延べ竿がじわりじわり見直されているような雰囲気を察知

90年代中頃、小学生当時の私は延べ竿を持って自転車で近くの小川に出かけると、「ルアーフィッシングの時代に延べ竿とかクソだせえwwww」とかクラスのクソ野郎にほざかれたもんだ。所詮小学生なので、トラディショナルなものよりハイテクなもののほうがかっこいいという価値観なので、そういうものだ。

で、現代でも釣具店に行けば、海釣り入門セットはたいていとりあえずのスピニングリール付きのちょい投げロッドが人気である。

そして、ガラスのショーケースに厳かに陳列されたハイエンドモデルのリールたちはどれも技術の粋を集めたマッシブな存在感を放ち、またメタリックな質感が男子心をくすぐるのである。

船釣りはともかくとして、堤防釣りでも当たり前のようにリールざおが用いられているが、波止釣りにおいての延べ竿はサビキ釣りや脈釣りでの小物釣りのイメージを持たれている方が多いだろう。そして依然として渓流釣りでは延べ竿が主流だし、へらぶな釣りも延べ竿であることはご存知のとおりである。今回はこの辺の背景を踏まえつつ、延べ竿の魅力について考えてみたい。

というのも、Twitterのフォロワーさんに延べ竿でアジ釣りを楽しんでいる人がいて、海での延べ竿釣りに興味をそそられたからだ。

延べ竿の特性について考える

延べ竿の弱点は、竿の長さの倍以上の範囲を探れないという点と、竿と仕掛けの強度の限界を超えるパワーをリールのドラグに頼ることができないという点が思い当たる。たとえば、ヘラ竿などはヘラブナのサイズとパワーに合わせて作ってあるので、特に8尺程度(≒240cm)の短い竿では60センチを超えるような野鯉がヒットしてしまったら耐えきれないことも多い。最悪の場合、手元からボッキリと真っ二つだ。そのため、ヘラ師たちは鯉が引っ張ったらあえて「のされてしまう」ようにしてハリスだけをできるだけ早く切断するようにしている。

延べ竿にはリールがない分だけ、ごまかしが効かず、また釣り上げられる魚の限界があるということになるだろう。

多分みんなが思っているよりタックルバランスさえ良ければ限界値は高い

しかし、ターゲットに合わせたタックルバランスが取れていれば、糸、竿が一体となって思いの外耐えられる限界は高い。一般的に40センチくらいのヘラブナを道糸1号に0.4号のハリスでやりとりするし、落とし込みでも1.25号でやりとりするがあまり糸を出さずに型モノのチヌを釣り上げる人はたくさんいる。私のようなサンデーアングラーでも1号ラインで40センチくらいのセイゴなら前打ち竿で糸を出すことなく難なくあしらえる。つまり硬調の渓流竿なら十分対応できることになる。万一、巨ボラやエイがかかってやり取りが長期化して不毛な状況になるようならやむを得ないがハリスを切らせればよいだろう。

延べ竿のメリットは何か

まず、一般的なリール竿よりも長さのバリエーションが有り、渓流竿やメバル竿なら8メートルくらいまである。長くなればなるほど扱いも難しく持ち重りもするだろうが、それ以上に前にあるポイントや藻の隙間、テトラの向こうに真上からダイレクトに落とし込めるというメリットもある。そして片手で一連の打ち返しが完結するため手返しが良い。特にポイントを直撃できる場合は根がかりのリスクも抑えられる。

また、仕掛けも非常にシンプルですむというメリットもある。この辺は落とし込みと同じだ。

そして、延べ竿の最大のご褒美といえば釣り味の良さだろう。竿全体が魚の動きを受け止める。ダイレクトに手元に返ってくる魚のアクションはなんとも心地よく、それなりのサイズの魚をかけたときはまさに「釣った」という手応えだ。そして、これは磯竿でも同じだが、長い延べ竿であれば竿全体がパワーを受け止めてくれるため、ルアーマンが想像するより遥かに細い糸と軽い仕掛けが使える。

延べ竿メバリングが流行っているらしい

最近は延べ竿のメリットを生かした延べ竿ルアーフィッシングがじわりじわり広まっているとか。たしかに、真上からアプローチしてピンポイントでじっくりとアクションさせられるのでショートロッドでキャスティングするより有利な局面は多々ある。それに、知多では昔から8m級の長竿でのメバル釣りは盛んだった。それを手軽なワームに置き換えたということだろう。

前打ち竿の弱点

リールはガチでフライ用のやつでドラグなんかない

あれだけ振り回していた前打ち竿だが、弱点が一つある。一旦竿を伸ばして仕掛けをセッティングすると、釣り場を変えるときに一旦道糸を切ってリールに巻き取り、ハリスは仕掛け巻きに巻いてしまわないと、竿がたためないのである。感度を高めるために前打ち竿のガイドはマイクロガイドといって、ステンレスワイヤーを丸めただけのごく小さいループになっており、チチワ結束すら通らないのである。振出竿なので、結局道糸はすべてリールで巻き取って竿をたたむしかないのである。そのため、ちょっとした移動では竿を伸ばしたまま歩く必要があり、場所によってはこれが地味にうっとうしい。

逆に、次のポイントに入ってからまたリールから道糸を繰り出し、竿を伸ばし、文字通り針の穴を通す様なガイドに一個一個自分が横移動しながら糸を通していき・・・ようやく5m分のガイドを通し終わったらチチワを作り、仕掛けを結び・・・そのたびに数分のタイムロスが生じる。夜なら作業効率も悪い。

延べ竿なら、竿に取り付けた仕掛け巻きを使えば仕掛けを切断せずとも竿を畳んで移動できるのでフットワークが軽い。糸絡みのトラブルもかなり少ないはずだ。そこでちょっとひらめいた。

硬調の長竿一本買って色々やってみようかしら

名古屋港の五目釣り、波止の見えグレ釣り、渓流釣り、メバル釣り、ハゼ釣りと、硬調竿が一本あれば意外と色々こなせるだろうな、とは前から思っていた。

たとえば取り回しの良さを最優先しなければならない天白川ゴロタ浜の釣りでも、時合がくれば魚があたってくるのは足元から10メートル以内の範囲で十分だ。十分延べ竿で届く。この場合は荷物の少なさと移動の楽さが圧倒的に聞いてくると思う。9号地の岸壁からだとちょっと苦しいが、カサゴや穴子などを狙うならありだろう。ただし、40センチ級のキビレなどに耐えられるようなものである必要はある。

浮いてきた見えグレなら水面直下でいいわけだし、テトラの前にいるようなメバルもこの様なシンプルな道具なら狙いやすい。

そしてロッドケースのじゃまにならないので、ウキフカセ釣りのセットに随伴させてもいい。青虫でもつけてセイゴを狙ってみるのも楽しいだろう。

うん、夢が膨らんできた。問題は、お金である。

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