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ヘラブナ釣り人口減少を食い止める当事者感覚の重要性2

ヘラブナ釣り人口減少を食い止める当事者感覚の重要性1」の続き。

はっきり言って、へらぶな釣り師がぼやいている「人減ったよなあ」は所詮他人事である。その釣り堀が消えるのは嫌だけど投資しようとか経営を引き継ごうとかそういう人は稀である。自分が引退するまでやれればよいのである。正直私も1釣り人としてはそうである。自分が死んだあとのことは知らん。自分が死ぬまでくらいならトライしたいが自腹切ってまでやれるかと言われるとそこまではできない。ニーズがなければ続かないのはある意味当たり前だからだ。そうでなければ補助金とかで文化保護などしなければならなくなる。そこまでの価値を世間が認めるかどうか?だから、ニーズをいかに掘り起こすか、という話になる。

ウェブ使って宣伝は今のマスト戦略。ただし全然できてない

そして新規の人を呼び込むには、今の時代インターネットという手段を使わない手はない。ところがこれがヘラブナ業界の弱点そのもの。めちゃくちゃ弱い。ありえんくらい弱い。そして釣具店という貴重な接点がへらぶな釣りに誘導する仕掛けとしてほとんど機能していない。これも業界がマーケティングに超弱いことの一例だ。

まずユーザーたちが情報発信していない

何が弱いかって、まず釣り師がSNSで情報発信していない。いや、してるんだけど、伝わってない。本記事執筆時点のInstagramタグで「ヘラブナ」は1万件。「ヘラブナ釣り」は7000件あまり。なお、「バス釣り」は90.6万件。「メバル」は15.1万件。「エギング」は34.5万件。「チヌ」は9万件である。いや、チヌも思ったより少ないな、これw

Instagramは若者しかやってないからだ、という反論もあるでしょうが、下記リンクの国内のInstagramユーザーの年齢分布を見ると実は20代より40代、50代のユーザーがそれぞれ5%ほど多いというデータがある。もちろん世代間の人数差もあるので、利用率でいうと20代の48.8%に対して40代は30.4%と大きく下がるが、絶対数でいうとむしろおっさんたちのほうが多いのである。

このデータを見ると、単純に世代の差ではなく、ジャンルごとのユーザー数の差と発信力の弱さの両方が課題としてあるのではないかと思うのである。

それぞれのジャンルのもつもともとの人口の差と、各SNS利用者の差はあるが、もともと少ないSNSユーザーヘラ師はそれに輪をかけて発信力が弱いと推測できる。ブログも検索にかかるように工夫するとかやっている人は少ないと思われる。逆に若年層が多いジャンルはブログの収益のために検索エンジン対策を駆使してうまくアクセスを増やそうと努力している人も多い。

しかしヘラブナ釣りのブログでアクセスを稼ぐのはごく一部。しかも総数自体が少ない。というか、全体的に内側にこもったコミュニティを形成している。つまり、現状でユーザーによるシェア、拡散に期待することは難しい。

事業者のウェブマーケティングはどうか

今年に入ったあたりから管理釣り場のウェブサイトもちらほらリニューアルされている。ようやくスマートフォン対応し始めたという感じだ。しかし20年前のスタイルのままになっているところも少なくない。

確かに、ウェブサイトを全面リニューアルしてきちんとコンテンツ作ろうとしたらお金がかかる。例えば私がやったらサイトを作るだけで30万円から、コンテンツや戦略の部分まで首を突っ込むなら年間を通して顧問料を別に頂戴することになる。もっと高い所も多い。

そういうわけで広告宣伝費に年間うん十万円をかける事ができない台所事情もあるが、まず情報発信の重要性に気づいていないか、できないのではないか。実際、おそらく結構なお金をかけてリニューアルしたサイトもほとんどは「すでにヘラ釣りをしている人」に向けた情報しか載っていない。

写真もドヤ顔のおっさんばっかり。めちゃくちゃ損していると思う。でもこれを塗り替えるのはすごく大変な作業でもある。真面目に考えると顧客も巻き込んで色々施策を打つことになるからだ。うちもただでは責任とれんしやりたくないw

おっさんに罪はないが、難しい顔したおっさんがスライドショーでバンバン流れてきても楽しそう!という感じにはならない。おっさんに罪はないけど。USJのCMのラスト2秒を思い出してほしい。あれが答えじゃなかろうか。嘘でもいいからあの表情くれよ!!!!

必ずしもファミリー層に全寄せしろと言っているのではない。楽しそう感が伝わらないのである。業界全体が楽しそうという雰囲気を出すのが不慣れなだけである。

メーカーはどうか。各メーカーも若者を取り込みたくてデザインを変えてみたりしているが、中途半端にポップになっただけだったり世界観を表現しきれていない。正直そういうデザイン云々より釣り場の雰囲気とか釣りの魅力の伝え方の問題のほうが大きいんじゃないかと思う。なかなか周辺小物のデザインは垢抜けない問題があるけどそれはまた別の話だし釣りの魅力からしたら些細な問題かもしれない。

大手メーカーも、トーナメントシーンにウェイトを置いていて、たまに思い出したように入門者向けのコンテンツを出したりするが、メーカーの立場からすると「今存在する熟練者」が一番売上につながるのでそこの食い合いを続けているのではないかと感じる。

ヘラブナ釣りクラブの情報発信は

一部の大型クラブ、若手中心のクラブはある程度検索に引っかかるが、中京では。。。。チーム名を知っててもなかなか検索に引っかからない。もしかしたらジオシティーズ終了で15年選手のサイトがバタバタ消えていったのも効いているかもしれないけど。

ということで逆に言えば、ヘラブナの釣りクラブがネットで新規メンバーを募集したいと考えるなら今の所きちんとしたウェブでの募集体制は完全手つかずのブルー・オーシャンである。もちろんマーケットは超小さいが、地道に取り組めばほぼ間違いなくなにかしら小さな成果は出るだろうと思っている。

思うけど、私はこれを書いている時点ではどこのクラブにも所属していないし、今のところは入る予定もないので、そういう作業をしていない。しかし、ヘラブナ業界を盛り上げたいと考えているなら、検索されるコンテンツを作っていく、というのも一つの貢献のカタチだろうな、と思う。

ヘラブナ業界を盛り上げたいという動きがスマホで観測できる環境を

業者も団体も界隈の外からの見え方にもっと目を向けてみてはどうだろうか。界隈の内部ではものすごく濃密なネットワークが存在しているのだが、外から見るとそれは全く不可視と言ってもいいレベルだったりする。You Tubeでもヘラブナ関連の動画は増えてきたが、SNSやブログは依然として「対世間としては」弱い。とりあえず始めてみるか、のハードルが比較的高い釣りであるゆえに、どんなに楽しいかを見てもらえる機会をもっと増やす必要があるように思う。

普段のコミュニケーションが外からも可視化されるような環境だと、なんだか楽しそうだな、という雰囲気になるかもしれない。Twitterなんかは割とそんな感じになっているが、これを他のSNSでも展開していくと少しは変わるかもしれない。

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