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ブリームゲームとかいう声に出したくない日本語

今日は個人的な愚痴なんで同感できる人だけ読んでいただければそれで結構でございます。

もともとクロダイの仲間は温帯の各地に存在するから英語名も当然あるはず

ブリームゲームとかいう謎ワードが最近広まりつつある。昔少しだけ英会話に通っていた頃、趣味は釣りだというと、先生がどんな魚を釣るんだ、というから、写真を見せたら「sea bream」だね、と言っていた。グーグル翻訳でもタイと訳された。おそらく、チヌの亜種というか、北米とかオーストラリアとかではあの手の魚をまとめてsea breamと呼ぶのだろうと思った。つまり、ブリームゲームとは、まあ、いわゆるチヌをルアーで釣りましょう、ということだろうと。シマノあたりが仕掛け人らしい。ぶっちゃけて言えば猛烈にダサいと思っています。一転、「チヌ釣るやつ」とか「チヌボンボン」、あのへんのネーミングセンス好きよ。

筆者はこのなんちゃらゲームという言い方がもともと「魚と対等感がない」から嫌いな表現であるが、幸い周りには「俺最近ボトムをトレースする感じのブリームゲームにはまっててロッド新調したんすよ」みたいな人はおらず、まあいわゆるブリームゲームというものをやっている釣友はいるけど「チヌ釣れないかなーチヌ釣りてえなー」と連呼しているが決してなんちゃらゲームとかなんちゃらイングとは言わないw

ところで、シーブリームと呼ばれる魚についてちょっと調べてみた。

Red seabream -wikipedia

In Japan, Pagrus major is known as madai (真鯛, or “genuine tai”) and is prized both for its flavor and for its traditional use as an auspicious food often served at New Year’s and festive occasions such as weddings. In Korea, it is known as Ch’amdom (참돔). Pagrus major is also the most commonly eaten fish in Taiwan. This fish is grilled over charcoal or wood fire in Spain and known as “besugo”. It can also be served with buckwheat groats.

Also a closely related fish known as Pandora in the eastern Mediterranean.

日本や韓国、台湾における真鯛について言及されている。Red seabream、まさに赤い鯛。真鯛である。スペインでも焼いて食うし、近縁種が地中海にもいますよ、とのことだが、たしかにスペイン料理とかのテレビ番組で見たことがある。スペインではベスーゴと呼ぶのか、勉強になった。

ではクロダイはどうだろう。そのままblack seabreamで検索してみる。

Black seabream -wikipedia

リンク先の記事に掲載されている魚はどう見てもクロダイではない。たしかに、タイ科であることには違いないだろうが、、、、日本にはいないタイプの魚だ。

しかし、画像検索ではぼちぼち我々が認識しているクロダイの画像も上がっている。

ヨーロッパで認識されているBlack seabreamはアジアで釣れるクロダイと比較して口が小さく、おそらく食性なども多少貝類より甲殻類多毛類に偏っているのではなかろうか。調べようと思えば調べられるだろうけど英語苦手な素人なので知らん。

じゃあアメリカではどうやねん、チヌ

Porgy fishing -wikipedia

Porgy is the common name in the US for any fish which belongs to the family Sparidae. They are also called bream

Googleネーチャンに発音させたら「ポーギー」だって。チヌ類=ポーギーということで、ブリームとも呼ぶけど、みたいなことだろうか。んで、読み進めていくと、確かに鯛類がぞろぞろと出てきてそれぞれの生態や釣り方などが書いてある、ちゃんとは読んでないけど。

で、いかにもチヌ、キビレに近い魚が登場。Southean black seabreamという項目がそれだ。海水でも淡水でも釣れるって書いてあるし、かなりチヌライクじゃないですか。画像めちゃくちゃ小さいから別のところを参照してみる。

Southern black seabream -google

ああ、チヌですねえ。やっぱり太平洋沿岸なら洋の東西を問わないのね。微妙に違ってたりするんだろうけど。キビレそのものなやつはおいておいて、クロダイっぽいやつも微妙に色合いとか口の大きさとかが違う気がするね。オーストラリアにはキビレそのものじゃんってのがいて、Yellow fin sea breamという、そのまんまの名前で呼ばれております。イエローテールだと、ブリとかヒラマサとかだった気がする。オーストラリアに行く機会があればぜひ前打ちタックルを持ち込んでみたい。

シーブリームってなんでシーがつくの

ということで、まあ鯛類がシーブリームと呼ばれるということはまあ間違いないわけであるが、じゃあ、なぜseaなのか、と言う疑問が残る。

これについては、ヨーロッパにBreamという淡水魚がいるんですよ、という話で終わってしまうのだ。以前Breamってなんやねんて思って調べた時に知った。

Common bream  -wikipedia

ウィキペディア何度目だよ寄付しろよって怒られそう。

分類上はウグイに近いコイ科の淡水魚でございまして、ユーラシア大陸の各地に亜種がいる。フナにも一見似ているが、フナはフナでヨーロッパブナというのがいる。日本の魚だとワタカあたりに似ているだろう。大陸なのでこのような肉付きの良い魚が育ちやすい環境なのだろう。

横文字信仰の時代はとっくに終わっているものと思っていたのだが

これにパット見ちょっと似ているから、Sea breamなんだな、ということで、それがだんだん転じて我々がスズキをシーバスと呼ぶほうが通りが良くなってしまった感があるのと同じように、単に鯛類もブリームと呼ぶようになったのではないかと思う。

なので、ブリームゲームという言葉自体は、掘り下げてもそんなには間違っていないのであるが、日本で進化した釣法なのだからチヌゲーのほうがまだ理解できる。日本語+英語の造語も大概洒落てないが、概念としてやむを得ないことだって少なくないことはわかってる。サーフなんて言葉はシロギスの投釣りの世界では昔から言ってきたわけだし。しかしわざわざ和製英語を新造してニュースタイルですよというのは、相当アレだなと。メバル釣るにしても、キャロライナフロートを沈めウキと言ってみた時点でしょっぱい釣りに見えるみたいな、そういう情けない横文字信仰、もうやめませんか。もともと英語のものはそれでいいんだけど。ルー大柴みたいになるぞ。シン・ゴジラの石原さとみみたいに一人だけ空気からポーンと浮いて悲惨なことになる。

 

ところで冷え込んできて前打ちでは釣りにくい時季だ。今年はチヌルアーを投げてみようかしら。なんだかんだで、チヌをルアーで釣るという引き出しが進化しているという状況はすごく好ましいことだと筆者は思っていて、ここ数年での進化はキビレの再評価にもつながり身近な港湾部の釣りを面白くした。都会の海のあり方について考える人が一人でも増えればとてもいいことだし。

今度いい「シーブリーム」が釣れたら、インスタグラムとかにポーギーキャッチしたぜーとか英語で書いて海の向こうからの反応を伺ってみようかしら。

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