2021年4月19日

今回は最近知り合った同い年の釣友と、釣り自体が初めてという若者を引き連れ、自分では数年ぶりの浜名湖に行くことにした。もともとは敦賀に行ってメバルを釣る予定だったが、今年の冷え込みが早く、滋賀県以北は雪で真っ白、命の危険すらある強行軍はありえない。そこで、次に考えたのが温暖な鳥羽方面。しかしこれも釣友の翌日の都合を考えると不可能。知多は不毛地帯なのでパス。初心者を連れていくなら足元の魚影が濃い場所に限る。

そこで最終的に考え付いたのが浜名湖である。風が強いことは予想されたが、師崎も条件は同じだろうし、浜名湖のほうがまだ魚影が濃いと踏んで、当日決定。急ぎ足なので三ケ日インターから浜名湖の景観を楽しみながら最短ルートのドライブ。

ここは筆者が小学生くらいの頃、よく父親に連れられてキスとかコッパグレを釣りに来た思い出がいっぱい残った海釣り公園だ。ちょうど、浜名湖の出口、太平洋との水道になる今切口付近にあり、500円の駐車料金を払えば快適な釣りができるポイントだ。この日もめちゃくちゃ寒いのに結構人がいた。

寒い浜名湖海釣り公園というと、筆者が中学生のころ学校に行くのが嫌になっていろいろ悩んでいて、そのころまだ健在だった祖父母と家族で早春の浜名湖に出かけたことを思い出す。

祖父は脳梗塞で倒れてから歩くのが難しく、本当に5センチ刻みでしか歩けなかった。そんな祖父の、最後の旅行で訪れたのがここで、アユ、フナ、イワナと釣りを愛した祖父が最後に竿を握った場所でもある。当時、釣りの知識も乏しく、しかも3月ということで魚は全くつれなかったけど、魚っ気のない海に緩慢とファミリーパックの竿を振っていた祖父はその時喜んでいたのだろうか。背が低かったので兵隊にはとられなかったが終戦間際についに声がかかり、本土決戦に向けて爆弾抱えてシャーマン戦車に轢かれる練習をしていたというが、その後は徹夜でマージャン三昧、バイクで黒部まで釣りに行く。仕事ではムードメーカー、頑固で派手を嫌う。そして短気だけど孫にはめちゃくちゃ甘かった。晩年は日本画もやった。どうやら祖父の人格は自分に見事に遺伝したようだ。釣り具メーカー勤務も経験し、いろいろ苦労してきたが、釣りでもたくさんの釣りを覚えて実際に釣れるようになったし、今、すごく話したい相手だ。昭和60年くらいに帰って、一緒に酒を飲んでみたい。未来の釣りはこうなってるんだ、って。

自分語りが過ぎた。あれから20年くらいたっても、ここ浜名湖海釣り公園はほとんど同じ景色だ。今はこうして新しくできた二人の友達を連れて、自分の足(クルマ)でここまでやってきた。なんだか、感無量である。

現地めちゃくちゃ寒いけど、とりあえず餌を買い込み

メバル狙いでやってきたため、エサは店がすすめる石ゴカイとモエビを一杯ずつ。初心者のために胴突き仕掛けも用意。筆者はいつもの前打ちスタイルで、釣友はルアーだ。ちょうど潮止まりの直前だったがファーストヒットはなく、潮止まりど真ん中になってしまう。しかし、しばらく待っていると潮が下がり始め、周囲でちらほらカサゴが釣れだしている。前打ちタックルでは風が強すぎて釣りにならなかったので、急遽タイラバロッドを持ち出し、胴突き仕掛けをセット。タイラバロッドは短いが、この釣り場にはぴったりだ。これからも足元の釣り場では使っていこう。。。

釣り方は単純だ。胴突き仕掛けはハリが2~3ほん枝分かれしてついているので、それに餌をつけて、堤防の際や捨て石の周りなどをテンポよく探っていく。浜名湖は流れが速くなるので、オモリは6号とか、8号くらいまでは必要だろう。風もあり、3号では少し底を取りづらい状況だった。根がかりしないよう、オモリで底を前後左右に細かくたたき、地形を把握していく。時々ずぼっと深いところがあるが、あまりガリガリした手ごたえがあるようなところは狭かったり、糸が切れやすいので避けるが、とにかく変化のある所は魚がいる可能性が高い。そして、着底したらテンションを張って、あたりを待つ。待つのはせいぜい1分くらいでいいだろう。そこにやる気のある魚がいれば食ってくる。3分も待っていたらエビも死んでしまったり魚に出会う機会を逃すので、また50センチくらい場所をずらして落としていく。想像してほしい。餌が漂い、においや動きを魚が認識して岩から出てきたり、遠くから近づいてくる。食っていいかどうかを観察する。透明度の高い海ではメバルやカサゴは立ち止まって少し考えている様子が観察できる。それで、エサだと認識してスイッチが入るのだが、大体1分くらいで一連の動作が終わると筆者は考えている。そして餌から半径1メートルくらいの範囲に魚がいればまず反応するのではないかと思う。待ち伏せ型の魚はスーッと寄ってきて、いったん止まってから吸い込んでくる。

今回も餌にモエビをメインで使ったが、夜釣りでモエビが使えるかどうかは先日の記事でも書いたとおり、安心していい。魚が近づいてくると、エビがぴちぴち跳ねる動きをするのが手に伝わってくるのでセンサーとしても役に立つ。この反応があれば、しばらく待ってみる価値がある、ということになる。

釣友が妙にオレンジがかったカサゴをヒット!そして自分には

まず釣友がやたらとオレンジみのある赤い良型カサゴをヒットさせる。しかしこちらはたまに当たっても小さなカサゴ。めげずにじっくりパイル周りに入れ込んで探っていくと、ゴツゴツっと竿先をたたくあたり。しばらく待って、きいてみるとしっかり食っている様子。そこで根に巻かれないように一気に巻き上げてやると結構重い。あれ、おかしいな、ずいぶんデカいカサゴかなと思って真っ暗闇の水面から引き抜いてやると、まさかの銀鱗!すわキビレかと思いライトを当てると、久しぶりのマチヌだった!これはうれしい!

小生、当面の目標が浜名湖に遠征してチヌを釣る、だったが、時期も悪いしメバル狙いで、と思っていたところうれしい外道だ。30センチにやや満たない程度ではあるが、食べるのならこれくらいがベストだろうというサイズでもある。それにしても、美しい魚体ではないか。いかにもうまそう。顎が異様に発達して黒紫に染まってプロポーションが崩れた夏場のチヌとは違う。三人テンション上がって俺も俺もと釣りにいそしむ。

さて、問題は初心者の彼である。要領よく餌のつけ方、探り方までおぼえたが、良型のあたりと思われたものを合わせそこなったのか、根に巻かれて仕掛けをロストしてからあたりがでない。このクソ寒い地獄コンディションで釣り初体験、これは相当根性が必要だ。無理はしないように、と言ってあるが、丹念にポイントを探って回っている様子は頼もしい。それから自分のポイントで一発あたりが出たが、乗らず、エサだけ取られた。すかさずそのポイントを彼に譲り、丹念に探らせると見事にヒット。

釣れてきたのは20センチを超えるよく太ったウミタナゴ。これはすごい。釣り初体験で爆風の真冬に見事にいい引き味の魚を釣り上げた。

ただしメバルはノーヒット

ぼちぼち、おなじみのカサゴも釣れるがメバルは全くつれなかった。年明けくらいに知多でも行くか。

三人とも厳しい状況下でまずまず「ちゃんとした魚」を釣ったので、五味八珍で空揚げ、浜松餃子、春巻き、あんかけカニチャーハン、好みのラーメンとコスパが素晴らしい一人千円のコースを満腹になるまで食べきり、大満足で帰路についた。

こういうシビアな環境の日に、試行錯誤を続けて頑張って末に初めて釣った魚はきっと忘れないと思う。一生の趣味へようこそ。これからも、祖父から引き継いだ釣りのDNAを伝承していこう。

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