渓流ルアー再開後、結構な頻度でバラシになり、知り合いの渓流ルアーの熟練者に相談したら、タックルバランスの見直しを勧められた。
やるだけのことはやったうえで、結局、それでもアマゴ/ヤマメは半分近くはフッキングミスが起こるものだ、とある意味での割り切りも必要、という見解だった。
先日一緒に釣行したリトル門脇くんも、貴重な二匹のアタックをバラすという悔しい結果に終わってしまった。次こそ仕留めてもらいたい。
それにしても、ここぞというときの一発を逃すのは惜しい。それで色々ググったりしたことを参考にしつつ、実釣を重ねていろいろ考えたことをまとめておく。
まず、渓流ルアーはアタリ=フッキングの向こう合わせに限りなく近い釣りだと思う
へらぶな釣りやかかり釣りのように、ごく弱いテンションしかかかっていない状態のわずかなストロークのアタリに対してガツンと合わせをくれる種目とは違い、渓流ルアーでは追ってきた魚がアタックして反転する衝撃がロッドに伝わってくる。
そこで魚の重みがバットに乗り、ファイトに移行する。その時巻取りとロッドに重みを乗せる作業を同時に行うのだが、これが合わせといえば合わせなんだけど、掛けるための合わせではないし、意識的な合わせでは掛かり方によってはパワーが強すぎて逆に身切れしてしまう。
PEラインを使っているときはなおさら、全般に柔らかい渓流魚に対してロッドを煽るような合わせは不要で、やるべきことはパワーをしっかりロッドに受け止めさせる、ということ。あえて言うならスウィープフッキングに近いかな?より深く確実に差し込むための動作(といっても合わせを意識していることはほとんどない)。
ナイロンで遠投している場合は意識的に強めに追い合わせを入れたほうがいいかもしれないがやっていないのでよくわからない。よっぽどスラックを出していない限り、すくなくともガツンとした合わせは不要だと思う。
ティップが程よく柔軟なロッドなら弾きにくい
PEラインを組んでいるときは柔軟性を活かせるロッドがほしい。渓流、里川ではMLよりL、XLが適している。これまでよりも柔らかいロッドに持ち替えたらフッキング直後のバラシは軽減した。ただし、バットまでふにゃふにゃではトゥイッチがやりにくいし流れにのされるリスクが増大するので、その辺は良く行く釣り場や自分の癖にあったものを選びたい。
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スミス・インターボロンIBXX-60MTをニシグロ(イシグロ名古屋北店。私の界隈では西春にあるからニシグロと読んでいる。引山店はヒキグロ。おなじみですね)で見つけ思い切って購入。6フィートはHGである益田川の中流域から里川、渓流まで一通りこなせるが、先日入ったような細い谷ではサスガにちょっと長くてキャスティングに工夫が必要だった。ただ、めちゃくちゃ楽しい釣りになった。
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大ヒットルアーであるDコンタクトを生み出したスミスの作るロッドであり、まさに連続トゥイッチをするのにうってつけ、である。やや胴調子でありつつ、しっかりルアーに動きが伝わる。
これに持ち替えてからバラシは明らかに減った(なくなったとは言ってない)。
イワナはだいたい問題なく乗せられる
勢い余った感じのスレがかりなら厳しいが、口周りにしっかり掛かればイワナはそれほど神経を使わない。横に首を振ってロッドにゴンゴンと叩きが伝わるような引き方をするおかげで、むしろしっかり刺さりにきてくれている感がある。
アマゴ、ヤマメがやたらバレる理由
サイズがある程度有れば、その重量がヒット時のエネルギーに加わるのでフッキング率は上がる。ただ、18センチを割るサイズになるとその軽さ故に刺さりきらないということがしばしばある。まあそんな小童など相手にしない、という割り切りも必要だが…。
なんといっても問題はローリングである。アマゴはヒットするといきなりクネクネと暴れ出し、しまいには一方向にバレルロールを繰り返す。これをやられてしまうとねじれにルアーが追従できず、針穴が広がりバラしやすくなることはよく知られている。
そうさせないためには、素早くラインを巻き取りロールさせないよう「引き方向に泳がせる」ようなファイトに持ち込みたい。
刺さっていない説の本質って「フックが甘い」か「テンションが掛かりすぎている」かのどっちかじゃね?
刺さりが甘くてバレたな、と思うようなときはたしかにちょくちょくある。やっぱり使い古したルアーに付いているフックを交換していないとこれが起こりやすい。じゃあ新品であれば間違いなく刺さるのかというと、確率は高まるけど100%ではない。いわゆる「弾く」という現象だ。
伸びが少ないPEラインでのこれの解決策は「アワセ」ではなく、「食う瞬間にテンションをわずかに抜く」ことにあると感じている。
適度なラインスラックと「間」があるから魚の運動エネルギーに対していい角度で針先が立つと思う
私の場合だけど、魚が見えるポイントならここで食うぞ、というところでアクションを止め、テンションを抜くことによって明らかにバラしが減った。フッキング直後バラしの真相は、ルアーにかかったラインテンションが強すぎて(ルアーが強く引っ張られていて)「いい角度で刺さる前に魚体の表層をバリ掻いて浅い角度で入ってしまっている」可能性があると思うようになった。
浅い角度でフッキングしてしまったら、それは当然バレやすい。できるだけ深く貫通させるためにどうするか、は今後のテーマだ。
ともかく、今後この方式で攻めていこうと思う。一瞬の間をここぞで作る。掛かり釣りでも似たようなことやってるね、そういえば。
ゲイブの深いシングルフックはその点で有利
刺さってさえしまえば、ゲイブが深い分より深くねじ込めるという点ではシングルフックに利点がある。口に入りやすいし。今度使ってみようかな。
以下おまけ:ロッドワークはどうするべきか –沖なら立てて、近いなら下げる
遠ければ立てるし、15m程度より近ければ横方向に寝かせる。水面を割って暴れさせるのも良くないし、流芯に乗せてしまうのは避けたい。うまく流れに乗せつつこちらに寄せていくか、流芯に乗られる前にこちらから立ち込んで距離を詰めていく。こちらから詰めていくときはロッドは立てざるを得ない。
ここぞというポイントでの選択肢
目の前に奥行きのあるプールがあり、まだまだそのポイントでの釣果が期待できそうならこちらから寄ってのランディングは物理的に不可能でないか、その日一番の大物と思われるときでも限りやらない。水際から離れていた場合、魚が小さければ鮎釣りのように引き抜いてタモキャッチ。水際の場合はできるだけ早く流芯から離して足元に寄せて静かにランディング。
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状況に合わせて臨機応変に、と書いてしまうのは簡単だが、それだけ行動の引き出しがすっと開くだけの経験が必要になる。やっているうちに覚えるものだが、一連の行動をスムーズに行うことで一日の釣果はグッと変わってくるんじゃないかと思う。