先日南伊勢で釣れたヒブダイ。釣れた瞬間のイエローにセルリアンブルーのマダラの入ったケバケバしさに若干引きつつも、ブダイの顔してるからきっとうまいんだろう、でもブダイ食ったことないな、などと思いながらスマホで「釣魚web図鑑」にて調べる。無事ヒブダイと同定され、味も良いということなので持ち帰ることになったが、これは大晦日年越し飲み会の席に持参することになった。
ブダイの仲間ならグレと一緒に熱を加えて食べるのが良さそうだ
ちり鍋という線も考えたが残念ながら肝心の量が足りない。そこで、筒切りにしてソテーあるいは唐揚げが良いだろうということでとりあえず塩をした状態で持ち込んだ。

左のアルミ鍋に放り込んでいるのがそれだが、黒いのはグレ、赤いのはヒブダイである。見た感じ、肉厚の白身で美味しそうだがいかんせんヒレとか皮の色がトロピカルで微妙だ。友人たちは引くだろうと思っていたが、予想に反して「いやいや美味しい魚らしんでしょ、楽しみしかない」といったリアクション。こういう人たちに振る舞える環境があるというのは実にありがたいものである。
早く酒飲みたいからヒブダイの調理は亭主に任せる
さてどうやろうかね、と相談していたが、会場提供者が「せっかくアルミ鍋に入ってるしにんにくバターじょうゆでホイル焼きにするか」とナイスな提案。再利用禁止のレリーフも虚しく、アルミホイルの落し蓋をして酒、にんにく、バター、醤油で炊き上げる。これは料理好きな彼に任せておいた。
これが正解だった。驚くほど食欲をそそる香りに、ふっくらと炊きあがったヒブダイの切り身はいかにも美味しそうだった。

あえて生前を彷彿とさせたく、お顔も一緒に炊いたがいい出汁が出たようだ。
朗報:謎の磯魚盛り合わせ、一瞬でなくなる
会場には知り合いの知り合いまで含め8人ほどが集まっていたが、誰一人、スーパーマーケットではあまり馴染みのない魚の組み合わせであるにもかかわらず、一瞬で持ち去っていったw
私もヒブダイを半切れ食べたが、全く癖も嫌味もない良質なプリプリの白身で、あまり繊維質すぎないため身切れもよく歯ごたえの良い魚だった。これはかなり美味しい部類の魚に入れてもいいと思う。沖縄では人気があるというのもうなずける。食べ方で非常に参考になることでおなじみの「ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑」でも刺し身から蒸し物、焼き物、洋風料理まであらゆる方法が推奨されている。鱗も大きく剥がれやすいため、調理も非常に楽な部類になる。もし釣れたらぜひ、見た目にビビらず試してみてほしい。
なおグレ
グレはあらの部分が残ったので少し食べたが、やはり若干のワイルドさは残っていた。血抜きに微妙に失敗したような気もするが、仕方ない。箸が止まるようなものではなかったが、友人たちいわく「確かに言われてみれば。。。」くらいのもので、これは魚の個性の範囲ということで良さそうだ。蒸し物だとそのへんのごまかしがあまり利かないのでその点は留意されたい。
コッパグレの場合は揚げ物やソテーなど油を使って香り付けもするような調理法が良いだろう。