2021年4月17日

餌の知識を制する者が釣りを制する

最近はルアーしか経験していない釣り師とも出会うことがある。それで、実際に釣れているかというと、ムラがあるという。どんな釣りでも常に絶好調ということはあり得ないが、たとえば、シーバスゲームが面白いらしいということで道具一式そろえてエントリーしてみたものの、通えど通えど釣れず、9フィートの立派なシーバスロッドがチョイ投げロッドに変身したりタックルベリーに引っ越したりしていたり、釣れないのを承知で緩慢にキャストを繰り返している、、、なんてことはないだろうか。

あなたがルアーを購入する動機は何か

量販店に行けば、大量のルアーが並んでいる。で、ネットや雑誌、店頭POPでこれがいい、などということでついつい買ってしまい、実践投入するも今一つだった、という経験はないだろうか。タックルボックスを埋め尽くしていく二軍ルアーたち。

ここで一番やってはいけないのが、「このルアーは釣れない、こっちのルアーは釣れる」を商品ごとに決めつけてしまうことである。なんとかミノーだから釣れない、どこそこの鉄板バイブだから釣れた、は本質的な釣りとは程遠いと筆者は思うのである。

そもそもルアーに魚が食ってくる動機を考えたことはあるか

魚がルアーに食いつく動機は、捕食のためだけではなく、実は縄張り争いや自分のテリトリーに入ってきた異物の排除といった攻撃、そしていわゆる本能的な反射であるリアクションバイトなどが考えられている。それらを踏まえたうえで狙っているポイントの魚をどうやってヒットに持ち込むかをよく考える必要がある。

もちろん、開発サイドでどのシチュエーションの、どの餌をイミテーションしていて、だからこういう風に使うと釣れるよ、というようなプレゼンテーションをしているわけなので、それをきっちり守れば基本的には間違いないのだが、釣れないルアーマンほど、餌を知らないし、対象魚のことを知らない。もっというと、水面下の世界のことに興味がなさすぎる。たとえば、誰かに聞いて買ってみたけど使い方とかシチュエーションが間違っている、といったぐあいだ。

餌に詳しくなることが一皮むける第一歩

釣り具を売る側の理屈として、ルアー釣りは餌を触るのが苦手な人にも最適、という文脈があるけど、本当にそれでいいのかと思うことはある。だいたい、海でルアー投げてたら、本当によくわからない生物が引っかかって釣れてしまうことも少なくない。ホヤの仲間とか、ウミウシとか、「青虫ちぎった手でそのままおにぎり余裕」な筆者も触るのに抵抗があるようなグロ生物が釣れるものである。しかし、そういう引っかかってきたよくわからない生物について調べてみれば、その生息環境についてのデータが得られるわけだし、それでここは釣りに適したポイントかどうか、狙いは正しいかどうかを判断する材料にもなりうる。

青虫のような輸入餌であっても、実際に餌釣りで使っているとわかることが多い。とくにシーバスという魚は餌をぶら下げてもたいていの場合かなりセレクティブである。せこい餌のつけ方をするとまず食わない。極太でよく動くものをまるごとちょんがけにするか、レギュラーサイズの青虫を3匹ほどまとめて房掛けにして、よく動くように生きのいいものを選ばないといいサイズは期待できない。あるいは、完全に流れてくるハク(ボラの子)を食ってる群れは青虫を流しても見向きもしなかったりする。

ちなみにメバルでも同様に、動く餌にしかなかなか興味を示さない。これらの魚は夜は虫エサが有効だが、明るい時間帯はモエビのように動きと波動でスイッチを入れさせるような餌が効果的だ。昼間にメバルをルアーで釣るのにただ巻きではなくかぶらでボトムをはねさせたりしてリアクションバイトのような釣りをするのはそのためだと考えていい。

釣り餌に詳しい人は引き出しが多い

手持ちのルアーロッドでも一応餌釣りはできる。一度餌釣りをやってみてはいかがだろうか。青虫やモエビ、カメジャコ、カニなど、湾岸の釣りでは昔からいろんな餌が使われてきた。自分がよくいく釣り場で、どのような餌が効果的かを知っていると、その知識がルアーフィッシングにもフィードバックされるはずだ。たとえば海に放り込んだモエビがどのような動きをするのか、一度見てみるといいと思う。私のなじみの釣具店の店主もルアーしかやらない人だが、常々「いきなりルアーじゃなくてまず餌で基本を学ぶべきだ」と言っている。その魚のことに詳しくなることがいい釣りをするための王道なのだが、メーカーに踊らされていては釣りの本当の奥深さを味わうことなく、釣れない、釣れないということになってしまうのではないだろうか。

釣り場で出会うルアーマンで腕のいい人は、なぜ釣れたかを説明できる人たちだ。餌や環境についても一家言もっているものだ。釣れるかどうかは運しだいだとは口では言うけど、明らかに運任せではなく、釣れるべき時にしっかり釣っている。道具から入るな。自然と一体になるところから入れ!

食べるためにキープしたら、胃袋の中をチェックしよう

海の場合だととくにルアーフィッシングでもキープする人も多いだろう。もし食べるのなら、その前に必ず胃袋を切って中身を確認しよう。例えばシーバスの胃袋。普通にボラの子とかイワシのような小魚が入っていることもあれば、エビ、シャコ類もあるし、筆者がよく通う名古屋港のポイントではバチシーズンを除いてカニを腹いっぱい食べていることが多い。じゃあ、夜釣りでカニを使えば釣れるかというと、そういうわけでもないから臭いで食わせられるカメジャコや虫エサが強いわけだが。

岩ガニというのは、足をうまく使ってプルプルと泳ぐ。小型のバイブレーションはまさにこのシチュエーションを再現しているのではなかろうか。カニパターンという言葉もある。漁港で常夜灯の下を泳ぐカニを見かけることがあるが、あなたも見かける機会があればぜひ観察してみてほしい。

 

いうまでもないが、胃袋チェックは奥さんのいないところでさっと済ませることが重要である。

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