ひだ池でお手伝いしてくれている大学生”ざわちん”が、チヌ釣りをやりたいというので、それなら今こそチンタ釣りだろう、ということで浜名湖新居海釣り公園に連れて行った。
というのも、大物を狙ってチャンスが一日に数回あるかないかみたいな釣り場ではそもそも「どうやったら釣れるのか」を理解する教材に乏しい。チンタでもアタリ方、アワセ方はチヌそのもの、と言うかある意味である程度大きいチヌよりも「掛ける」のが難しい面があり、さらに数多く魚のコンタクトが発生するため、釣り方を理解するにはもってこいの教材であると思う。
シラサエビ、オキアミ、コーンで1番桟橋に挑む
いつもは激流の4番桟橋だが、この日は空いているのもあって潮が緩い1番桟橋に入る。貸出タックルで初心者が4番に入ると多分大変だから、ラッキーだった。
まずおもり0.8号でシラサエビとオキアミを使って落とし込み釣り。程なくしてチンタが小気味よく竿を絞る。いくらか釣っていくが、前回より確実なあたりを出すのが難しい。どうやらエビの頭まで食い込んでくれないことが多い。待ちすぎて引きちぎられてしまうか、頭まで食う前に合わせてしまって空振るかを繰り返す。一日中そんな感じだった。
ダンゴはいつものNSダンゴ。作り方を教えつつ、自分の分も作る。ダンゴをある程度入れていくと、食いも良くなりざわちんも連発するなど見せ場を作る。午前中は風もなく数が伸びる。正午で撮影タイムとし、ざわちんが20枚、自分が40枚位の比率で合わせて60枚。

昼から向かい風が吹き始め、せっかく潮が穏やかなのにダンゴ釣りが非常に難しい。というのも、岸壁に吹き付けてくる方向の風がラインを不規則に引っ張るからだ。筏では水面が近いからまだそのような風には対処しやすいが、穂先から水面まで竿一本分くらいの落差があるため、テンションコントロールが難しい。やむなくダンゴを別打ちしながら、落とし込みで周囲を探るような釣り方になる。
風に戸惑う弱気な僕
風がうるさいのでどうしてもアタリがわかりにくい。水深も浅く、水面上に露出するラインが長いので全体的に不安定になりやすく、アタリが伝わりにくい。これなら、むしろ潮がある程度走ってくれる方がありがたいのではないか、と思った。潮が走る場所であれば潮が仕掛けを引っ張ることで、オモリの位置エネルギーを弱め、なおかつ水面上のラインにかかる風のドラグに抵抗してくれるから、ある意味4番より釣りが難しいように思えた。水深がある釣り場なら水圧で同様の効果が得られるわけだが、やはり水深4メートル前後しかない岸壁の辛いところ。
風が吹き出すと、やはりざわちんもアタリを取れない時間が続いてペースダウンしてしまう。
一日で合わせて100枚を目指そう、と意気込んでいたが、どうやら80枚、いや70枚が現実的な目標か?
東京からやってきた親子
我々が釣っている様子を見て、小学生の男の子が話しかけてくる。聞けば、東京から帰省でやってきたという。浜名湖のチンタは冬の風物詩。ぜひ釣ってほしい、食べてほしい!自分も、祖母の作る鮒の甘露煮が正月の楽しみだったように、ふるさとの味というのは人生の美しい記憶になるものだと思う。大げさな話だけど、本当にそう思う。この歳になるともう二度と食べられない料理が年々増えていくから、なおさらだ。
レンタルの釣具ではちょっと釣りが難しいようで、どうにか一枚釣ったそうだがあとが続かないらしい。それで、我々が釣った魚をお譲りすることにした。あと、ざわちんが男の子に釣り方を教えていた。えらいぞ!
5時でようやく79枚の釣果。

「楽しかったよー!またね!」
寒い中、お父さんと一緒に粘って釣りを頑張った男の子。いい思い出になればいいなあ。
年越しのつまみを釣る、釣らせる
「よっしゃ、完全に日没までまだ少しあるから、俺のつまみ一緒に釣ってくれ」
「わかりやしたwww」
夕マヅメタイムに入ったのか、アタリも強くなり釣りやすくなる。30分ほどのアディショナルタイムで交互に釣っていくようなペースで88枚まで到達し、納竿とした。日が暮れるとマジ寒い。
「もうラーメンのことしか考えられへん」
「俺もっす」
あー楽しかった!いい締めくくりになりました。良いお年を…といいつつ、記事公開は元旦なんだよなw