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浜名湖チンタ祭りにASRA MAX F2というガチ兵器で参戦してみた【チヌかかり釣り】

最初に断っておくことが3つ。

・スカリが小さいので、魚へのストレスを考え三度に分けて撮影のたび即放流し、三回目の撮影で釣れた魚の一部と飲まれたり弱っている魚は持ち帰りました。だいたい捌くのしんどいから全部持ち帰るとか無理です。
・岸壁かかり釣りなので、渡船利用のいわゆる筏やカセではなく、人によっては邪道と思うかもしれませんが今回の釣行にはそれなりに意図があります。
・一応一日を通して動画撮影し、隣に証人もいますが一日中あたりが続いたのは事実です。現場に行けば魚影の濃さがわかるはずです。

ダンゴ釣りを教えてくれた師匠に会う初冬のお約束釣行

思えば、2018年頃は浜名湖新居海釣り公園での岸壁かかり釣りに足繁く通っていた。あの頃はチヌという魚を釣るにはどうすれば良いんだと苦悶し、全然釣れない人生を送っていたし、ダンゴもまともに握れなかった。それを見かねて声をかけてくれたのが浜名湖の常連である「あきさん」。たしかあの時はコーンダンゴチヌで全然握れなくて(今だったらもっと砂まみれのダンゴでもきっちり握れる)、糠を分けてもらって握りやすくしてもらって、釣り方も教わった。

それから色々調べていくと、NSダンゴ、つまり糠と砂のダンゴでチヌは普通に釣れるという情報に行き当たる。今色々とお世話になっているチヌかかり釣りのレジェンド、ニシダテツヤさんのことを知ったのはこのときである。遅いwそれだけ、自分のチヌ釣り歴は浅いということだ。

あれから4年経って、今じゃC☆MAXの釣行会に撮影でついていったり、NSRのプロデュースのお手伝いをしたりしている。人生はいつ転がるかわからない。それはたったの4年と言える。しかし、このブログ書き始めたの2017年10月なんで、もう5年も経っているのかと思えば、この5年短すぎ早すぎワロタなので、残りの人生の体感時間を考えると怖くなってきた。

まあいろいろ常に変化し続けていることは、良いことなんだと思う。そんな中でも、やっぱり海釣りの実家的存在である海釣り公園は気になる。そろそろおっちゃんに会いに行きたいな。そう思って、チンタ祭りが例年通り始まっているのを確認して約束の連絡を入れた。

F2実釣に新居海釣り公園を選んだ理由

なんで渡船じゃなくて地波止なの?という話だが、これにはそれなりに理由がある。この新居海釣り公園は、T字型の堤防が出ていて、場所によっては浜名湖の出口が絡んだ強烈な上下の潮に絡む流れで複雑かつ強烈に流れが出るポイントである。水深5メートルもないのに、右2メートルに放り込んだダンゴが着底したら左に手を目一杯伸ばしても垂直取れない、みたいなところだ。かつての記事には、流れ出したらタングステンシンカーつけないとまともに探れない、と書いたこともある。こんな激流が来たと思ったら次の一投では流れゼロ、次の一投では逆方向に渦を巻く、みたいな訳のわからん場所であり、土日はこうした不人気ポイントしか空いていないのである。

そんな場所にカイズが湧くということは、今回発売されたセンシティブモデルASRA MAX F2を使った釣りでF2をより理解するためにはとてもいい機会なのではないかと考えた、というわけだ。1.2号ラインでより繊細に釣るというのはどういうことか。それを、クセをよく知っている釣り場で、以前の道具立てと比較して釣るということに、自分の中では大きな意味がある。

いつもの4番東側

上の写真はまだ流れが落ち着いている状態。正面に見える渡りの下はパイルで櫛状であり、特に堤防側の付け根1m強は大きく空いている。そこを中心にひっきりなしに潮が出入りするため、渦を巻いたり、ガンガン押したりする。この釣座の後ろ側では太平洋に向かって、あるいはその逆に流れる本流があるため、この釣座ではその流れの強さや流芯の遠さで順当に流れたり、巻き返しで逆に流れたりと、下手したら数十秒ごとにコロコロ変わる。ところで、やま栄渡船は流れがあるから難しい、みたいなことを知人に言われたことがある。たしかに流れは左右に出るが、ここと比べたら全然気にならない。ある意味、ここで鍛えてよかったなあと思うw

8時40分頃スタート 落とし込みで探る

ロッドはNSR ASRA MAX F2、ラインはBlack sea bream 1.2号、ハリはもっぱら、スーパー競技チヌ2号。

ダンゴはいつものヌカ砂ダンゴとコーン…コーンの缶詰が小さくて一つではあんまり入れた気がしなかったwサシエとしてコーンも試したが、良い反応はなかった。筏のチヌとここのチヌはちょっと違うようだ。

サシエはオキアミ、シラサエビ、サナギ、練り餌、コーンを用意した。サナギと練り餌は冷凍庫の在庫処分を兼ねている。

まずは緩めの流れがあるので、1号おもりでシラサエビの落とし込み。アタリは出るが、ちょっとタイミングがつかみにくいので0.8号に変えると、よりはっきりとアタリが出た。ここで学んだのは、オモリの位置に対してロッドをできるだけ垂直に近づけてやる方がアタリは鮮明に出やすいこと。つい流れに対抗しようとして斜めに張ってしまうが、ちょうどいい角度、というものがどうやらある。水面上のラインを見て斜めに張っていると思っていても、実際はくの字に屈曲しているからではなかろうか、などと考える。違ってたらごめん。

以前はビビってテンションを抜き気味にしていたが、穂先をほんの僅かにもたれさせつつ、テンションを保ちつつ付いていく的なことを意識するとヒット率が上がっていく。やがてシラサエビでは少しあたりが遠のいたり、タイミングをつかみにくく感じたのでオキアミに変えてみる。アジもサバも鳴りを潜めた海だからできる。さすが、オキアミの吸い込みの良さ!くっと穂先を抑え込むアタリがでる。

ロッドが魚のサイズに合わせて最高の釣り味を演出するという魔法のロッド

F2の凄さは、穂先の感度やスムーズなリフト性能…とこれまで宣伝してきたが、本質はもっともっと深いところにあって、魚を掛ける前の段階での釣りがもっと鮮明に見えるようになる点と、掛けてからのサイズ関係なく楽しめる調子が両立しているから釣りが単純に楽しくなり、うまくなること。なぜそれができるのかは、もうレジェンドにしかわからない領域なのだそうだ。とにかく、この日はノリノリで釣りまくった。

ちょうど20枚

できるだけスカリの中で魚が弱る前に撮影し、リリース。12時の段階で20枚。時速7枚くらいだけど、だんだん感覚をつかんできてスピードが上がっていく。とにかくこの時期の浜名湖はカイズの密度が高く、外道が追いやられて実に数が出やすい。

昼から激流タイムが来る!

いよいよ、今日のテーマである激流タイムが始まった。落水したらまず助からないであろう圧の強い流れが右から左へ。ダンゴ釣りでガン玉噛ませたくらいじゃ止まらない。すでに足元には大量のカイズが居着いているのがわかっているので、ダンゴは控えめにし、2号おもりで探る。ここでライン1.2号のメリットが鮮明に出た。ラインの直進性と、流れに対する抵抗の小ささで、流れの中にあってもアタリを伝えやすいテンションを維持できる時間を長く取れた。そしてそれをしっかり表現できるのはロッドの性能ゆえ。

以前使っていた道具と比較するまでもなく、圧倒的に快適だし、場をコントロールできている感覚が段違いだった。

ここで一気に数を伸ばしにかかる。夢中で釣っていき、二度目の撮影。

39枚いると思います。多分。

これが12~16時前の釣果。小さくてもチヌはチヌ。持ち帰り分を選別し、スカリに戻してリリース。

10センチ前後のカイズを釣るときもこれだけ曲げてくれる

チヌの魅力とは、その引き味の心地よさもそのひとつ。先日やま栄渡船で大きなアイゴを掛けてもスルスルと釣り上げられたロッドで、手のひらにも満たないカイズを釣ってもこれだけ楽しめる。チヌかかり釣りの奥深さをそのまま体現したかのような一本と言えるのかもしれない。

潮が緩んだらダンゴ、走ったら落とし込みとスイッチしながらエビとオキアミを中心に釣っていくパターンで加速加速。

日没前に3回目の撮影。

20枚いますね、きっと

ガチの日没まで粘れば100枚行けたと思うが、流石にもういいw

トータル79枚という釣果の中で、エビに出るアタリ、オキアミに出るアタリ、ダンゴから抜けたあとのテンションコントロール、流れのある時のロッド操作、とにかくいろんなことを試したり、つかんだりできる一日だった。数が釣れるときにこそ、色々試して仕組みを理解することはとても重要なことなのだと思う。エビがダンゴから抜けて小さくあたったあとのテンション管理、穂先に重みを感じるが離さない程度のテンションを保つ聞きアワセからの本アワセなど、かなり楽しかった。

空振りも含めると120回くらいはアタリを体感したわけで、これまで見逃していたアタリをわかりやすくするにはどうするのか、どのタイミングであわせたら釣れるのか、を学ぶのに絶好の一日だった。

古来から楽しまれている浜名湖のチンタ釣りの妙味と、かかり釣りスタイルの魅力がシンクロする、素晴らしい釣りができて大満足!

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