存在するのだが、シークレットな部分も多く、結果として動画として出してはいない。しかし本チャンネルで見せている釣りはそうした極限の釣りを成立させる基礎的な部分であり、その部分は一般的なアングラー、つまり私でも十分に参考にでき、真似できるところであることは間違いない。荷物の配置や、竿のあしらいも大事な基本動作だ。

その一つ一つには意味がある、、、まるで、茶道のそれである。

私はまだまだそれが身についていないので、今後も釣行のたびに気にしていきたい。

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