ウキの感度・ウキの浮力という言葉の印象に騙されるな 第1回

2020年も2月に入ったが、実はまだ竿を振っていないwこの週末はワンチャンドブチヌ釣行も検討したが、そのときに限って気温が低下。結局家にこもってゲームしたり仕事したりしている。

そういうときは釣りのサイトを色々検索しては予習復習を行っているのだが、そこで気になる点があったので今回記事にしようと思う。

それはずばり、タイトルのとおり、
「巷で言われがちなウキの感度と浮力という表現のいい加減さ」である。

名港ドブサナギ釣法で解説した図。円錐ウキか、立ちウキか。感度はどちらも同じく良い。

ウキの感度の定義とはなにか

ウキの感度という言葉がある。感度の良いウキを使いましょうとか、感度が良いのであたりがよく分かる、という具合にだ。感度というのは、小さなアタリや水中の変化をよりわかりやすくウキの動きで表現する力の事を言うのだと思う。しかし、大抵はアタリの表現についての言及に終わってしまう。そうじゃない。

感度の良いウキというのは、どんなウキ釣りでもそうだけど餌の有無とか、周囲に集まっている魚の濃さとか、仕掛け全体の馴染み具合とかが大きく可視化される能力に優れていることにポイントが有る。入門者向けのサイトではテーマがチヌのウキ釣りでもへらぶな釣りでも概してそのようなことが書かれていない。アタリがわかりやすい、ということしか書いていないことが多い。

魚がスれている管理釣り場なら工作精度の高い「感度の良いヘラウキ」が結構な差をつけるものだ。

それに、感度のすこぶる悪いヘラウキというのも世には存在するのである。ヘラウキであれば感度が良いというのは誤りだ。動くんだけどそれが落ち着きなくて、アタリが読み取りにくいとか、底釣りでなじみが出にくいとか、そういうこともある。

私にとって感度の良いウキというのは、アタリだけでなく、海中の状況、魚の状況、餌の状況を的確に表現できるウキのことだ。

ウキの浮力の定義とはなにか

ウキの浮力というのは単純に言えばより多くのオモリを背負えるということだ。海釣り用のウキにはたいていオモリ負荷が表示されていて、それにあったガン玉や中通しオモリをセッティングして釣り合いを取るのが一般的な使い方であることは諸兄もよく把握していることだろう。

だんだん慣れてくると、その日の潮の走り方とか、港湾部や河口部なら塩分濃度の変化による比重の違いとか、その他微調整、あるいはあえて沈めていくためにオモリを増減させて釣りやすい状態を作り出そうとする。基本的に、ウキはオモリ負荷と釣り合うところが基準となり、そこからオモリを増やす方向に微調整することはあるが、オモリ負荷よりも軽くするというケースはあまり聞かない。仕掛けが安定せず、ウキにあたりが伝わりにくいし、底釣りなら底のアタリが取れなくなるからだ。

したがって、もう一度書くが、ウキの浮力というのは背負えるオモリの量である。浮力が小さいから感度が良

いというのは誤りである。むしろ、浮力が小さいウキを使うことでオモリが背負えず、仕掛けが浮き上がり魚に届かないなら本末転倒である。こういうときは浮いている魚しか釣れないことになる。

では、一般的に使われる浮力が小さいと感度が良いというのはどういうことか

浮力が小さいから感度が良いという表現は誤りだと断言した。しかし、可能な範囲でウキやオモリは小さい方が食いがいいというのはどうやら間違いないようである。次はこれがどういうことかを考えていく。

上の図を見てほしい。港湾部のウキフカセのチヌ釣りではポピュラーな円錐ウキ(≒玉ウキ)と立ちウキ(≒棒ウキ)である。それぞれに長所と短所があり、また、それぞれのグループでもまた上の図の円錐ウキの形状のように、微妙なフォルムの違いでウキの性格も違ってくる。

まず、チヌのフカセ釣りにおいての円錐ウキと立ちウキを比較すると、円錐ウキが0~1号となり、立ちうきは3B~2号くらいがよく使われると思うが、売られているラインナップを比較すると基本的に立ちウキのほうがオモリ負荷は高い。つまりより多くのオモリを背負う。円錐ウキではほとんどサシエとハリの重さだけで沈めることを想定したものがあるが、(一般的に)立ちウキではその様な使い方を想定したウキがない。少なくともガン玉3Bからである。
*メバル用とかならもっとオモリ負荷が軽いのもあるが、ウキ自体が軽量になるために非常に飛ばしにくくなる。

さて、そのなかで円錐ウキと立ちウキのオモリ負荷がかぶる5Bで比較してみる。5Bでセッティングされている円錐ウキも立ちウキも当然オモリ負荷は同じで5Bだ。しつこいようだが、どちらも同じ5Bのガン玉で仕掛けが安定する。ではより感度の高いウキはどちらだろうか?少し考えたら、立ちウキのほうが感度が高い、という答えに行き着くだろう。おそらくそれは正解である。

引き込みに対する断面積と抵抗の大小が感度を決める

一般的に立ちウキのほうが感度が高いと言われるのはなぜか、をよく考えてほしい。立ちウキは円錐ウキや玉ウキに比べて、上下方向から見た断面積が小さい。その分ボディを長くすることで浮力を稼いでいるわけだ。そして、引っ張りに対する抵抗が小さいため、魚が違和感なく食い込みやすいし、長くなっているぶんだけアタリが大きく表現される。同じ引っ張り抵抗(アタリ)でもより少ないエネルギーでウキが引っ張り込まれ、さらにより大きくストロークが出るのが立ちウキの利点である「感度の良さ」となる。

つまり立ちウキは、人間に伝わるアタリを表現するのに必要なエネルギーが円錐ウキや玉ウキより小さくてすむのである。

適切にセッティングされた仕掛けならこんなチビメバルだろうが5Bの立ちウキでもハッキリ沈む。

一方円錐ウキはどうかと言うと、これは本来、磯のように潮が複雑でまず仕掛けを安定させ、時として激流の潮に乗せていくことを最優先する必要があるから円錐ウキを使うものである。その前提の上で、スリムな形状で引き抵抗を下げに行くのを優先するか、どっしりした形状で仕掛けの安定を優先するかを判断する。他にもエキスパートはいろいろな状況を加味してウキの形状を選択する。私などは港湾部のチヌ釣りでも好んで円錐ウキを使うが、立ちウキのほうがメリットが大きいという人も多いことは把握しているし、基本的に同意である。

私が円錐ウキをよく使う理由は、立ちウキに比べて安価であることと、複雑な二枚潮になりにくい浅場を釣ること、そして適切にセッティングすれば円錐ウキだからってあたりが出ない、わからない、ということは基本的にないことによる。それでもやはり、ついばむようなアタリは疑心暗鬼になるし、そういうのは立ちウキのほうが鮮明に捉えられるだろう。(実際、微妙に円錐ウキがシモる(抑え込まれる)ような微妙な反応が出たときにしばらく待って合わせるとチヌがかかることも少なくない。基本は完全に持っていかれるまで待つが、シモった状態でずっと止まっているようなら一度合わせてみるとよい。)

水の中を歩いたり、風呂で手を振ってみればすぐに分かることだが、水の抵抗というのは想像以上に強い。断面積と流体力学的に優れた形状はウキの性格を大きく変えるし、立ちウキがスリムなぶん、小さなエネルギーでより大きなストロークのアタリを表現できることが理解できるだろう。

次回は感度はウキの浮力ではなく、引き抵抗の小ささで決まるという話を掘り下げ、さらにその上で極力小さなオモリで釣るほうが良い場合と重いオモリを使うべき場合について述べる。

状況によってハリも変えていく。ウキも同じ。

One thought on “ウキの感度・ウキの浮力という言葉の印象に騙されるな 第1回

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.