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浅ダナセットの発想の転換とその魅力

浅ダナセットこそ、巷に攻略法が多々出回っていて、またこれを理解し実践し釣果に結びつけるのは難しい、と思われがちである。私もそうだった。というか、相変わらず難しいのではあるが、その難しいの感覚は別の釣り方に比べて特別難しいのかというとそういうわけではない。やはり、食い渋りに強い釣り方であることに変わりはない。

それより、最適解になることが多くなりがちな浅ダナセット釣りを「安直」とか「最短ルートでつまらない」といった評価をする人もいることが気になっている。実に残念である。面白さをどこに見出すかはそれぞれ違うとしても、決してこれはつまらない釣りではないと思う。

バラケの広がりに対してヘラブナが入ってくるポジションにドンピシャのタイミングで食わせを送り込めるセッティングを探っていき、それを成立させた時のチクっとした馴染み際の微細なアタリ、あるいは馴染みきってワンクッションおいてからのズバッと消し込むアタリ、いずれも乗った時の「正解を導き出した」気持ちよさは格別だ。

西の森ナイターで浅ダナ抜きセット。2021温泉前(中央)、ひだ池(奥)両チャンピオンに早釣りで勝ってドヤ顔 なお例会では毎月完全に息の根を止められている模様

とはいえ、あまり難しく考えなくていい

どの釣り方も、最初はシンプルに考えたらいいと思う。より釣りたくなったら、より細かい点を気にしていけばいい。

基本はしっかりバラケをなじませてから抜くこと。そしてできるだけピンポイントに同じ場所にエサ打ちをすること。春秋は下ハリスを30~45cm、これを基準に夏と冬はそれぞれ縮めたり、伸ばしたりすること。バラケの配合がどうのこうのと悩むより、影響が大きいのは適切なハリスの長さでやっているか、ということのほうだと思う。バラケの配合はさんざんレシピがあるので、その中でもベーシックなものを考えていればいいだろう。よっぽどハリスの長さがおかしくなければ、それの付け方、抜き方の範囲という細かい調整でカバーできることが多い。そのうえで、これもまたより細かいチューニングが必要なら段階的にそうしていけばいい。

みんながみんな、人のバラケの配合を質問して回っているから、勘違いしてしまいやすいけど、裏書きどおりに作って後は仕掛けのセッティングで最適解を導き出す訓練を重ねるほうが色々わかると思う。その上で配合にアレンジを加える必要性を感じたときに実際にやってみればいい。裏書きのレシピはなぜその組み合わせなのか、を考えながら釣りをするとさらにいいと思う。

ダンゴで釣れる地合いにセットは難しい?

夏場のようにヘラブナが水面下に湧いてくる状況。こういうときはダンゴのほうが釣りやすいと考える人も多いようだ。しかし私はそれでもセットで釣り続けることがある。もちろんバラケを食うことも多々あるがそれでいい。そんなときはどっちみちハリスは段差15センチ程度だし、たまたま寄ってきた魚がどっちを吸い込んだかの誤差に過ぎないと考えている。無理に上下を分離しようとするから難しくなるのだと思う。それに、そういう状況でバラケを食うヘラブナは強烈な消込アタリが多く、上がってくる魚体も大きいことが多い。結構これがオイシイのである。

ハリスが30センチ以上になってきたときはまた別だ。こういうときはできるだけ下ハリスに食ってくる状態に向かって調整したい。逆に、ずっと上を食ってくれるならそれはそれで好都合で、ハリスを詰めて馴染み際のアタリに集中しやすいことになる。どうやったってヘラブナが遠巻きになるから、下のハリスを伸ばしていくのだから。

向かい風のときは穂先とウキの間の道糸のテンションに特に気を配る。手持ちにしてテンションを管理するとカラツンが減る。

バラケとヘラブナの距離感

年末にこのテーマについて色々考えていたら、全部答えが江成さんの過去記事に載っていた。なぜハリスワークが必要なのか、ウキから何を読み取るのか、これはバラケとヘラブナの距離感を見破ることに意味がある。これは食わせがヒットゾーンに入ってくるタイミングとか、バラケの沈下タイミングとか、そういう部分を修正していくために重要な情報である。

ただハリスだけを伸ばせばいいのではない。ただバラケの配合だけを変えればいいのではない。その日のヘラブナはどうやってバラけにアプローチするのか、を見破ることが大事なのだと最近考えている。3月からは春の底釣りが楽しいと前の記事に書いたが、同様に日ムラの中で正解を見つけ出す浅ダナセットの釣りも楽しみなシーズンである。

そんなときに私のメインウェポンになるロッドはダイワのヘラS。メーカーラインナップ中最も硬調に位置する竿だが、しっかり曲げてやることができるし、振り込みのしやすさは段違いである。軽いこともさることながら、シャキッとした調子故に、微妙な誘いやラインテンションコントロールもしやすい。短尺での「駆け引き」にすこぶる適した竿で、チョーチンにも使いやすい。

転勤でしばしのお別れになってしまった牌派2号さんもセット釣りのときはこれを繰り出すことが多く、それを見て憧れて買ったシリーズでもある。

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