ようやくまとまった雨が降った。強烈な南風に勢いづいた大きな雨粒が雨戸を叩くと、ようやく天然魚狙いの渓流釣りが本格化する合図になる。
前回は昼過ぎの入渓でまだサビの強いイワナやアマゴがトータル10匹ほど釣れたが、渇水気味。そこから一週間がたち、ようやく当地の桜も満開に。いよいよ本腰を入れて釣り上がりに気合も入る。

萩原周辺は見事な桜が多い。写真は釣り場の横で撮影したが、ここは別に何箇所も有名な桜がある。なかでも「岩太郎の枝垂れ桜」は必見だ。実際に見てほしいので、あえて写真は載せない。ちょうどこの日は下呂界隈の桜がピークを迎えて、天気も抜群だった。翌日からはまた春の嵐。この日に休みが取れたことは幸運と言える。
さて、前日までの仕事で、というか、最近はまた変な時間に仕事に没頭してしまうなどして睡眠のタイミングが狂っていて、それでいてサラリーマンのようなスケジュールの仕事もある。当日の朝はやたらと体が重く感じて、出かけるのをやめようかとギリギリまで迷うくらいだった。しかしこのタイミングを逃すと天気によっては4月は良い釣りができないかもしれない。いくしかないのである。やや出遅れたが仕方ない。
1つ目の渓流は増水していてポイントが少ないがここぞのポイントで良型
開けていてイージーなポイントには先行者がそこかしこにいて、それを見送ってずんずんと奥に車を走らせる。あれは成魚放流狙いである。しかし水量を考えるとあのポイントがこの日においては釣りやすい数少ないポイントと言えた。
早速水のやや淀んだところでキンパクを探す。水量は20センチ高い。だからうまく虫が見つからない。普段水没しないところを探ったところで採れる量などしれている。落ち葉が堆積しているところをしつこくガサガサすると、僅かなキンパク、ある程度のピンチョロ、そしてヤゴが見つかった。これと先日の残りのブドウ虫でなんとかやりくりするしかない。
もっと水温が高ければチャラ瀬でも出るだろうが、まだそんな水温ではない。しかも水圧が高い。これでは釣りにならない。したがって狙うポイントは水量があり流れにある程度ブレーキが掛かっているところに絞られる。
この川では倒木やボサが多く、最初からちょうちん仕掛け一択である。しかも結構ショート。竿5.2メートルに対して全長一ヒロである。これにガン玉2号でやや強めに沈めにかかる。深場では躊躇なく2Bをつける。とにかくラインが表層の流れに引かれない程度のラインテンションをおもりで作ってやらないといけないのだ。
まずひとつ落ち込みで、幸先よくイワナが出た。目印は横走り。しばらく送ってからあわせる。

ここぞのポイントは手前足元に倒木、頭上にも倒木。一撃必殺!
ちょっと釣り上がったところで大きめのプールに行き当たる。上下を倒木に挟まれた先、ギリギリ竿が届くくらいのところにいい感じの流れがある。本当はその奥が本命と思われたが、まずここをやっておかないといけない気がして、親指の爪大のヤゴを餌にして流れに差し込んでいくと、目印どころか、穂先がぐいっと入った。

水色に輝く流れの中に浮き上がるコッパーレッドの違和感。これは普通のアマゴじゃないぞ、良型だ!しかし取り込みが難しい。
流れに乗られたら糸が枝に引っかかる。しかし同じく枝が邪魔で抜き上げることもできない。落ち着いて魚を流心から剥がして竿を畳んでいく。ある程度畳んでから魚を抜き上げ、まず手前の倒木を越えさせる。しかし手元でキャッチするにはまだ竿が長い。一旦魚を流木の手前の水中におろしてまた竿を畳む。
こうしてこの日一番の美形アマゴをキャッチした。精悍な顔つきがたまらない。

その後釣り上がっていくが、ちびしか釣れず、餌も切れたので早めの退出。昼食をとり、午後の作戦を考える。
この日の昼食もデイリーヤマザキの半ナマ焼きたらこ、野沢菜のおにぎり。大きいとはいえ一個300円近くするのでまあまあ高いと思うが、おいしい。同じおにぎりを買うなら少々値が張ってもコメと具の味がワンランク上のこれが釣りのときには嬉しい。普通のコンビニおにぎりは仕事の日に散々食べてるから。。。
タンパク質としては、奮発して明宝ハムの「とんこ」を買ってみた。塩分がしっかりあるので、夏場に良さそうだ。鮎釣りのお供にいい感じだ。
それにしてもソーセージ1本、おにぎり2個で1000円か…。インフレだからこそ、自分も稼がないといかんな、としみじみ思うなどした。
午後は意外な川へ。やはり釣れる条件は同じ
午後は三面張りの、これといって特筆するような点のない穴場というか、見過ごされそうな川に入る。ここは日頃水量が少なくあまり期待していないところだが、この日はちょうどいいのではないかと思った。
しかし、渓相が三面張りかつストレートなので流速がとにかく早い。これは読み間違えた。両岸はすすきの枯れ草が密集していてとにかく歩きにくい。かと言って川の中も水が高くて足元が見えず危ない。
どうにかこうにか遡行しながら、ときに転びつつ、ちびアマゴを拾っては放しを繰り返して進む。
やがて、ようやくここはいいぞ、というポイントに到達。ブドウ虫で流心を流していく。上竿からそのまままっすぐ、下竿になるまで送っていき、送りきって餌が浮き上がっていくだろう瞬間に目印が浮かなかった。これは食ってる!
ということでこの日2匹目の納得いくアマゴが出た。

おそらく、下っていく餌を追いかけていって、ブレーキが掛かった瞬間に食ったのだろう。目印には本当に僅かな違和感しか残さなかったが、2メートルほどそのまま流してからヒット。
きれいに流せていたら、あたりも小さいし、食ったままだ。アマゴは即合わせしないと吐き出すということがよく色んなところに書いてあるが、必ずしもそうではない。ブドウムシのような大きい餌ならなおのこと、小さいあたりは様子を見て聞いた感触で併せても十分間に合うというか、そうしないと餌だけ返ってくる。違和感を与えずゆっくり食わせることも技術のうち、と言えそうだ。
かかり釣りの経験はこういうときにも役に立つ。
チヌでもそうだが、必要以上に渓魚を警戒心が高いとか、神経質すぎるように表現するのも考えものだとつくづく思う。もちろん近づきすぎてもダメだし、姿を見られないほうがいいし、餌は自然に流れることがマスト。しかしいうほど難しいものではない。竿のリーチを考えながら静かにアプローチできればあとは流し方の問題だ。
エサ釣りを始めて3回めの釣行だが、ルアーの時よりもむしろ接近戦になるので近づき方には一応より神経を使っている。
その後もう一匹17センチくらいのアマゴを釣って、この日は終了。次回は朝からエサ釣りをやって、昼からはルアーで大場所を狙ってみたい。





