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名古屋港の魚って食えるの?【2017年11月版】

たぶん、かなりの人数が興味を持つであろうこのテーマ。とりあえず食ってみる、がポリシーの私は果敢にもチャレンジしています。2017年11月現在、月1程度までのめやすで名古屋港(9号地~天白川河口、貯木場など)の魚を食べていますが、今のところ健康には問題なく、むしろ普段の寝不足とか不摂生のほうが重大な問題であります。

ここでこれまでに筆者が食べた名古屋港の魚についてレビューをしますが、個体差、環境の差、調理法、色々と条件はあるのであくまでも参考であり、味という極めて主観的な感想なのでそこを御理解の上、参考程度に楽しんでいただければ幸い。

ハゼ:木曽三川が最上は間違いなしだが普通に行ける

あまり専門に名古屋港でハゼを狙ったことはない。木曽川のほうが自宅からのアクセスが良く、気分のいい釣りができるからというのがその理由。貯木場はハゼでも有名なポイントであるが、ハゼ釣りでキャッチアンドリリースというのもあまり聞いたことがなく、比較的多くの人が食べていることが予想される。実際、普通に美味だった。ハゼのライフサイクルが短く、釣れる魚も1歳や当歳魚なのでヘドロや汚染の影響を受けにくいのだろう。筆者はいいハゼが手に入ったら、3匹ほどを刺し身にし、もう5匹ほどをさっと湯がいて酢醤油で食べる。残りは唐揚げだ。刺し身と釜揚げ酢醤油は釣った日の特権。酒を煽りながら、これをつまみつつ唐揚げを作るのである。

セイゴ:普通にうまいがたまーに外れがある

名古屋港晩秋の風物詩、セイゴ。特に違和感なく、普通に刺し身や焼き物、揚げ物で美味しくいただけるが、以前ボートから湾奥のタンカー埠頭で釣ったものは油臭いものがあった。やはり、木曽三川を遡上して居着いているものや、知多半島先端で釣れる湾岸を回遊しているものなどが間違いないが、9号地だったらもれなくまずいかというと、決してそんなことはない。普通に焼き物でうまい。近隣で最も美味なのは木曽川に居着いてエビやハゼ、落鮎を食っている個体で、これらは幅広で身がよく締まっている。ちなみに、流石に日光川河口などで取れたものは筆者にも手が出ない。

コショウダイ:絶品だった(トライまだ1匹のみ)

9月下旬に潮見橋で前打ちやっててコショウダイ50センチオーバーという、筆者には珍しい大物が釣れた。ドラグのないフライリールでのやりとりはそれはそれはスリリングで、いつまでたってもスタミナがつきないコショウダイの強烈なツッコミは最高の釣り味だった。ギャラリーにタモ入れをお願いするが、なかなか魚がバテないのと、重たいのとで頭を出すのが大変だった。さて、このコショウダイ、イサキの仲間だそうで、食っているものはエビや虫類だそう。これだけ大きいと悪い油が詰まっているかもしれないと思いさばいてみるが、身はきれいなピンク色の血合いと爽やかな白身だった。肉厚で、刺し身、漬け、スパイスをまぶしてのポワレ風などとことん楽しめた。全く臭み成分を感じず、脂っこすぎることもなく、程よい爽やかな後味だった。また食べたいが狙って釣れるほど釣れるものだろうか。ちなみに兜焼きも試してみたが、これは喉元やエラなどを洗ってもくさみが残ったのでパスした。

アナゴ:文句なしにうまい

夜にフカセ釣りをやったらなんかサバとかも釣れんじゃねと思ってやってみたらオキアミに連発してきたアナゴ。普通にさばいて煮穴子を作ったが、柔らかくて絶品だった。回転寿司のアナゴなどより遥かに美味いので書くことがない。秋は比較的簡単に釣れるようだ。ハリはチヌ針でも釣れたが少し小さめにしたほうが良さそうだ。

タケノコメバル:普通にうまいけど血抜き必須

タケノコメバルもまたかなり美味な部類の魚で、日本海の魚に何かと軍配が上がりがちな釣魚もこれは伊勢湾に多い魚で、思ったより個体数が多く手軽に釣れるのでもっと注目されていい魚である。日間賀島などは魚影が濃く最高だ。これも特に地域で大きな差を感じたことはない。食べるなら、まずエラを切って血を抜いておくことで臭み成分の心配がかなり無くなる。20センチ程度のサイズでも面倒がらずにちゃんと締めることが大事だ。焼いてよし煮てよし。唐揚げもいい。一番旨味を感じて無駄のない食べ方は煮付け。刺し身は少々歩留まりが悪い。貯木場や9号地で釣れたものも普通に食べているがいまのところ箸を置くことはない。ちょっと濃い目に炊いてもいいし、鯉こく風に赤味噌で煮込んで山椒を振るのも美味い。逆に、アラや切り身などを一口大にしてすまし汁にしてもいい。ネギが合う。

キビレ:小型は何をしても美味いが大きいのは…。

キビレはこの地域でも最近注目されているターゲット。ルアーでも気軽に狙いやすいというのが大きいだろう。筆者も去年くらいからキビレを釣る機会が増えた。やはり平たい魚はファイトが楽しいのだ。このキビレ、秋から釣れる落ちの時期のものは手のひらサイズから30センチ位までのもの、これは刺し身でも焼いても揚げてもうまい。ややワイルドな風味はあるが、いい意味でタイ科の味。チヌよりも美味いと評する意見も多いが、筆者もそう思う。エサがイガイよりも甲殻類や多毛類に寄っているのが理由として大きいのではないだろうか。薄切りにして湯通ししたものをよく冷やし、酢味噌、ポン酢で食べるのがおすすめだ。

ちなみに春先に釣れるものは今ひとつ駄目な個体が混じっており、特に40センチを超えるサイズのものは釣り味最高ではあるものの味は残念極まりない。さばいてみるとものすごく脂が乗っているが、臭い。薄切りにして湯通ししてみたが、食べるそばからしつこいエグみがありすぐに胸焼けした。たまたまハズレを引いたのかもしれないがおすすめできない。

チヌ(クロダイ):夏のチヌはぶよぶよ

この記事のトップ画像は2月に知人のボートから知多の発電所からの流れ出しポイントで釣らせてもらったクロダイである。これは実に美味だった。顔つきをみてもらうと分かる通り、夏場に落とし込みで釣れるイガイ食いのチヌとくらべてマイルドな表情である。死んでるけど。これは食性の違いによるものではないかと思うのだがいかがだろうか。イガイを食っているチヌはもっと顎がいかつい。で、そのイガイを偏食するような真っ黒いチヌ、これは身がしまっておらず、足がやたらと早い。身にうまみもない。刺し身でトライしても味がなく臭みが先にくる。結局薄く小麦粉をまぶして唐揚げ風にし、とろみを付けたピリ辛あんをかけて中華風あんかけにしたところ無難に食えた次第。敦賀で釣れるチヌは夏でも美味いと思うのだが、あれは塩分濃度が濃く、マキエのオキアミやその環境の餌を食っているからであろうと思う。やはり食性が湾奥の泥を吸い込みまくるイガイに偏るとよろしくないように思う。ただ、個人的にデータがまだ足りていないので、チヌをもっと釣らせてほしいなと思います。

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