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ダイワ月光は初心者が2本目、3本目に手にしてほしいフレンドリーな名作

なにげに、私の持っている月光12が周囲からよく注目される。16尺も持っているが、月光としての良さが一番光っているのは10~14尺辺りじゃないかと思う今日このごろである。

さて、最近ひだ池絡みで知り合った人たちが「めぐる ヘラブナ釣りセット」から参入してきており、次に買う竿のおすすめについてよく話題となる。その人のハマり具合と懐具合によって選択肢は色々あるが、ドブログとしては「月光12尺」をおすすめしたい。

まあ、後で見てよ

まず、12尺である理由…中京の釣り場で安定して底釣りと深場のチョーチンができる長さ

見出しのとおりである。まず、入門者が購入する竿はたいてい8~9尺、くだんのセットだと9尺だと聞いている。ここで10尺を勧めてもあまり変化がなく、かといって7尺なんぞ勧めても使える場所やシチュエーションは限られる。15尺以上となると中京地区の管理釣り場や公園系の野釣り場での「これがないと話しにならないような」出番はほとんどなく、取り回しの良さと安定して底釣りができる長さが12尺、という結論に至る。

ちなみに、通常の水位の猫ヶ洞池では10尺以下だと堰堤の段差に掛かってしまい底釣りが難しい。そういう意味でも12尺くらいあると安心だ。

月光である理由…比較的お求めやすく、優等生な一本だから

同価格帯だとシマノの風切や紅月なども候補となってくるし、実際にそちらを手に取る人も多い。が、(別にダイワ党というわけではないのだが)月光の出来の良さを体験してほしいというのが本音。段巻と呼ばれるトラディショナルなスタイリングだが、握りやすく現代的なグリップや、それをかしめるパーツの落ち着いた調子のメタリックグリーンがなかなかに素敵。

節をわざわざ作るのもまあ遊び心だよね

この価格帯の商品でこの質感は、結構すごいことなんじゃないかと、改めて思うのである。

そして使い勝手も悪くない。というか、特にとんがった部分がなく、ザ・スタンダードという性格で、どんな釣り方もそつなくこなせるだろう。自分の場合は、12尺は底釣りでの出番が最も多いが、チョーチン釣りにおいてもそこそこ出場機会が多い。個人的な好みで言えば、月光12尺は手持ちの竿の中から底釣りを最も手軽に心地よく遊べると思っている。それで、真冬の野池やダム湖以外の中京の釣り場なら、これがあれば大抵の場所で底釣りを覚えるに最適な一本と考えているのだ。

とかなんとか言いつつ、SやXに押されてしばらく出番がなく眠っていた竿なのであるが、先日の釣行で改めてその良さを再発見した次第である。

価格も、続けていくつもりならすこぶるコスパがいい。ハイエンドモデルのような高密度カーボン素材でもないし、塗装膜もこってりしているので、普通に使っている文には早々簡単に折れるようなことはないだろう。その点でも実に優等生的な一本。まずはこれを使いこなしつつ、自分のスタイルや、より具体的なシチュエーションに合わせた竿選びに進んでいくと良いのではないだろうか。戦車で言えばM4A1シャーマン、飛行機で言えばP47、車で言えばカローラ、電車で言えば113系のような、目立たないけど質実剛健でバランスが良い存在で、使っているとだんだん想像以上の良さが見えてくる、そんな感じ。

しっかり粘り、リフトできるパワーを備えている

動画でも釣っているが、どっちかというと力強さに定評のある五町八幡大池のヘラブナをしっかり受け止め、リフトし、浮かせている。竿全体がしっかり荷重を分散し、粘りつつ復原していく様子はへら竿としての性能と面白みを十分に感じさせる。そして、月光の弱点である(ハイエンドと比較しての)重量感であるが、これはこれで、むしろ釣り味を独特の心地よいものに味付けしてくれているとも感じられるような範囲だ。なお、16尺はさすがに好んで振り回したいと思うほど軽快ではない。12尺前後の中尺であれば、という前提ではある。

柔と剛と素、どれが買い?

A.好きなの買え

ベテランへ対しての本音は上記のとおりだが、初心者なら、迷わずノーマルの、素の月光を選んで欲しい。剛じゃないと困るようなシチュエーションなど、平場では殆どない。ノーマルより重量がかさむデメリットを打ち消すほどのメリットは一体なんだろうか?柔だとより細いハリス、道糸を安定して使うことができるが、取り回しにある程度慣れが必要。柔は実売尺2000円前後の価格帯では珍しく軟調ザオという貴重な存在。40アップも普通に取り込めるだけの粘り腰なのでぜひ一本は手にして欲しい竿ではあるが、柔は3,4本目あたりで検討してみてはどうだろうか。2本目に買う竿としてはちょっと癖が強すぎる。向かい風で苦労するなどのデメリットが有る。

やはり、総合的に見て素の月光12が「ハマったら2本目に買う竿」として高いレベルで要件を満たしていると思う。

月光とは、初めて手にした時はへらぶな釣りの面白さを体感に訴えるだけの魅力があり、やがて色々な竿に手を出し色々浮気しても、思い出して取り出し、使ってホッとする、そんな竿。グローブライドのウェブサイトにも「飽きることなく末永く使える一品である」と書いてあるとおり、持っていて損はしないだろう。

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